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沈没後の日本人の有様が気になるけど、続編はとってつけた感じみたいなので、ここで読み終えておくのが良さそうですね。
国際社会の冷淡さがリアルな印象を受けました。
まあ知ったこっちゃないんですよね。よその国の人間が難民化しようが死のうが。だから、日本人諸君、どうするのって話。
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東日本大震災を目の当たりにした今、1つ1つの描写がリアルで、また1970年代にそれをイメージして書かれているという驚きを同時に感じました。
そして、日本人論と言えばいいのでしょうか。
最後にはそのような深い洞察もされていました。
今だからこそ、読んでほしい作品だと感じました。
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辛いことがあっても生きていかねばならならい。死ぬより生きることの方が辛い。故郷がなくなり、人々はどう行動するのか、どんな想いを抱くのか。「島」より「人」に着目した作品だった。
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SF小説の名作だけあって、映画の大作を観ているように、とても迫力のある作品だった。
技術者や政治家たちの、対応についても、リアリティが感じられた。約半世紀も前に書かれた小説とは思えず、今読んでも十分楽しい。
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マントル対流や地殻変動のロジックがどこまでがフィクションなのかわかりづらいところはあるが、次々に発生する地震や火山噴火、津波などによる被害の描写は阪神大震災や東日本大地震を彷彿とさせて痛々しい。
物語が発表された約50年前はネットやSNSもなく、日本を取り巻く各国間のパワーバランスも今とは随分と違っている。日本人を取り巻く環境が大きく変化しているので、同じ題材でもいま執筆したらまったく異なる作品になると思う。そういう意味で、何度も映画化やドラマ化される理由もよくわかる。作者は日本という国を失った後、日本人がどう生きるかを描きたかった、とのことなので、その主題が取り扱われている第二部も読んでみたい。
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約50年前に描かれた世界ですが、10年前の 3.11を経験した今ではとてもリアルに感じます。
国土そのものを失う、そんなことは想像したこともありませんが、地球の果てしない歴史の途上では十分あり得ることなのでしょうか。
下巻巻末に『第1部』との記載があります。日本人の半数以上が海外に避難、移住した後の姿を想定していたのでしょうが‥‥、何か読む気がしません。
辛すぎて、埋もれていきそうで‥‥
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【琉球大学附属図書館OPACリンク】
https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC0032175X
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読んでる間もリアルで地震があったり、本当に何十年も前に描かれた作品なのかと思うほどのリアリティ、瑞々しさがあり面白かった。第1部完結とは、なっているもののこれ以上、2部が描けなかったのも解説を読んで理解できた。ちなみに、今日の日本は快晴で、とても良い天気。
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とうとう読み終わりました。もし本当にこんなことがあったら…。なんて読むと、恐ろしい物語です。さすがに大ベストセラーになるだけあって、十分な調査と、登場する人たちの様子が細かく描かれていて、リアリティ抜群でした。それだけに、ますます恐ろしい。
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今またテレビドラマもやっている名作を読みました。
1973年の作品ですが、その後の阪神淡路大震災、東日本大震災を予知したかのような地震の描写がとても生々しく感じられます。プレートテクトニクス理論をもとにした日本沈没の理屈もリアルに感じられて怖くなります。また、島国の中で長い歴史を保ち、独自の文化を形成してきた日本人が、国を失い、難民となり、そしてその先に待ち受ける苦難を予感させるストーリーにはハッとさせられました。日本にいると、ユダヤの人々の歴史や、世界各地の難民の問題は、遠い世界の出来事に感じてしまいがちですが、こういうストーリーで語られると、難民となることの恐ろしさをゾクっと疑似体験した気分になります。さすがの名作です。
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富士火山帯が火を噴きまくり、中央構造線(九州東部から関東へ横断する断層)に沿って大地震が頻発、日本の国土は崩壊の一途をたどります。諸外国への避難民受け入れ交渉に各国の思惑が入り乱れ、東西世界の緊張が高まっていきます。祖国を失い難民となった日本人が自我同一性を保てるのかということが下巻の主題だと思いました。
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政治経済、自然科学、文化人類学…あくまでも、現実から逃れないように書かれている。カタストロフィーの予告など、当たっても、外れても損だという流れは本当なら目を背けますが。
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日本が沈むという設定はぶっ飛んでますが、それに対して描かれている日本人の心情や政治や国際情勢などは、とてもリアルでした。読んでいてどんどん引き込まれる作品でした。色褪せない名作の力強さを感じた。
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1973(昭和48)年刊。
何度も映画化・テレビドラマ化・劇画化され頗る有名な作品。小松左京さんの本は数冊読んだこともあって嫌いな作家ではなかったが、これは初めて読んだ。
私はいわゆるパニック映画が好きで、「ポセイドン・アドベンチャー」「タワーリング・インフェルノ」新しいものでは「デイ・アフター・トゥモロウ」など、何度も観た。建物等が大がかりに破壊され、大勢の人びとが叫び、逃げまどうの様子、そのカタストロフに一種の痛快さを感じてしまう。
小松左京さんは群衆が驚き逃げまどうようなパニックものが得意であったようだが、本作はまさにこの路線の究極のものである。なにしろ一国が消滅するというレベルの大災厄なのだから、その破壊のスケールは凄まじい。
読み始めると最初の第1章は海洋探査に関わる馴染みのない用語に惑わされ、あまり面白くもないように感じたが、日本列島の破局の兆候がいよいよ濃厚になってくるにつれどんどん面白く、手に汗握るように読んだ。上巻の終わりの方で第二次関東大震災と称される東京の大地震が生々しく描写されるに及んで、痺れるような興奮を覚えた。
現在を舞台としたSFでは、いや、人物が多く登場し写実を基本とする小説は全部そうだろうが、「シミュレーション」の展開が書くことの核心となる。その想像が生み出す像がリアルさを持って読む者に迫る時、小説は傑出したものと受け止められるだろう。
小松さんはSF作家だからもともとそういうことが得意であったのだろうが、きっとこれを書くためにもの凄い量の資料を読み込み、多数の取材を経たに違いない。そうした作家の凄まじいほどの努力が窺われ、全く敬服するほかない。地球科学から政治・社会、あらゆる知識が総動員され、壮大なシミュレーションが繰り広げられ、そこには胸をうつ迫力が醸し出される。その上、自然とともに生きてきたという「日本人」の心性への深い了解も語られ、作品は更に奥行きを深める。
本作の中で打ち出されるマントル対流の科学的理論はもうかなり古いだろうし、国内随所を大地震が襲う中で(東日本大震災で我々が目撃したような)原子力発電所が引き起こす深刻極まりない二次災害の要素が出てこないことなど、現在の知見からはやはり「古さ」が見受けられるものの、読んでいてそれが気になるということは無かった。圧倒的なシミュレーションのメカニズムが小説ストリームを強靱に生成するので、我々は唖然としながら読むばかりである。
「芸術ではない」と断じる人が大半だろうけれども、シミュレーションという近代小説の定石を極度に延長した迫真のリアリティを示すことにおいて、これは実に見事な作品だと私は考える。日本文学史に本作のタイトルが刻まれてあっても何の不思議もないと私は思う。
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下巻は日本沈没に向かって、地殻変動から火山の噴火、地震、津波とありとあらゆる天災が起こる‥壮大なスペタクル要素がぎっしりつまった内容。多少読みにくい感はあったけど、ラストは日本人として生きてることに感謝したくなるような‥そんな作品でした。第2部、読むのが楽しみです。