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類書をたくさん出版されているせいか内容が薄い。
後半はインタビューとなっているが、皆様それぞれの老後を過ごされて、以上の「お金の長寿術」がない。残念。
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今年(令和2年)になって在宅勤務が始まる二月末までに通勤途上で読み終えた本です。あと一月で誕生日を迎える私は、そろそろ、とりあえずの区切りである60歳以降、どのような生活をすべきかを考えなければと思い読みました。
読み終えた直後に在宅勤務が開始されて、はや二ヶ月、先程のニュースで緊急事態宣言の最低一ヶ月の延長が決まった様ですから、もはや今までの生活を取り戻せることは難しいという前提で将来を考えていかなければならないと思いました。
この本の結論は、65歳まで働いてその後に年金を現行制度の通常通り65歳からもらいなさいというものです。但し、60歳までとそれ以降で働き方をどうすべきかは、個人が置かれている環境によって取り得る選択肢に幅があるように思いました。
老後の資産はいくら必要かという議論も、各々に置かれている環境(既婚か、子供の人数と年令、親の状態、自分の家の保有状況・ローンの状況等)によって変わってくると思います。また、お金や数字では計測できない資産の重要性は、自分で判断するしかないと思いました。
毎年、確実に身体は弱っていきます。腰や膝は激しい運動をすると元に戻るのに時間がかかります、また老眼は悪化する一方です。その中で、自分がやりたいこと、やりたかった事を見つめ直して、色々な制約が取れてくる、これから数年間をどのように過ごすかが、最後に振り返って後悔しない生き方になるのではと思いました。
以下は気になったポイントです。
・資産寿命の延ばし方、1)働いて収入を得る、2)年金の受け取り方を考える、3)支出をきちんと管理する(p26)
・65歳受給開始が60歳受給開始を上回る年令は76歳、70歳の場合に65歳開始を上回るのは81歳(p31)
・退職金で気をつけるポイント、1)毎月は公的年金内で暮らして退職金は使わない、2)運用プランには注意、3)退職金元手にお店オープンは要注意、4)退職金への過信は禁物、原理原則:1)日々の生活は公的年金以内、2)趣味などの費用は働いて得る収入か、それを貯めた資金で、3)退職金などは出来る限り使用しない(p40、51)
・60歳以降に何歳まで働くかで人的資本は異なる、年収240万円、割引率2%とすると、65歳までで1176万円、70歳までで2320万円(p45)
・60−65歳の場合、月額28万円を超えると厚生年金の一部停止がある、基礎年金は対象外(p53)
・定年後に転職する最も良い方法は、今の仕事を頑張ることである(p59)
・年金2000万円不足問題は、30年間で約2000万円の不足が生じるというもの、毎月生活費26万円(食費6.5、住居1.3)、毎月不足額5万円程度が想定となっている。貯蓄額は2500万円(p94)
・一人の高齢者を何人の現役世代で支えるかという視点ではなく、一人の就業者が何人の非就業者を支えているかでみると、1970年も2040年もほとんど変化はないので、実態として現在の若い世代の負担が増えるわけでも無い(p106)
・公的年金の積立金残高は、平成元年の73兆円から、平成30年の198兆円(年金支給額4年分)へと増えている(p110)
・2004年に年金保険料について決めたこと、1)保健料水準の上限を法律で決定、2)国負担割合を1/3から半分へ引き上げ、3)積立金の積極的活用(p112)
・2019年度現在、現役世代の平均手取り賃金は35.7万円、65歳時点での年金月額は22万円、これより現役の6割が受け取れる(所得代替率)と言われている(p122)
・資産寿命を延ばすためには、住宅ローンと教育費は定年前に終わらせておくこと(p163)
・金額を目標にするのではなく、自分の好きなことは、やりたいことは何かを考えてみて、そのために必要なお金を作って(増やして)いく(p185)
・時間はつくるもの、時間が無いというのは、それをやる気がないというだけの話(p194)
2020年5月1日作成
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老後の資産維持の仕方について指南する。人生100年時代の心配事は、自分の資産を減らさずに維持できるかどうかということ。 お金は人生の保険なので、資産維持のための基本的な考え方や方法を伝授する。一時期、大騒ぎになった2000万円問題も、よく見れば現実とは合わない試算であり心配することはない。 自分がどのように老後を送るかを考え、自分自身の方針があれば良い。 一番良いのは、働けるだけ働くことのようだ。 また老後の生活は、収支をトントンにすること。年金の正しい知識を持つことも重要。資産運用は余剰資金で等々。 老後資産の本は、これまでにも何冊か読んだことがあり、著者の方法も特に変わったことはない。
