投稿元:
レビューを見る
現代マーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラーが次世代の小売(リテール4.0)に関して解説した一冊。全3章構成で、1,2章ではデジタルトランスフォーメーンション(DX)時代に向けてリテール4.0における10の法則を解説、3章では資生堂、ブリジストン、アマゾンといった有名小売企業のCEO等が経営者視点でDX時代に向けての、今度3~5年間の展開について語った内容で、リアルな声が聞けて非常に面白かった。
投稿元:
レビューを見る
最近のコトラーの本は、他の人が書いている場合が多く、本書も解説によるとイタリア語で書かれていたと。が、著者はイタリアのワンダマンのCEOで、書いてある内容は示唆に富んでいて参考になる。コロナ禍の前に書かれているものだが、この半年で書かれている内容は加速されている。DX時代の10の法則(指針?)と、20以上の企業にその実情を聞く構成。
投稿元:
レビューを見る
マーケティング4.0は最新理論の整理がよいと思ったけど
本書は「10個」書いてあるだけで「10の法則」ではないですよね。
時流に乗ったことを整理せず寄せ集めた感じ
訳わからなかった マーケティング3.0 に戻ったのかな
投稿元:
レビューを見る
・デジタル時代には、たとえ大型店であっても、同時に複数の段階で決定的な役割を果たすことは難しい
・ルールとは、すでにある程度慣れ親しんだ技術やツールやインターフェースの採用によって、堅固なユーザ経験を蓄積し、さまざまなソリューションの選択肢を得るために要する人々の認知的努力を低減させること
・真のイノベーションとは、顧客が使わなくてはならないリソース量の低減であって、増やすことではない
・BMWのアプリは、ユーザをプラットフォームに着地させるように作られている(調べたい時、カスタマイズしたい時に、適切な情報をインプットし、さらに深掘りできるインターフェース)
・販売拠点は経験拠点となり、消費者の認識は行かなくてはならない場所から行きたい場所へと変化している
・消費者は自身の経験則で動くのはもちろんだが、感情と気分の影響を受ける。買い物をするときには、機能的かつ実利的な選択に必要な情報だけではなく、感覚的かつ娯楽的な刺激を受けることを望んでいる
・「目的地であれ」とは、リアル店舗を消費者とブランドの創造的な出会いの空間とする新しい概念を採用することである。世界観に陶酔できるような魅力的な来店目的とブランドの価値を生み出すためには、単にブランドを提示展示するだけでなく、顧客に主体的に体験させる必要がある。成果は販売量の増加としてではなく、顧客に語られるストーリーとして現れる
・パーソナライゼーションは顧客の期待を先回りして、高い確率で満足が得られるであろうソリューションを提供するもの。カスタマイゼーションは消費者の選択に対するリアクション的な行動であり、パーソナライゼーションは消費者に感動と喜びを与えるためのプロアクティブ的な行動である
・商品とサービスを相互に強化しあう
・含まれない部分を断定できなければ、差別化を生む実際的な価値を表現することはできず、取るべき戦略も浮かび上がってこない
・韓国のテスト:人通りの多い公共の壁に、商品とQRコードがついたポスターを張り注文できるようにした。電車を待つ間に買い物ができ、商品は帰宅後に直接自宅に届けられる
・消費者の一番いいところは永久に満足しないという事実
・不可視であれ:テクノロジーの難しさを感じさせず、いかなる認知的努力も投球しない。各経験を簡素化し、あらゆるフリクションを最小化する
・トランザクショナルなタイプのアプローチから、エクスペリアンシャルなタイプのアプローチへと移行する
・両利きの組織とは、既存事業の経営に有能でありながら、同時に代替路線を追求でき、それゆえ将来の需要の変化に対応できる企業
投稿元:
レビューを見る
コトラーだけどマーケティングの話でなく、リテールだけど小売業の話ではない。
何の業種にせよ今やD2Cが可能であるから、むしろメーカーなどに向いている本かもしれない。
なので小売業者がこの本を読むと、わりと悲観的になるかもしれない。あらゆるメーカーや協業者が、小売業を置いてけぼりにして消費者と直接つながることに必死なことが分かる。
これは消費者行動が非常に複雑になっていることも関係があるようだ。
例えば、リアル店舗で商品を見てからネットで買うこと(リアル店舗のショールーミング化)もあるが、ネットで知ってリアル店舗で買うこともある。
その中で小売業にとって興味深いのは同じ小売業のカルフールの意見に思える。
「スーパーマーケットの中でスマートフォンをずっと手にしていることは買い物の快適性を削ぐ」
