紙の本
お金経済の歴史
2022/05/03 20:39
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者が東大経済学部だからでしょうか、書き方が論理的です。これならば、高校生でも、ある程度の知識あれば、理解できそうな……。ハイパーインフレにしても、円高にしても、納得できました。
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特に、「なぜ経済成長していない日本の円が高いのか?」という一見不可思議な現象に対する答えは、本書が一番説得力があった。
もっとも私は本書の指摘に全て同意しているわけではない。特に不同意なのは、理論ではなく現況認識。プログラムが同じでも、入力が異なれば当然出力は異なるように、理論が同じでも現況認識が異なれば自ずと答えも変わってくる。
本書「貨幣進化論」は、元日銀マンの経済学者による、貨幣の現在・過去・未来。
岩村充『貨幣進化論―「成長なき時代」の通貨システム―』|新潮社より
パネル1:ドーキンスとスミス / パネル2:文字の起源 / パネル3:需要と供給そして「見えざる手」 / パネル4:4000年前の利子規制 / パネル5:貨幣としての宝貝 / パネル6:リディアの刻印貨幣と中国の布銭 / パネル7:中国の交子とストックホルム銀行券 / パネル8:国債が誕生したころ / パネル9:貨幣としての銀と金 / パネル10:最後の日の貨幣 / パネル11:ウェルギリウスに導かれて地獄を巡るダンテ / パネル12:成長へのギア・チェンジ / パネル 13:中世日本人の貨幣観 / パネル14:ゲゼルとケインズ / パネル15:自然利子率の発見者 / パネル16:価格革命 / パネル17:山田羽書と藩札 / パネル 18:歴史に残るバブルたち / パネル19:日本銀行の設立と銀行券 / パネル20:ニュートン造幣局長官 / パネル21:19世紀英国の鉄道ブーム / パネル 22:ブリタニアが波頭を制した / パネル23:合衆国銀行と連邦準備制度 / パネル24:図解・金兌換停止と物価のシナリオ / パネル25:ヘルフェリッヒ対ポワンカレ / パネル26:金解禁のお祭り騒ぎと反動 / パネル27:高橋財政 / パネル28:第二次世界大戦後の金価格 / パネル29:マネタリストとフリードマン / 漂わなかった貨幣たち / 貨幣価値とは政府の株価 / 金利とマネーサプライ / 律義な政府と中央銀行 / パネル30:フォートノックスの金保管施設 / パネル31:ケインズとホワイト / パネル32:ブレトンウッズ体制の舞台裏 / パネル33:IMFとSDR / パネル34:戦争経済の遺産 / パネル35:焼け跡と一銭五厘の旗 / パネル36:天皇とマッカーサーそしてドッジ・ライン / パネル37:ニクソン・ショックとオイル・ショック / パネル38:変動相場制移行後のインフレ率の推移 / パネル39:倒産する国、しない国 / パネル40:ヘリコプターとケチャップと不良債権 / パネル41:変動相場制移行後の円とドル / パネル42:ユーロを生み出したもの / パネル43:良貨が悪貨を駆逐する / パネル44:通貨はどこにあるか / パネル45:囚人のジレンマ / パネル46:フィッシャー方程式とイスラム金融 / パネル47:テイラールール / パネル48:技術と人口 / パネル49:フィリップス曲線の異変 / パネル50:愚者の船 / パネル51:貨幣に金利を付ける方法
はじめに
第一章 パンの木の島の物語
一 物語の始まり
二 貨幣という発明
三 最後の日の貨幣
第二章 金本位制への旅
一 利子は罪悪か
二 金貨から銀行券へ
三 金融政策が始まる
四 戦争の時代に
五 金本位制の舞台裏
第三章 私たちの時代
一 ブレトンウッズの世界
二 私たちの時代
第四章 貨幣はどこに行く
一 統合のベクトルと離散のベクトル
二 貨幣はどこに行く
おわりに――変化は突然やってくる
