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5件
日本沈没
著者 著者:小松 左京
伊豆諸島・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。
日本沈没(下)
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日本沈没 下
2021/09/23 22:13
不気味な絶望感
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読了しました。言い知れぬ不安と寂寥にドンヨリと沈思黙考してしまいました。フィクションですが、筆致のなせる故に、リアル過ぎて唖然とするしかありませんでした。
政治家、科学者、一般民衆、各々の立場の『動き』が具に描かれて、感情移入してしまいます。
日本は地震大国です。殊に阪神大震災・東日本大震災を思い出すに付け、本書を読んでいる最中は、怯え・焦り・悲壮感などが心中に渦巻きました。上巻とは打って変わって一日で読了してしまった所以です。
将来に亘って、どうか現実にこの様な事態にならないで下さい・・と祈念しました。事実は小説よりも奇なり、ですから。
日本沈没 上
2021/09/19 22:23
地学の勉強になります。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去何かのきっかけで聞いた事のあった本書を、遂に読む事となりました(現時点では上巻の読了という形ですが)。
読んでいる最中、リアル過ぎて不安感に苛まれてしまいました... こうして読んでいる今、地震が来たらどうしよう、そんな不安です。
タイトルに題しましたが、これでもかという位に地学ネタが湧出してきます。著者は本当に文学部卒なのかという事を疑いたくなる程専門的な内容も散見されました。だからこそリアル感が半端ない訳ですが。
あと本書は政界が絡んできます。この点が単なるパニック映画、もとい、単なるパニック小説ではなく、深みをもった小説と言える気がします。読み応えがあるという感じで、スケール感をもって引き込まれます。
日本沈没 下
2020/07/30 06:53
龍の死
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る
小松左京の小説、ここ数ヵ月ほど一種のブーム(リバイバルブーム)となっているようで、いくつかの書籍が復刊・再版されてますね。
先日読み終えた「復活の日」だけでなく、日本沈没(第一部)が出ていたので購入。第二部は再映画化(草剪君が主演した映画)に伴い購入していたけど、第一部は借りて読んだだけでした。
文庫版(2020ではない)を購入し何とか読み終えました。
以前にも読んだことがあるとはいえ、改めて凄い内容でした。ここまでズタズタにされるのも、SFという土台があっただけでなく、きちんとした「要素」があったからなのでしょう。
日本列島は「隆起した島」なので、このように「沈没」することは無いとはいえ、東日本大震災を含めたそれ以降の地震・火山噴火を経験した(経験している)者からすれば、眉唾な話とも言い切れないのではないかと不安になります。
最終章「龍の死」とは、日本列島を龍と見立てた発想だとして、死んでいく様は悲しいものがあります。頭では「そんなこては起き得ない」としても、列島を一つの命だとすれば、いつかは死を迎える。
これが第二部にどう繋がれていったか、後日改めて「第二部」を読み返してみたいと思うのです。