自分もネットで家計診断の話をよく見るが、時々収支が合わない大雑把なデータを提示してどうしたらよいかを相談する人がいる。 家計を把握できていないのが一番の問題だ。 他にも心配し過ぎの人、例えば退職時に家も充分な資産がありながら家計相談するような自慢話としか思えないものあったりする。そういう話は全く参考にならない。 この本も最後にうまくやった人の事例が出てくるが、知りたいのは成功者よりも失敗者の話。 そういう人から教訓を得ることの方が重要だと思う。
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48m
大江英樹
経済コラムニスト。専門分野はシニア層のライフプランニング、資産運用及び確定拠出年金、行動経済学等。大手証券会社で定年まで勤務した後に独立。書籍やコラム執筆のかたわら、全国で年間140回を超える講演をこなす
厚生年金は65歳から受給するのが得
ちなみに60歳で早めに貰う人と70歳から貰う人を比べてみると100歳で比べた場合は約4000万円の差が出ます。ひょっとしたら資産寿命を延ばす一番良い方法が年金の繰り下げ受給なのかもしれません。
厚生年金に加入する必要があるのは、会社と雇用契約を結んで働く場合です。 そうせずに自営業で働くようにすれば良いのです。自営業であれば、いくら稼いでも年金が減額されることはありません。自営業と聞くと、なにやらハードルが高く思えますが、 それほど難しいことではありません。実態はサラリーマンでも形式を自営業にすればいいのです。どういうことかというと、「雇用契約」で働くのではなく、「業務委託契約」で働 くのです。自分を個人事業主と規定し、会社から業務を委託する、という方法です。
84歳で世界最高齢のプログラマーと言われている若宮正子さんは60歳でそれまで勤めていた銀行を退職し、パソコンの勉強を始めた時、「ああ、私はにして翼を手に入れた」と思ったそうです。私も60歳で事務所を立ち上げた時は「これでようやく自由を手に入れた」と感慨深かったことを思い出します。会社というくびきから解かれ、翼を、自由を手 に入れることができるのですから、自由に楽しく働いてみるということに挑戦してみては いかがでしょうか。きっと新しい世界が開けてくるに違いありません。
「2000万円不足問題」はなぜ炎上したか
発端は金融庁の金融審議会における市場ワーキング・グループの報告書のなかにあった、 「30年で約2000万円の取り崩しが必要になる」という一文を切り取り「老後の生活に2000万円足りない!」と、一部マスコミが騒ぎ立ててしまったことにあります(報告書に書かれた「2000万円」という数字の根拠は後述します)。 がについては単に政府を攻撃するような意見だけではなく、「もっと若いま形成をした方が良い」とか「いや、今後は定年後もしっかりと働くべきだ」といった比較的前向きな意見も多かったことは事実です。ところが一方では「2000万円足りないのだから、今から積極的に投資して増やしましょう」といった言葉に踊らされて、高額の投資セミナー等に参加する人も増えているようです。金融機関にたくさんいる私の知人から 「大きな声では言えないが、あれ以降、取引を始める人が増えて、我々に 『2000万円特需』みたいなものだ」という声もよく聞きます。 しかしながら、結論から言ってしまうと「年金2000万円不足問題」などというものは実は存在しないのです。ネット民もマスコミも存在しない幻に騒いでいるだけだったと いうことなのです。
これから説明していきますが、公的年金はなかなか良くできた制度です。私も若い頃は年金のことをよく知らなかったために「どうせ貰えないだろう」と思っていましたが、年金のことをきちんと勉強すればするほど、安��できるようになります。 ぜひ、その基本的な仕組みを正しく理解していただきたいと思います。
気を付けるべきなのは自営業や非正規で厚生年金に入れない人達です。少なくともこの人達は給与天引きではなく、自分で国民年金保険料を納める必要があります。マスコミや金融機関に惑わされて年金保険料を納めなければ、将来はかなり厳しくなると言わざるを得ません。年金についてはできる限り正しい知識を持って、資産寿命を延ばすための土台にしていただきたいと思います。
「波平さん」は何歳?