「売上を増やすために店舗滞在時間を伸ばすための技術革新の導入は毎回拒否されてきた」
「自動レジはカルフールでは成功しなかった。人々の大半は精算時にエネルギーを使いたがらない」
といった内容で、必ずしもデジタル技術が消費者に歓迎されるとは限らないと答えている。
本書のもう1つの興味深い意見は、いずれ、オンラインストアとリアル店舗の価格の逆転が起こる(オンラインが高くなる)というもの。
リアル店舗では消費者が店舗に来て商品を持って帰る。
オンラインはストアがそれらの作業を負担する。
オンラインストアは利益を出すのが難しい。実際、アマゾンは通販では日本ではほとんど利益を出せていないし、大手配達業者から見放された結果、道をろくに把握していないデリバリープロバイダーに頼ることになった。
(個人の経験的には、それ以降、アマゾンの箱を持った配達員が途方に暮れていたり、場所を訊かれることが増えた)
これを解消するには適切な配送料を払う(価格を上げる)しかないだろう。
一方でこれからリアル店舗は小規模化が進むとしている。そうすれば固定費は下がる。
つまりこれまでネット通販が安かったのは、ネット通販の過剰な価格競争と、リアル店舗の過剰なコストによるもので、それらはいずれ解消されるはずだという。
もちろん実際にどうなるかは誰にも分からない。
本書のどの部分を誰が担当したかは明記されていないが、コトラーよりも共著者のジュゼッペ・スティリアーノ氏が果たしている役割が大きいように思える。
インタビュー企業の多くはイタリアやヨーロッパのグローバル企業だし、原著もイタリア語であることがあとがきに書かれている。
投稿元:
レビューを見る
<目次>
はじめに
第1章デジタル時代
第2章リテール4.0における10の法則
第3章経営者の視点
P10デジタルツールを使う人が増え続けていることで
誘発された変化に照らし、他の業界同様、
小売りの伝統的モデルを見直す必要がある
P14リテール1.0セルフサービス式店舗の誕生
P15リテール2.0ショッピングセンターの誕生
P17リテール3.0インターネットとECの誕生
P18リテール4.0デジタル技術の加速
P30人々は企業よりもすっと早いスピードで変化して
いく~~テデジタル革命による変化とピュアデジタルプレーヤー
の出現の結果、顧客経験が全面的に最優先事項となった
そして、人々の期待が進化した。
P248リテール4.0とは主に消費者の拡大した期待と予備軍で
あり、それと並行して進んだ、製品N経済から経験の
経済への移行である(リーバイス中欧)
P263リアル店舗は人間的であれの法則に従って、差別化
できる役割を追及しながら、ユーザーの複雑に入り組ん
だジャーニーに調和的に取り込まれなければならない
(モレスキン)
P269企業の経営幹部は、現在ほんの4,5年前とは全く
異なった戦略をとらなくてはならない。当然異なる
能力、メンタリティー、マネージメントが求められる。
最近の小売りのデジタル化、などは、ちゃらちゃらした
流行的なイメージがあった。しかしコトラーのおっさん
が妙にまじめに語っていると、それはとても大事なこと
であろうと思ってきた。
コトラー承認の時代の流れである、いやコトラーは
もはや時代おくれか。
投稿元:
レビューを見る
新型コロナ感染症の抑制の目処が立たず、企業経営においても先行きを見通すのが難しい現在において、本著に記載されている10の法則は非常に参考になる。すべてを実践するべきというものではもちろんないですが、業種業態によって10のうちのどれを優先して考えるのが適しているのか、生活者(消費者)との接点の持ち方により異なるはずだし、そこらへんを理解して取り組むと良いのではないかと思います。
またいずれを推進するとしても、顧客理解を進めることは絶対に避けてては通れない。
「キュレーションたれ」にも書かれていますが、顧客理解をより深くできて、自社の商品を顧客に最適なタイミングで行ってくれる企業などは重宝されるような気がします。
行動経済学の考え方も取り込むと良いのかもしれません。
生活者は今まで以上により多くの情報にさらされています。ただしスマートフォンなどを駆使して自ら様々な情報を取り入れ、より自分にとってメリットのある判断を下すという人が大半ではないでしょう。
カルフールのプライベート・ブランド部長が述べられているように、店舗での目的によりリアルタイムで情報収集し最適な判断を行うことが、快適性を損なう可能性のあるスタイルの業種・業態もあるのだろう。
とはいえ今現在においてはそうであっても、今後生活者の思考が変わることや、変わることを容易にするソリューションが提供されないとは絶対に言い切れない。世の中の動きを把握し、果敢にチャレンジしていくことは避けては通れないのだろう。
目次
はじめに
第1章 デジタル時代
ハルマゲドン?
