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次々と明かされる真実と、感動のラスト!
2021/04/28 18:27
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投稿者:火消しの大翔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語の序盤でロールバックについての解説がされ、これからどのように話が進んでいくのだろうという期待を大きく超えてきました。
ロールバックという仕組みをとても上手に活かしてストーリーが展開されており、もう一度読み直すことでより作品の凄さを感じることができると思います。
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◆おすすめ度◆
・激甘恋愛小説度:★★★★
・ファンタジックな設定がファンタスティック度:★★★
・とっても一途な主人公度:★★★★
◆感想◆
東京から、かつて住んでいた離島・袖島に家出してきた船見カナエ。そこで幼馴染の保科あかりと出会うが…
前作『夏へのトンネル、さよならの出口』が青春ど真ん中小説だった八目迷の新作は、タイムリープを題材にした激甘の恋愛小説。
主人公は幼馴染の船見カナエと保科あかり。
幼馴染だからこそ、なかなか恋愛に発展しない関係。
二人の心のふれあいやすれ違い、思っていながらなかなか言い出せない言葉、そんな甘酸っぱくほろ苦い想いがいっぱいの展開。
そこに船見カナエが摩訶不思議なタイムリープにはまってしまうという出来事と、保科あかりの兄が亡くなってしまうという事件が重なる。
二人の関係はどうなる?
なぜあかりの兄は亡くなったのか?
カナエがタイムリープを利用してできることは?
甘く切ない恋愛要素と、タイムリープというファンタジックでミステリーな要素が、読者の興味を引き続ける。
登場人物は少ないし、思わせぶりなセリフなんかもあって、なんとなくあかりの兄が亡くなった事件の真相は想像できるけど(すれっからしのミステリマニアが想像するようなマニアックな真相ではありません)主題はミステリー的な謎にあるのではなく、真相が二人に与える影響にあり。
彼女を助けようと一生懸命な船見カナエに好感が持てます。
梶尾真治の傑作『クロノス・ジョウンターの伝説』を思い起こさせる一途さです。
激甘すぎて読んでいて恥ずかしくなっちゃいます。
多分著者も、恥ずかしがりながら書いたんだと思います。
でもいくら恥ずかしくっても、他人には分からないのが読書のいいところです。
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読了。
ロールバックという現象を題材にしたタイムリープ作品。設定はよく練られていてとても面白くて上手い。
離島という閉鎖空間から生まれる原風景や寂れた町の不穏さが綺麗な文体で丁寧に描かれている。
また、主人公・カナエがタイムリープをすることで、死ぬはずだったヒロイン・あかりの兄・彰人を救うというヒーロー文学っぽさもある。
しかし、カナエの深掘りはイマイチ。
カナエは彰人を救う重大な使命を背負っているのに終始楽観的で、イベントが起きた時初めて対策を考える。予測できる事態から強引に目を逸らしているように見えて、ご都合主義感が否めない。
場面転換であかり視点に切り替わった際は、あかりが訥々と陰鬱な独白をするので、キャラが見えてわかりやすい、というムラがある。
彰人が最後まであまり更生していないので、ラストのカナエとあかりの幸福な描写は蛇足、というか、書くのであればもっと二人の幸福な描写を振り切って書いて、病院以降の兄の描写は入れない方が、二人の幸福度をより感じられて良い。
「彰人の死を回避する」というゴールが決められていて、物語がこれに収束していく作り(タイムリープ系は大体そうなのだけど)なので、話の展開がある程度予想出来てしまったのが、少し残念でした。
ただ設定と空気感は抜群なので、良きです。
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なんとか春と呼べる内に読了しようと手に取った一冊。
4月1日から一気に五日間記憶が飛び、二日戻って一日進むペースで過去へ過去へと遡っていくタイムリープ物。
時間の進み方が面白い。
身体は時間軸順に進むが、記憶は未来から過去へ蓄積されるので、主人公と読者の混乱がシンクロして面白い。
主人公がちゃんと考え、検証していくスタイルも好感。
とんだ時間の間に死んだ憧れの先輩の死を回避しようと、未来から順に情報を集めつつ遡る。
もっとスッキリする流れもあった気がしなくもないけれど、これもまた彼らの人生。
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タイムスリップをして、色々なことを知っていくうちに、大切なものに気づいていくような物語で、とても面白く、読みやすかった。
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終わり方はすっきりグッドエンドという感じで良かったのですが、ヒロインの境遇が可哀想過ぎるのと、ヒロインのお兄さんのキャラクターが分かりやすく悪いためスッキリしない部分がありました。
確かに主人公の決断は間違ってはいないと思いますし、フォローもしていますが。もう少しヒロインそして、ヒロインの兄との関係性の改善が見たかったです。
またこの物語のギミックについて、結局なぜ起こったのか最後までわからなかったのももう少し何か欲しかったなと個人的には思いました。
作品自体の構成は上手く徐々に明らかになっていく展開とこのギミックの相性はいいと思いました。
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結構好き。
現時点で発売されているこのシリーズは全て面白い。
(テーマが春・夏・秋で、話が直接繋がっている訳では無いため、他の本を見んでいなくても楽しめる)
もう少し深堀して欲しいところがちょくちょく見られるが、読み終わった後に少しその部分を想像するくらいなので丁度いいかも。
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オーディオブックにて。久しぶりに没入感を感じながらの素晴らしい読書体験を得られたことに感謝。タイムリープものであり、「君の名は」や「東京リベンジャーズ」などに馴染みのある人には入り込みやすい世界観だと思う。