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目にするたび、新しい言葉が増えるように感じられるLGBTについて、2019年の改訂がなされています。
教科書的に、安心して読める一冊です。
子どものころから「みんなが一緒」「ひとりも「なかまはずれ」をつくらない」という、ある意味での同調の暴力を許容して育ってきた世代にとって、「配慮」のひとことでいろいろな対応を迫られることはらくなことではありません。
「それはわがままなんじゃないか」、と自分の感情、心の中から発することばを、不用意に外に出さず、心のなかでとどめておくには、やっぱり知識や経験が必要です。
そういうひとがいる。
許容しよう、受け入れよう、と考える。
いきなり目の前にあらわれた誰かの言動を、
理解の範囲の超えたものにしないために。
生の声をひろい、その声に向き合った方がつづった良い本です。
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LGBTってなんだろう? 2019.05.15改訂版第一刷
薬師実芳、笹原千奈未、古堂達也、小川奈津己 認定特定非営利活動法人ReBit
gender identity。ジェンダー・アイデンティティは自認する性。自分自身の性別をどう認識しているか。
sex。セックスは生物学的なからだのつくりのこと。性染色体や、外性器・内性器の状態、ホルモンの量など。あらゆる性の人にさまざまな身体の状態がある。
sexual orientation。セクシュアル・オリエンテーションは恋愛や性愛の対象となる性別のこと。
gender expression。ジェンダー・エクスプレッションは表現する性のこと。社会的性。服装や行動、振舞いなどで表現される。
表現する性が自認する性と一致するとは限らない。
以上の4つがセクシュアリティ、一人ひとりの性のあり方の4要素となる。
外見や言動をたよりに他者のセクシュアリティは推測も理解もできない。
全ての人がこれら4要素を持っているわけでも、持っていなければならないわけでもない。
セクシュアリティの境界線はあいまいだし、どのような言葉で自分のセクシュアリティを表現するか、他者から認識されたいかを知っているのはその人自身だけ。それぞれの意志を尊重すればいい。
セクシュアルマイノリティが人口の何%を占めているかは、調査方法によっても変動する。現時点では正確な数字の把握は困難。
Xジェンダーもトランスジェンダーに含まれるんだ。知らなかった。
「トランスジェンダーのうち«自認する性»を男性・女性のいずれかとは認識していない人」p.9
GID Gender Identity Disorder 性同一性障害
日本精神神経学会性同一性障害に関する委員会が2018年1月20日に改定した「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン第4版」p.14には、「自らの性別に対する不快感・嫌悪感」、「反対の性別に対する強く持続的な同一感」、「反対の性役割を求める」ことの三点で性同一性障害かを診断されるとしている。
GD Gender Dysphoria 性別違和
アメリカ精神医学会は、「精神障害/疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)」で2013年にGender Identity DisorderをGender Dysphoriaに変更した。
日本精神神経学会は、「Gender Dysphoria」の日本語訳を「性別違和」とした。
GI Gender Incongruence 性別不合
世界保健機関(WHO)は、2018年の「国際疾病分類第11回改定版(ICD-11)」で、性同一性障害(GID)を精神疾患から外した。
精神疾患のGIDは無くなり、「性の健康に関連する状態」という分類の中の「Gender Incongruence」という項目となった。
Gender Incongruenceは性別不合と仮訳されている。
ICD-11は2022年発効予定。
トランスジェンダーにとってホルモン療法は「自分の身体の違和感を減らすための治療」p.17
「自分が性同一性障害だってことを自覚してから受け入れるのには、やっぱりすごい時間かかりました。男か女としての人生から自分が外れるって感覚を持ってしまい、落ち込みました。
自分の生き方をイメージできるようになったのは、高2くらいからですね。制服変わったりとか、周りの支えが��ったりで、こうやってでも生きていけるんだなっていうのを実感してから、やっと「ああ、生きていこう」って思えましたね。」p.17
Reach Onlineというオンライン上で意識調査、アンケート調査をできるサービスがあるようだ。世界中で使われてるのかな?
日本人もLGBTの意識調査などで用いている。
https://www.google.com/search?rlz=1C1RXWP_enJP784JP784&sxsrf=ACYBGNT0fv2bl4U8PLteloR96Hcf9WI60Q%3A1573378371082&ei=Q9nHXfrFBL2Sr7wPxdW3mAs&q=%E6%97%A5%E9%AB%98%E5%BA%B7%E6%99%B4&oq=%E6%97%A5%E9%AB%98%E5%BA%B7%E6%99%B4&gs_l=psy-ab.3..0i4i37l2j0i5i30.329191.334178..335822...1.0..3.207.3158.11j16j1......0....1j2..gws-wiz.....10..35i362i39.xiTMxB8DYaA&ved=0ahUKEwi6856Xq9_lAhU9yYsBHcXqDbMQ4dUDCAs&uact=5
http://www.health-issue.jp/
精神病と精神疾患って違うの?同じなの?
ホルモン治療、ホルモン療法、どっちの言い方が正しいの?
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字面で理解を進めるだけでなく、当事者の気持ちや体験も詳しく書かれているので、これから子どもたちに教える立場の人には是非読んでほしい。
単語の意味を知るより、当事者の心情をイメージしてほしいから。
当事者の私としては「LGBT学生の声」欄のたくさんの声は、自分が経験した苦しみばかり。それがよみがえるのが読んでいてきつかった。それくらいたくさんの人が感じた声が挙げられている良書なんだと思います。
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性表象について参考。ジェンダーのことで直接悩む人でなくとも、他者を知ることの一助にはなるかと思われます。
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分かりやすかったし、サラッと読めた。
当事者の方々の体験が書いてあり、参考になった。
高校の図書室で読んだ。
セクシャルマイノリティが今よりもっと理解され、認められる世の中になって欲しいと思う。
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自認する性、からだの性、好きになる性があるのは知っていたが、表現する性(Gender Expression)があるとは知らなかった。また、性同一障害の人でも、性別適合手術を望むかどうかは人それぞれであったり、色々あるんだなぁと勉強になった。
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◆「多様性」を知りたいあなたへ贈る本◆
今でこそ「多様性」という言葉が世の中全体で知られる時代となったが、我々はその意味を本当に理解しているのだろうか。LGBTQ+に該当する人々は、自分の内に秘めた悩みを打ち明けられずにいる。その原因には、我々の知識の足りなさや理解しようとする姿勢の無さが関係しているかもしれない。彼らの悩みに寄り添ったこの本には、多様性について知るための一歩と、皆が明るい未来へと進める希望が詰まっている。