本書は理論中心の本文と、エピソード中心の「パネル」からなる。記述がまとまりを欠き、読みにくいとの意見もあるようだが、むしろ私はこの無理にまとめようとしない著者の姿勢に好感を抱いた。そう。「まとめ」。これこそが、貨幣の最も重要な機能にして、貨幣の最も暴力的な姿なのだから。そこにおいて、1万個のカップヌードルと乗用車一台が同じということになる。「リンゴとみかんを比べる」という、小学校の算数であればありえないことが、貨幣を通すと可能になる--ように錯覚してしまう--のだ。
要するに、日本政府とは世界的にみると異様なほど恵まれた顧客基盤の上に胡座をかいている独占企業のようなものなのです。そして、当たり前のことですが、そうした国の株価ならぬ貨幣価値は、短期的な要因ではなかなか下落しません。
で、本書の副題である「「成長なき時代」の通貨システム」である。著者の認識と私の認識で最も異なるのは、ここだ。
著者の認識は、すでに(少なくとも日本は)成長なき時代に突入しているというものである。
もちろん、古いと言っても、何千年も何百年も前というわけではありません。ただ、飛行機、電力、高速鉄道、コンピュータ、そして化学薬品や原子力に至るまで、私たちを取り巻く基幹技術を作り上げている数々の原理と発見と考案の時期は、十九世紀の終わりから二〇世紀初頭の数十年に集中しているように思うのは私だけではないでしょう。それに比べると、私たちが大技術進歩の時代だと思っている二〇世紀半ば以降の数十年に得られた原理は、どうも限られたもののようです。ライト兄弟の飛行機は一九〇三年に二百六十メートルの距離を飛行しました[ママ]。その飛行機が一九三九年に始まる世界戦争の帰趨を決めたわけです。ところが、私たちがジャンボジェットと呼んでいるボーイング社の747型機は、初飛行した一九六九年から四〇年以上たった今も国際線の主力機の一角を占め続けています。そうした事実を見ると、現代は応用の時代ではあっても、画期的な原理発見の時代ではなくなっているように思えます。
成長が「より大きくより多く」しか意味しないのだとしたら、著者の主張は正しい。私自身以前「404 Blog Not Found:マクロエンジニアリング受難世代」という記事を書いてこのことを指摘している。
しかしこの41年--そう、私の人生と全く同じ時間だ--は、成長は「逆方向」にも可能だということを示した時代でもある。「より小さく、より少なく」。そして「未接続が接続に」コンピューターが「パーソナル」になり、スタンダロンがインターネットに。この成長がいかにすさまじいものかも、「404 Blog Not Found:まずは日銀よりはじめよ - 書評 - 日本経済復活 一番かんたんな方法」で触れている。もし「トランジスタ本位制」なるものがあったとしたら、この41年は未曾有のハイパーインフレ時代だったということになるし、それは逆に円ドルユーロといった普通の貨幣を基準にすればハイパーデフレ時代だったということだ。
そしてこの傾向は、今のところはまだ続いている。「より小さく」の方は現在の「光で回路を半導体にプリントする」という「画期��な原理発見」の遺産ではこれ以上進み難いところまで来ているものの、その難点は「より多く」で克服されてつつあり、成長の限界はまだ見えない。
とはいえ、それ以外の方向において、成長の余地以前に成長の必要性そのものがかつてほど切実ではなくなったというのもまた事実であり、著者が言う
そうだとしたら、私たちが予想する貨幣の未来図の中には、いずれ来る成長屈折の可能性を織り込んでおいた方が良いのではないか、そんな気すらもしてくるわけです。
という時代は、私より若い人、いや私自身でさえこの目で見ることは充分ありえると考えている。だから「弾言」を書いたと言っても過言ではない。少なくとも「モノ」に関しての成長はさほど望めないし、また望む必要はないのだ。
世界中がそうなった時--貧困が博物館行きとなり、その一方世界の人口増加が止まった時代にも、貨幣は「モノ」主導のままでいられるか?
