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非常にとっつきやすく、
読み進めていくとだんだん古典文学を読みたくなってきます。
ただ、ある程度この作者の作風を知った上のほうが読んでいて楽しめるので、
清水義範を読んだことがない人は何冊か読んでからの方がいいかと。
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他人のモノマネが得意な著者が説く、小説の面白さ。
モノマネはそもそも書くことの動機であり、本能的に感じるユーモアであり、小説にとって欠かせないものであるということ。
世界文学はモノマネであることを解説した一章、読書の効能を説いた二章、書く技術について書いた三章
根源的にはどの章も一貫して同じ主張が貫かれているため、理解しやすい。文章も平易だし、作者自身の感受性が子供のように素直なので、ヘタな文学論と違って反感を持つことなく読み切れるのがいいよね。
まあ、『ドン・キホーテ』が世界十大小説に入っている時点で、俺とは感性は合わないところはあるけど(ちなみにパロディ元の騎士道文学もちゃんと読んだ経験がある上での感想ですよ)、それでも読んでて楽しかった。
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[ 内容 ]
作家・清水義範の小説スタイルは「パスティーシュ(模倣芸術)」と呼ばれてきた。
さかのぼれば、『旧約聖書』の「ノアの方舟」の話は『ギルガメシュ叙事詩』からの引用だと言われる。
スタインベック『エデンの東』は『旧約聖書』のカインとアベルの物語から作られた。
また、デフォーの『ロビンソン・クルーソー』に腹を立てて生まれたのがスウィフトの『ガリヴァー旅行記』である。
世界の文学はつながっている。
膨大な読書体験と創作の方法をひもとくことで、それがそのまま文学案内となる面白くて便利な一冊。
[ 目次 ]
講義1 パロディで文学はつながっている
補講1 パスティーシュの正体は何か
講義2 読書で学べること
補講2 私が決める世界十大小説
講義3 作文教室と創作方法
補講3 ユーモア文学論
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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文学の傑作といわれる作品を十数作品挙げ、そのあらすじを紹介しながらある種筆者の文学論を展開している。昔の文学作品はとっつきにくくてまだ読めていない人にはあらすじが一気にわかって楽しめるのはもちろんだが、そのあらすじの話し方がとても面白いので原作を読んでみたくなること必至だと思う。とくにドン・キホーテはいままで誤解してたことが分かって、あんなにもユーモアに富んでウィットの効いた作品であったことはこの本を読んで始めて知った。また、文学を読むことは楽しいことはもちろんのこと、現代でも必要であることがひしひしと伝わってきた。高校生や大学生に向けての講演が元になっているので言葉が平易で読みやすいのも良かった。
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「文学」で本を検索して買ったもの。タイトルから真面目な文学の入門書かと思ったが...読んで見ると清水義範の世界だった。
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講演を元にしている部分はもちろん、書き下ろしの部分も非常に読みやすく面白い。あらためて清水義範氏の技量を感じる。小難しいわりに何を言っているかよくわからない文学論ってあるもんなあ。
深刻な問題は、自分がいかに文学作品を読んでいないかが赤裸々になったこと。自分の教養の無さが情けなくなった。
そのことに薄々感づいていたので、とってつけたように最近『カラマーゾフの兄弟』などを読み始めていたのだが、なんと清水義範氏はこの本は読んでいないと書いてあって驚いた。と同時になんかちょっとホッとした気分。
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大学などで行った講演とその補足。 最近の新書は読みやすくなってるんだなぁというのが感想。私の中ではまるで「国語の清水先生」がしゃべってるみたいに感じられるんですけどね。重症かな? 逆にユーモア以外の小説が読みにくくなってきています。困った。
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清水義範さんといえば、パスティーシュ小説。
第一人者にして、その後続く人はいないのではないかと思われる。
その、パスティーシュという手法への自負が書かれた本だった。
「ユーモア小説」と言われてもいいけど、「パロディ」と呼ばれるのは抵抗があるようだ。
つまり、批判や批評したいのではなく、毒がなく、あの名作、この文章ってこういうことかと、すとんと腹に落ちる作品を書きたかったと。
う~ん、ご本人は嫌がりそうだけど、やっぱり清水さんって教育的なひとだなあ、と思う。
セルバンテスの「続ドン・キホーテ」が、別人による「偽ドン・キホーテ」を取り込んで展開した話は、強烈な印象に残る。
そんな面白いことがあったのね。
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源氏物語、ドン・キホーテとその続編、罪と罰、ファウスト、ガリバー旅行記、ロビンソン・クルーソー、坊ちゃん、吾輩は猫である、ハムレット、酒場、などなど多くの小説に対する要約、解説。まさに「早わかり世界の文学」の面目躍如と言える。しかも、歯切れのよい文章でテンポよく分かり易く書かれていて実に面白い。 この手の本はダメだとしたものだが、この本は先ず先ずの出来であるので、小説を読みたいのだが、どれにしようか迷っている人にお勧めしたい本である。
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文学に限らず、あらゆる芸術、思想、技術、人間の活動全てが模倣の歴史であり、それが文化であると言っていいだろう。その意味で、模倣を軸にした文学史は入門としてとっつきやすい。
ロビンソン・クルーソーとガリバー旅行記の関係が一番おもしろかった。
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微妙に読者ターゲット層が見えにくい本だけど、逆に、どの人にも剥いている、とも感じた。
この内容をあくまでライトに読ませるのは、清水さんの職人的筆致力のたまものだと思う。