最近は60歳でもまだまだ元気な人は多いし、70歳でも働いている人は2人に1人はいます。だとすれば元気で長く働きたい人は働くという選択肢があってもいいし、働いている間は年金を受け取らず、できるだけ先延ばしして金額を増やしたいという人もいるはずです。みなさん、漫画のサザエさんに出てくるサザエさんのお父さん、磯野波平さんは何歳かご存知ですか? 何と彼は54歳なのです。サザエさんのテレビアニメが登場したのは昭和4年ですが、漫画自体は昭和26年の4月に朝日新聞で連載が始まっています。その当時55歳、そして男性の平均寿命は60歳でした。つまり仕事を引退した後年しかなかったのです。その頃は年金制度もありませんでした。国民年金が誕生した昭和 36年ぐらいになると平均寿命は少し伸びて65歳になりましたが、それでも定年後5年か。 年ぐらいの寿命しかなかったわけです。現在の男性の平均寿命が81歳であることを考えると、逆算すれば今は70歳や75歳まで働いても別におかしくはありません。
多くの人が「働く」という言葉を聞くと思い浮かべるのは、製造、販売、管理といった具体的な仕事のイメージです。でも働くというのはそうした目に見える労働だけではありません。例えば企業の経営者というのはどんな仕事をしているのでしょう。彼らの最も重 要な仕事は「判断する」ということです。会社が持っている経営資源、従業員や資本や設 備等をどの分野に投入すれば最も高い利益が得られるかを考え、判断するのが仕事なのです。トヨタ自動車の社長は自分では自動車を組み立てることはないでしょうし、パナソニ ックの社長が店頭で冷蔵庫を売ることもないはずです。でも彼らは別に仕事していないわけではなく、「経営する」という仕事をしています。経営というのは「リスクを取って判断し、その結果の責任を負う」ということです。 でもこれって何かと似ていませんか?そう、まさに投資家がやっていることなのです。 「何に投資すべきか」「それをいつやるべきか」「いつ売って利益を回収するか」自分の頭で考え、分析して実行する。利益が出ても損が出てもそれは投資家の責任ですから、投資家がやっているのはまさに経営者がやっていることと同じことです。
※idecoのメリット
1つ目、これが最大のメリットですが、 自分の出した掛け金が全額所得控除されることです。サラリーマンにとっては、「所得控除」と言われてもピンと来ないかもしれませんが、これがあると、年末調整で戻ってくるお金が相当増えます。具体的には図8にあるように課税所得が400万円であれば、サラリーマンが掛けられる上限の金額、年間27万6千円を積み立てると所得税と住民税を合わせて8万円あまりが戻ってくるの��す。
2つ目のメリットは運用の結果、出た利益に対して全く税金がかからないことです。普通は投資で得た利益に対しては20%の税金 がかかりますが、idecoを使えば無税です。資産運用にとって最大の敵は税金と手数料というコストですから、その税金がかからないというのは大きなメリットでしょう。
3つ目のメリットは「何があっても60歳までは引き出せない」ということです。途中でおろせないのはデメリットじゃないの?と思う人もいるでしょうが、そもそもこの制度は老後の資金を作るための制度ですから、簡単におろせないようになっているの は老後資金を確保するためには、むしろメリットと考えるべきでしょう。
※NISAについて
一般的にはつみたてNISAは期間が長いために若い人に向いた制度と思われがかならずしもそうではありません。何しろ人生100年時代ですから50歳や60歳で積立てを始めたとしても十分時間はあります。私自身もNISAが始まった時は既に62歳でした が、その時以来、毎年積立てを続けています。前述の「税制改正大綱」でも期間の延長が、 示されています。 ただ、こちらはiDeCoと違って掛金が所得控除されることはありませんし、制度の正式名称が「少額投資非課税制度」とあるように運用も投資信託等のリスク商品しか利用することはできません。ただし、運用益に対して税金がかからないというのは大きなメリットですから、自分でリスクを取れる範囲内で投資をやっても良いと判断する人であれば NISAやつみたてNISAはおおいに活用すれば良いと思います。