電子書籍
離婚がらみ
2022/01/19 18:44
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの短編も、離婚した人間が登場します。主人公ではない場合もあるけれど……。タイトルの今も街の隅で、とあるとおり、街のどこかで埋もれて生きている人間をえがいています。
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時々、不思議な所に句読点があります。
例:「勝てばベスト16らしい。16なら。ベストという言葉を使うのはまだ早い気がする。」など
ただ私は気にならずに読めました。
1話が短く、休み時間や就寝前にサラッと読めます。
全体を通して優しいストーリーとなっており、文章も読みやすいです。
10代・20代の若い方も十分楽しめますが、30代など、中年の始まりの世代は、共感できる部分が多くより楽しめるのではないかと思います。
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前作などの登場人物が多く出るスピンオフ的短編10作。
・梅雨明けヤジオ
・逆にタワー
・冬の女子部長
・チャリクラッシュ・アフタヌーン
・君を待つ
・リトル・トリマー・ガール
・ハグは十五秒
・ハナダソフ
・カートおじさん
・十キロ空走る
蜜葉市を舞台に、ソーアンやアパートの住民など、前作で出てきた人がたくさん。
そんな登場人物いたなぁと思いつつ、面白くバックボーンを感じつつ読了。
「ハグは十五秒」が一番良かった。
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小野寺史宜『今日も町の隅で』(角川書店、2020年)は現代日本を舞台とした短編小説集。それぞれの話は独立しているが、東京近郊の蜜葉市という架空の都市を舞台とする。海堂尊の桜宮サーガのようである。自分の物語世界に愛着を持ち、大事にしている著者の姿勢は好感が持てる。
それぞれの話は視点人物が異なる。11歳から42歳まで年齢順に物語が登場する。良くも悪くも学校の影響が大きいと感じる。大学を卒業して長年経過している人物でも人物像を描くために学生時代の描写がある。日本の学校にはイジメや集団主義の同調圧力など負の面があることも確かである。本書でも冒頭の「梅雨明けヤジオ」で描かれている。一方で、社会に出た後も自分が何者かを説明する上で、どのような学校生活を送ったかが出てくるという現実も否定できない。
高校野球の県予選大会の応援者の「やる気を見せろ」との野次に不快感を抱く描写がある。「やる気があるのに負けることもあるのだ。勝つ気を見せたところでどうにもならないこともあるのだ」(11頁)。これは正論である。昭和の精神論根性論は全てを不幸にする。野球がサッカーよりも人気が下がった要因も昭和の精神論根性論者に支えられている面があるだろう。物語は精神論根性論の野次を放った人物を否定する話ではないが、精神論根性論者にも良い人がいると理解すべきではない。野次とは逆にエース一人が優れていても限界があることを理解している(25頁)。本音は精神論根性論ではないから、良い人になる。
「靴を見れば人がわかる」との言葉に対する反感が面白い。「靴が見えているなら、履いてる人のことも見えてるだろ。なのにわざわざ靴を見てんじゃねえよ。靴一つで人の価値を決めようとしてんじゃねえよ」(146頁)。アウトプットではなく、外面だけで評価する前近代的な感覚への批判になる。
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最初の4編ばかり読んだころ「小野寺さんの持ち味って何だろう」と思いました。
優しいばかりの小説にいささか飽きて、それまで多読していた森沢明夫さん、原田マハさん、小路幸也さんから意図的に距離を置いているのですが、また一人よく似たタイプの作家さんが出てきただけなのかと。。。
5編目あたりから少し様子が変わります。何やら奇妙に突き抜けた明るさ。良い話を書いてやろうという”あざとさ”の様なものが表に出ず、力の抜けた不思議な肯定感です。「優しい」では無く「やさしい」。そして最後の数編には、ちょっとした悲哀の味も有ります。なかなか良い。
良い意味で小ぢんまりと柔らかくまとまるのが小野寺さんの持ち味なのかな。一方、調べたら出世作ともいえる「ひと」以降、2ヶ月に1冊のハイペースで新作を発表しています。その為にただ単に”薄っぺらく”なったのが”力の抜けて、良い意味で小ぢんまりと柔らかくまとまった”と感じられただけなのかもしれません。
10の短編。舞台は全て架空の町・蜜葉市ですが、全て独立した短編です。
「梅雨明けヤジオ」「逆にタワー」「冬の女子部長」「チャリクラッシュ・アフタヌーン」「君を待つ」「リトル・トリマー・ガール」「ハグは十五秒」「ハナダソフ」「カートおじさん」「十キロ空走る」
私は未読ですが小野寺さんは「みつばの郵便屋さん」というシリーズも有ります。多分同じ町なのでしょうね。
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みつば町のあちこちで、別れたり出会ったり、人をちゃんと見ると思わぬことに気づいたり。そんな短編集。「君を待つ」「ハグは15秒」が良かった。「梅雨明けヤジオ」は島ちゃん可哀想な気がする。
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東京近郊のある町の隅で生活している人々。
優しくもあり、厳しくもあり、平凡と言ってしまえばそれまでだけれど人それぞれ生きている。
誰と誰が知り合いとかいう連作短編ではなくてただ、同じ町に住み、生活しているというだけ。
だけどそこには心温かくなるそれぞれのドラマがある。辛い過去も未来もあるだろう。
『別れる』というキーワードもあるけれど、
『出会う』という選択肢をあることをだれもが忘れてはいない。
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短編集。
それぞれのタイトルから分かる様にドラマチックな展開が待っていた。
『ハグは十五秒』『君を待つ』は、こんなにいい男いる?と思うけど癒された。
カートを片付けてくれるおじさんと、スーパーのレジのおばちゃんを描く『カートおじさん』が秀逸。
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同じ町のあちこちで何気なく繰り返される日常の短編集。
共通することは離婚だろうか。
でも、それが重く語られているわけではなく、そんなことも有るよね程度。
レジのおばさんの話なんかは、とても何気ないことなのにジンと来た。
良かった~。
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9月-15。3.0点。
男女の選択を描いた短編集。離婚やら、結婚、出産の話が中心。ほんわかしている。
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普通の人々の何気ない日常。
なのに全然ダレずに読み進められる。
しかも、じんわり温かくなる。
小野寺さんのお人柄が
伝わってくるようで、良い作品。
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読みやすくて 好きな作家さんの1人。何気ない日常 主人公がみんな チカラが入り過ぎてない ホワン とした感じがして良い。
どの お話もみんな好き。
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10編の短編小説で構成されている作品集。どの作品も特に面白い訳ではなく、つまらない訳でもない。どれも短編ということもあり、あっという間に読めてしまう。全作に共通しているテーマは、人に対する優しい眼差し。
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苦手のはずの短編集なのに、どんどん町の中の人たちが、気になっていく。次はどんな展開が待ち受けているのだろうとワクワクした気持ちでページを捲っているうちにあっという間に読み終えてしまった。人生、悲喜交々。様々な場面で出会う人がいて時には別れもある。嬉しいことや悲しいことも自分の人生に重ね合わせて読み進めたりも、時には感慨に耽り読書の枠を越えた時間になっていたような気がする。
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街の片隅で生活する人達に少しだけ立つ波の波紋を見ているような短編集です。
毎度事件が起きそうで起きないという安心設計で、人によっては物足りないと思うのですが、人が不幸になり過ぎない普通さ加減が僕はとても精神が安定して好き。
心の中では嵐はあれど、世の中そんなに捨てたものではないよねと思える本です。