いられないのだとしたら、どのようになるのか。
この点において、著者と私の見解は再び一致する。
しかし皮肉かもしれないが、「成長なき」時代を呼び寄せる一番の方法は、そこまで成長することなのである。
日本だけ見て、それに達したというのは早すぎるのではないか。
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初めは、原始的な貨幣制度の解説から始まり、それが銀行券的な貨幣制度に移っていって金本位制になるまでとその後について、歴史を主として、貨幣システムとは何ぞやということが解説されていく。
歴史的な用語や事実関係を経済(中でも貨幣)の視点から確認し直すには、非常にコンパクトにまとまっていて良かったのではないかと思われる。
そして後半に向けて、途中少しつまらなくなるのであるが、最後はまた少し面白かった。
今の貨幣システム、このままでいいのだろうか?という問いかけを常時行っている形なのだが、論旨をまとめると、
今の物価安定金融政策というのは、まずは成長し続ける経済を想定していて、また、自動的にわずかなインフレが進むことを前提として行われている。フィリップス曲線からも、そのような微量のインフレが逆に失業率を抑え世の中を安定化させるには良いということが言える。
そして、そのインフレターゲットに向けて政策を打つ時、テイラールールが基本的な性質を掴んでいて、これはすなわち、自然利子率と政策金利が一致していることが本来の安定をもたらすのだから、自然利子率とインフレターゲット分の利子率を足し合わせた分の金利を設定していけばよいということを簡単に言えば意味している。
しかし、ここでケインズの流動性の罠を思い出して欲しいが、金利はマイナスにはなり得ないのであって、もしもそれら利子率の和がマイナスになった場合、すなわち今の日本のような永続的なデフレ状態になった場合はどうすればいいのか。
また、そもそも、これらの理論は成長を続ける世界の中で生み出されてきたものであるが今後予想される拡大しない経済の中でも当てはまるのだろうか。
もちろん、何事もなくうまくいくのであればそれに越したことはないが、リスクを考えて何かが万が一起こった時の為に新たな政策を考えておくことが必要である、と。
ちなみに、金利マイナスはあり得ないとは言ったけれども、本当にあり得ないのか?例えば、お札スタンプ式を導入するとか、一定の期間が来ると割り引かれてしまうお札を発行するようにするとか、電子マネーも普及してきたことだし、それらのシステムをもちいて実施することができるかもしれない。
であれば、自然利子率と貨幣の金利が自動的に調整されるように、現在のシニョレッジにより中央銀行が利を生み出す体制を止め、銀行券保有者自体がその不利益も負担するような形にすればよいのではないか。
というような内容。
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はじめに
第一章 パンの木の島の物語
一 物語の始まり
二 貨幣という発明
三 最後の日の貨幣
第二章 金本位制への旅
一 利子は罪悪か
二 金貨から銀行券へ
三 金融政策が始まる
四 戦争の時代に
五 金本位制の舞台裏
第三章 私たちの時代
一 ブレトンウッズの世界
二 私たちの時代
第四章 貨幣はどこに行く
一 統合のベクトルと離散のベクトル
二 貨幣はどこに行く
おわりに——変化は突然やってくる
パンの木の島からの話しからつまづいてしまった。全体的な内容はちょっとした知識があったのであれば読みやすかったのであろう。
再度チャレンジする。
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貨幣の成り立ちから歴史を辿り、現代まで俯瞰しながら貨幣と世界経済の今後について考えるという内容の本。
数式はナシ、講義のような語り口で経済学の門外漢を意識した作りになっていて読みやすい。内容が内容だけに難しくはあるけど、知的刺激になった。著者の他の本も気になるところ。
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第1章は本質のみ取り出したモデルを活用して、平易にたとえ話も含んだ話しだったので理解できたのですが、第2章からはちょっと。。世界の金融の歴史をよく勉強されてる方なら理解できるのではないかと思います。また必ず挑戦したい一書。