デジタル時代におけるカスタマー・ジャーニーの進化
データは新しい石油である
第2章 リテール4.0における10の法則
1 不可視であれ
2 シームレスであれ
3 目的地であれ
4 誠実であれ
5 パーソナルであれ
6 キュレーターであれ
7 人間的であれ
8 バウンドレスであれ
9 エクスポネンシャルであれ
10 勇敢であれ
第3章 経営者の視点
アマゾン
マリアンジェラ・マルセリア(イタリア・スペイン カントリーマネージャー)
アウトグリル
ジャンマリオ・トンダート(CEO)
ボッジ
パオロ・セルバ(ヨーロッパCEO)
ブリヂストン
ステファノ・パリジ (南ヨーロッパ・マネージング・ディレクター)
ブルックス ブラザーズ
ルカ・ガスタルディ (EMEA地域CEO)
ブルネロ・クチネリー
フランチェスコ・ボッティリエーロ (iCEO)
カンパリ・グループ
ボブ・クンツェ・コンシェビッツ(CEO)
カルフール
グレゴワール・カウフマン(プライベート・プ���ンド部長)
コチネレ
アンドレア・バルド(CEO)
ディズニーランド・パリ
ジュリエット・ブロン(デジタル・パイス・プレジデント)
イータリー
オスカー・ファリネッティ(創案・創業者)
ヘンケル
ラミン・クレス (デジタル部門最高責任者)
HSBC
チャーリー・ナン(リテール・バンキング&ウェルス・マネージメントCEO)
キコ・ミラノ
クリスティーナ・スコッキア(CEO)
ラ・マルティナ
エンリコ・ロゼッリ(ヨーロッパCEO)
リーバイ・ストラウス&カンパニー
ルチア・マルクッツォ(中欧副社長)
マークス・アンド・スペンサー
シモン・フリーベリ・アンデルセン (インターナ ナル・デジタル部長)
モレスキン
アリーゴ・ベルニ(社長)
モンダドーリ・リテール
ピエルルイジ・ベルナスコーニ(CEO)
ナツッジ
ナッザリオ・ポッツィ(ナツッジ・ディビジョン・チーフ・オフィサー)
サフィログループ|
アンジェロ・トロッキア(CEO)
SEA(ミラノの運営会社)
ピエトロ・モディアーノ(社長)
資生堂グループ
アルベルト・ノエ(EMEA地域ナーフ・ビジネス・オフィナー代理)
おわりに
投稿元:
レビューを見る
普段から小売業に縁がないからか、使用されている言葉を小難しく感じ、頭に入りにくかった。昨今のニュースなど見ていれば、この本の言いたいことは十分分かるし、おさらいにも良いと思うが。。
投稿元:
レビューを見る
2022年現在でもDXの考え方の
基調になると思う
世界の企業はデジタル化の波をどう捉えているのか、マーケティング学者コトラーがビジネスの変化を探った2020年版の著書
小売消費マーケティングのDXについて10の法則としてまとめ、大半を大手企業のデジタル化対応の取材で構成されている
各社が口にするのは、デジタルとリアルのシームレスな統合だ
10の法則とは
不可視であれ
シームレスであれ
目的地であれ
誠実であれ
パーソナルであれ
キュレーターであれ
人間的であれ
バウンドレスであれ
エクスボネンシシャルであれ
勇敢であれ
エクスボネンシシャルであれ とは
サードパーティ活用
ひとつのアイデアを
多くのチャネルでオファーする
ひとつのチャネルで
多くのアイテムたはをオファーする
共創 協業 オープンイノベーション
のことだ
勇敢であれ とは
勇敢にチャレンジすることだ
コ・デザインしたアイデアをアジャイルにに実証実験するなど
※ アジャイルとは『すばやい』『俊敏な』という意味。
アジャイル開発とは、反復 (イテレーション) と呼ばれる短い開発期間単位を採用することで、リスクを最小化しようとする開発手法の一つ
アマゾン 小売
消費者の一番良いところは、永久に満足しないことだ と考えている
アマゾンプライムナウ 外出して買う時間と大差ない受け取り
物理的ソリューションの実験
技術的能力はあっという間に旧弊化する事を知っている
アウトグリル 旅行者向けレストラン
研究開発とイノベーション
ペッパーの活用 人材育成に注力
ボッジ 服飾
クリック&コレクト オンライン注文
クリック&リザーブ 店舗で確認
トライ&エラーのプロセス
実験は継続させる
ブリヂストン タイヤ
タイヤメーカーからモビリティソリューションのリーダーに
ブリヂストン コネクト タイヤと車のメンテナンスの予測型ソリューションを提供
大学生とのハッカソンなどの取り組み
事業プロモーターへ
ブルックスブラザーズ アパレル
ミクロターゲティング
移動体追尾システムへ投資
匿名性を維持しながらデータ収集
ブルネロ・クチネリ ファッション
デジタルトレンドは飽和する
パーソナライズしたメッセージを重視
カンパリ・グループ アルコール 飲料
