紙の本
涙が止まらなかった
2022/12/25 19:59
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投稿者:yy - この投稿者のレビュー一覧を見る
私がこれまで読んだ短編小説の中で、一番泣いたのが、本書に収録されてる「ノ・チャンソンとエヴァン」です。たくさんの方に読んでいただきたい小説です。
紙の本
悲しい、哀しい、かなしい
2019/08/15 23:08
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投稿者:ぽんたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は、日々の暮らしの中で、どれだけ頻繁に悲しみを感じているのだろう。ずっと悲しみが続くことはないだろうし、哀しみの中にも、ふっと笑ったり、ほっと気が抜けたりしているはずだ。でも、こうして小説で読むと、大きな悲しみに遭遇すると、もしくは、哀しみが近づくのを感じると、もしかすると、人というのは、微笑むことも、驚くことも忘れてしまうのでないかと思ってしまう。
こんな風に、哀しいという感情を巧く表現することができるのであれば、喜怒哀楽の「哀」ももっと上手に感じることができて、その分、「怒」という感情のほとばしりを穏やかにできたり、「喜」や「楽」という感情の大切さ、愛おしさも気づくことが出来るようになるのではないかな。そんなことに気づかせてくれた短編小説集。
紙の本
気分が落ち込む
2020/06/02 16:51
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投稿者:tissa - この投稿者のレビュー一覧を見る
文章はとても綺麗で、心情が丁寧わかりやすく、文学的に表現されています。
テーマは喪失。
読み終わった後「ズーン」と暗くなりました。
韓国文学はあまり詳しくなく、3冊目なのですがどれも映像が目に浮かぶ読みやすい文章です。
またこれは詩のような綺麗な物語なので、好きな方は心にすっとしみ込んで、ゆっくりと深い感動を味わえる内容だと思います。
あくまでも個人の好みですが、私は読んだ後悲しくなったので好みではありませんでした。
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やられた、やられた、やられた!
短編集なめてた。
最後の『どこに行きたいのですか』は泣けた。
配置って大切。
ワタシが好きだと思ったのは『立冬』『向こう側』そして一番は『どこに行きたいのですか』。
喪失をこんな風に書けたら。
誰かの生きている人生を見せてもらった。喪失って色んな捉え方がある。
やっぱりキム・エラン作品好きです。
友だちにも紹介したら速攻買いに行って読んで泣いているらしい。
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“言葉を使わないと寂しいし、言葉を使うともっと寂しい日が続いた。”(p.148)
“「過去」は通り過ぎて消え去るものじゃなくて、積もり積もって漏れ出すものなのだと思った。これまで自分を通り過ぎていった人、自分が経験した時間、押し殺した感情などが現在の自分の眼差しに関わり、印象に加わっているのだという気持ちになった。”(p.179)
“そういう頭の切れるところというか、機転が利くところに惚れたけど、その一方であなたがいとも簡単に要約して判定を下すたびに不思議と反感を覚えた。それが他人をもっとも簡単なやり方で理解する、一個人の歴史と重み、脈絡と奮闘を省略する、とても愛らしい合理性のように見えて。”(p.206)
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幼い息子を事故でなくした人の話と、最後の、夫を亡くしてスコットランドに逃避し、夫のことを友だちにいえない、二つのお話。自分の経験もあって、涙した。
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暑い暑い夏もようやく終わるかと思われる頃、手に取ったこの本。
テーマは「喪失」かけがえのない大切な子供だったり、夫だったり、恋人だったり、愛犬だったり、そんなテーマの短編集です。
大切なものを失ったけれど、明るく立ち直ったり、未来に向かって歩き出したりといった、そういったハッピーエンド的なものはありません。
気持ちの持っていきようがなく、寄るすべもなく、どうしようもなくもがき苦しむ、ただ息をしているだけの毎日、読んでいても胸がつぶされそうになります。
そんな彼ら彼女らですが、最後はふっと我に返ってわずかに顔を上げるような、そんなかすかな希望が感じられるところに救われます。
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「喪失」がテーマの短編集。
どの話もすっきりとはせず、やるせない澱のようなものが溜まる感覚がある。けれど引き込まれて一気に読んでしまった。
特に、孤独で貧しい少年と犬の交流を描いた「ノ・チャンソンとエヴァン」を読んで、ざらざらしたものが残った。
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途方もない悲しみからこの先どこへ向かうか何をしたら良いか明示するわけではないが、人間の心情を丁寧に掬い取り見つめる視線を作り上げた小説。
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喪失がテーマの7つの物語。
切なくて悲しくて苦しい。決して他人事のように読めなかった。きっと今もどこかで何かを喪失している人はいるだろうし、自分もそうなるだろう。あとがきで「セヴォル号沈没事件」後にどの作品も書かれたと知り、胸がしめつけられた。
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突然の別れに成す術もなく立ち止まり、時間が凍りつく。過去を想い、自問を繰り返す。
その別れに自らの非を探しては何度も傷を引っ掻く。
時間が止まってしまった人に対する、普通に暮らす人々の無理解、冷たさも同時に描く。
別れが近付いたことを知る人の喪失への痛み。
相手の中に信じていた姿を見失った時の喪失感。
なんていう辛さだろう。どの話もヒリヒリと胸に痛い。
タイトルの「外は夏」は、
「スノードームの中の冬を思った。球形のガラスのなかでは白い雪が舞っているのに、その外は一面の夏であろう誰かの時差」の一文からだ。
夏の暑く眩しい時にありながらも、そこだけ雪が舞う凍りついた閉ざされた狭い世界に、各章の登場人物の心が重なる。
そんな時、何かが溶け出すのをただじっと待つしかないのかもしれない。
少しだけ動く瞬間を見事に描いている。
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「立冬」:深夜零時過ぎに、壁紙を張り替えようと妻が言い出した。今から?うん。妻のほうから何かをやろうと言ってくるのは久しぶりだった…。息子を事故で無くした夫婦の話。「ノ・チャンソンとエヴァン」、「向こう側」、「沈黙の未来」、「風景の使い道」、「覆い隠す手」、「どこに行きたいのですか」。喪失をテーマにした短編集。どれも胸にジンとくる。
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久しぶりに好みの小説
喪失 が全体のテーマの短編集
子どもを事故で亡くした立冬
ノ、チャンソンとエヴァンは拾った犬を安楽死させるかどうかで葛藤する少年
離婚を切り出す夫婦の向こう側
大学教授との一悶着を書いた風景の使い道
息子との精神的な距離を書いた覆い隠す手
夫に先立たれた妻を書いたどこに行きたいのですか
ノ、チャンソンとエヴァン
は特に絶望の中の生活に差す一瞬の希望がよかった。
主人公は両親がおらず祖母が面倒を見ている。祖母は冷たく対応するが子供に対して少し愛情を感じる場面も上手く書かれている。主人公は祖母に冷たくされながらもいざというときには祖母を頼りにするような描写がある。
愛情を注がれなかった子どもが拾った犬に自分を重ねて、愛情を与えたいという感情は人間の希望のようなものに最後藁にもすがるものなのかもしれない。
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喪失に関する物語。あとがきにてセウォル号事件を受けての創作であったことを知る。
子ども、夫、犬、昇進を永遠に失ったり手放したりする人たちの物語。余韻を残しながらの締めくくりが良い。
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喪失に関して。
それぞれの短編にはこれといったオチが作られているわけではなく、それが良い。特に印象的だったのは『ノチャンソンとエヴァン』『どこに行きたいのですか』。