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岩村充著「貨幣進化論」新潮選書(2010)
*現在の貨幣制度は管理通貨制といって、貨幣価値の体系の中に金を介在させません。貨幣を発行する仕組みそのものへの信用によってささえようというシステムなのです。それは第二次世界大戦中の1944年に開かれた国際会議、いわゆるブレトンウッズ会議での合意に始まるものですが、現代の貨幣が金と完全に縁をきったのは、1971年のニクソン大統領がドルと金との交換を停止すると宣言した「ニクソンショック」からです。
*需要と供給「みえざる手」 アダムスミスは国内の勤労の維持に自分の資本を用いる人はみな、その生産物ができるだけ大きな価値をもつような方向に持っていこうと、おのずから努力する、としたうえで生産物が最大の価値をもつように産業を運営するのは自分自身の利得のためである。金本位体制の下で中央銀行が金準備を守るべく行動すれば、経済の巡航速度は維持される、きん準備が安全装置あるいは自動安定装置のように働くという思想は、要するに彼の見えざる手の応用だと行っても良い。そうした見えざる手がきちんと働くためには、人々は市場で取引される商品の質を自身の価値観に照らして信念をもって評価し、そして値段をつけなければならないということです。
*超特大という意味のハイパーという、ハイパーインフレ。その本質は財政機構の崩壊からくる貨幣への信用消滅という方がふさわしく感じます。
*フリードマンが提唱したのが、マネーサプライの伸びを一定に保つ金融政策をルールかすることだが、彼の主張の根底にあるのは、政府や中央銀行などの政策当局にたむろすハーベイロードの人々が市場すなわちマー^ケットで暮らす普通の人々に比べて賢いという証拠がどこにあるおか、大不況機を含む米国の経験からみて彼らは成功よりも失敗のほうがおおいではないかというおもいだった。本質は、財政にせよ、金融にせよ、政策当局者が裁量的に経済政策を運営するのではなく、明確なルールを作って運営し、人々の将来に対する予測可能性を高めようというところにあった。マネーサプライという管理は付帯例として推奨していたにすぎない面があるように思える。フリードマンはブレトンウッズ体制には本質的には無理があることを早くから見通し、変動相場制以外nは世界の通貨制度には答えがないはずだと解いていた。
*大戦前の金本位制では、各国の通貨がそれぞれ金との間に平価を設定し、それを比較することによって、為替レートが決まっていた訳ですが、ブレトンウッズ体制では、金との間に平価を設定するのはドルだけにして、他の通貨はそのドルとの間で為替レートを決めるというやり方にしたわけです。金本位制の拡大とは違う大きな点として、この体制では誰もがドルを金貨に交換できるわけではないということです。つまりこの平価でドルを金に交換できるのはこの体制に参加している国の通貨当局に限られます。
*ケインズは第二次世界大戦間もなく1946年になくなりましたが、彼が展開した理論には、物価が下がり続け金利もゼロに近いゾーンに張り付いてしまう大不況期のような状況では、失業が所得の減少を招き、所得の減少がさらなる失業をおこすという悪循環が生じてしまう、だからそうした悪循環をともかく断ち切る必要があり、それには政府による需要創出、つまり財政出動が有効だということである。ケイジアン的な政策は要するに財政のばらまきですから開始は歓迎されますが、終了は困難です。
*現代の通貨制度の仕組みはよけいな飾りを全部とってしまえば、実は簡単です。貨幣という仕掛けを支えているのは、ファンダメンタルズを提供して長期的な貨幣価値を支えている政府という役者と金融政策を通じてその時間軸上の配分を決めている中央銀行という役者の役割分担なのです。政府が貨幣価値の長期的な水準を決め、中央銀行がその時間軸上での坂を決めるのです。
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最初の章にストーリーを持ってきて、その後にそれを前提条件として議論のたたき台にするという手法がこんなにうまく回る本というのは初めてよみました。意欲的な内容だな、と思うのと同時に金融・貨幣論が生活そのものに直結しない人にも入りやすいように歴史的なストーリー(実例)を参照しながら進めていくというのも良かったと思います。たぶん高校生とかでもちゃんと読み込む力があれば非常に面白く読める本だと思います。