社会性の中核をなすのがブランドの経験
ザジョイスペンス アップルトンエステート ラムエクスペリエンスを開設
モバイルでもカクテル作りをサポート
カルフール 大型スーパーマーケット
データ活用
位置情報とクーポン発行
属性の付与とAI活用でメッセージ配信
自動精算レジより レジ担当を重視 人間的であれ
ヘンケル 日用消費財
技術は酸素 ヘンケルデジタルアカデミー人材育成プロジェクトは 人間的���あること
コアビジネス以外にもムーンショットを放つ
イータリー 食品
デジタル革命は人類が、火を発見した時と同じ 自社ではアナログな経験を維持する
ディズニーランド テーマパーク ホテル 飲食
パーソナルであること
AR VR アプリの活用は進める
リーンスタートアップ方式で勇敢に弱みの解決を進める
HSBC 金融
サードパーティ活用
キュレーターであれ AI活用
そして監督官庁との緊密な連携
キコ・ミラノ 化粧品
スマート・ミラーを導入
常にイノベーションに取り組む
ラ・マルティナ スポーツウェア
店舗のイベントスペース利用
営業時間に関係ない販売対応など 勇敢にチャレンジしてゆく
リーバイ・ストラウス&カンパニー ジーンズ
エウレカイノベーションラボを開設
製造革新に取り組む
ウォーターレス工法など
開拓者に評価されなくてはならない
勇気を持つ
マーク&スペンサー 小売
アプリでのスキャンペイゴー 支払いサービス
モレスキン 文具
モレスキンカフェなどリーンイノベーションによるトライ&エラーに挑戦
人間的であること
モンダドーリ・リテール 出版
オムニチャネル化を進めながら
キュレーターであること
パーソナライズした提案
勇気を持つこと
ナツッジ インテリア
全店舗に3D表示のソフトウェアを配備
人材育成
D2C コンシューマへダイレクトに
SEA ミラノ空港 輸送
ソーシャルであること
ユーザーとSNSでコミュニケーション
空港でイベント オペラ上演や滑走路でのレース
資生堂 化粧品
収集データを強化しAIを活用してパーソナライズしたビューティーアシスタントとなること
対話型インターフェイスの重要性を感じている
日本独特の手入れや習慣、風習を伝えるリレーションシップ
サフィログループ 眼鏡 アイウェア
人材育成採用 と 顧客のプロファイリング
投稿元:
レビューを見る
ー オムニチャネル・システムは前述のコンセプトの発展型で、異なるチャネルが融合すよう、その存在と本質を見直したものである。
一つのブランドの別々の部門として、多様なタッチポイントを用意するのではない。 オムニチャネルのアプローチでは、チャネルごとに特性があ りながらも、人々は各チャネルを通じてブランドを経験できる。強みは、顧客経験における"包括的"な視点という普遍性である。事実、その目的はもはや売買を発生させることではなく、もてるすべてのチャネルを通じてシームレスな経験を展開することにある。このスキームに則って進めれば、タッチポイントは、単にブランドの一部分とのリレーションシップに限られるのではなく、ブランド全体との直接関係を築く機会となる。そして、チャネルどうしは一貫性をもって互いに強化し合う。
オムニチャネル・マーケティングでは、明確かつ広範なブランド経験を提供できるように、システム内の複数のタッチポイントを結び付ける。このとき各チャネルは一つのツールに過ぎないが、人々のエンゲージメントとエンパワーメントに基づいていて、人々とブランドとの継続的なリレーションシップを強化する。
(全体として) オムニチャネルのエコシステムという一種の枠組みを形成するので、そのなかで売り手は顧客にとっての価値を創造する体系的な思考ができる。すべてのタッチポイントとチャネルを活用することで、ブランドはシームレスな購買経験を提供できるようになる。人々が、空間的・時間的制約を受けずに、ブランドを経験することはめったにない。現に、異なる状況の総体として経験するのであり、各瞬間を合計した全体から意味が生じるのだ。したがって、各タッチポイントを消費者とのリレーションシップにおいて、より高いレベルに誘導する機会とみなす必要がある。 ー
不可視であれ、シームレスであれ、目的地であれ、誠実であれ、パーソナルであれ、キュレーターであれ、人間的であれ、バウンドレスであれ、エクスポネンシャルであれ、勇敢であれ、とリテールを考える上で重要な10の法則について説明されていて、参考になった。
投稿元:
レビューを見る
権威ある人の分厚い本だが、
そんなに目新しいことは書かれていない。
そして、
後半の各企業のインタビューは、
個人的には要らないと思う。
企業のお偉いさんが話すことは、
少しマユツバものだと思っているので。