第3章の日本の事例(WW2から戦後にかけて)のあたりなどは、現在の問題の根幹であるだけでなく、直近の東日本大震災における経済・金融を生業としている人間の立ち位置や役割、金融政策や復興計画を考える上でも気になる箇所でした。
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身近なようで、実はよくわからない「お金(貨幣)」とはいったいなんなのか…。物々交換から、金本位制、ブレトン=ウッズ、ニクソンショック、変動相場制。貨幣の歴史を丁寧に描かれていて、大変興味深い。が、やはり難しい。経済学部を出ているわけではないので、僕には難しすぎる。SDRの仕組み、マイナス金利、シニョレッジ…。あまりにもハードルが高い。たまにはこんな本もいいでしょう。
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貨幣進化論というタイトルが付いているものの、それに触れているのは最終章のみ。しかし、金本位制やブレトンウッズ体制などの基礎的な議論を丁寧にフォローした上で、経済学的な知識を差し込む展開は見事。最終章では、デフレが所与となった場合の「緩やかなデフレ」の後に起こる「激しいインフレ」への備えやマイナス金利の導入などに言及。非常に面白いパースペクティブを得られる。
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金が貨幣そのものだった時代から、金本位制への移行。第二次大戦後のブレトンウッズ体制とそれを放棄すると宣言したニクソンショック。貨幣が誕生してから今までの歴史がまとめられた本。
タイトルの「進化」の部分。著者はユーロのように通貨を統一するのではなく、貨幣が競い合う世界設計する必要があると言う。『良貨は悪貨を駆逐する』
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「利子」という仕組みが中央銀行を生み出し、経済成長を強要し、富の一極集中をさせ、ひいては環境破壊を招いた、、、多少過激でやや偏向した別の本で読んだ内容です。本書を読んで思い出しました。
読了した感想としては、岩村氏の柔和で明快な論調とともに、造詣の深さに驚かされます。物語調の貨幣の進化と歴史から始まり、金本位時代の貨幣の役割と変遷、そして成長を前提とした現行システムの限界を指摘しています。その過程を経済学に留まらない科学・生物学・宗教・歴史など多様で幅広い知識で解説されています。
特に印象に残った内容は3点で、1つは歴史的にみて19世紀までの経済はほぼ横ばいであり近代が特殊であること。2つ目は金本位制を軸として近代史(ブレトンウッズ体制やニクソンショック当時の状況)が丁寧に描かれていること。最後に通常の貨幣論では扱われないケインズのバンコール、ハイエクの自由通貨、ゲゼルの減価貨幣も取り上げられていたこと。
現代はおカネ至上主義ですが、IT技術によって貨幣は本来の道具に戻り、人間らしさへの回帰が始まるかもしれませんね。
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「お金」というものが、どのような仕組みで成り立っているのかを、シンプルなたとえ話や現実の歴史など多角的な視点から解説してくれる本です。
金融政策がニュースになることが非常に多い昨今ですが、財政政策に比べてなかなか理解が難しいところがありました。が、この本を読んで、ある程度理解を深めることができました。
でも、やさしく書いてくれていても、やはり難しいものは難しいですが。
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貨幣製造の手間賃である「シニョレッジ」がキーワードです。
パンの木の島のお伽話から始まり、貨幣成立の歴史を追っていきます。最初の寓話は面白く読めますし、後半の内容も濃いです。
今まさに逼迫する人口減やデフレや近い将来問題となってくるだろう科学技術の停滞に対する解決法を金融の立場から提言しています。
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ヘリコプタードロップ。ユースバルジ。フィリップス曲線の異変。シニョレッジ。銀行券は経済成長が定着して自然利子率がプラスの領域で安定するようになったとき、利子を稼げる国債に投資をして、それを利子ゼロの銀行券という形で人々に提供する、そうすることでシニョレッジを稼ぐ仕掛けとして歴史の中に登場した。