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非常に面白い!!
本当はとても難しいことを取り扱ったものと思うが,非常に平易に書かれていて,しかも知的好奇心を満たしてくれる。
読み物的に買ったのだけども,近年の比較行動学やら比較社会学やらの最新知見も豊富にレビューされているので,
自分の研究の参考にも使えそう。
久しぶりにグイグイ読んでしまった。
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人類学を進化的にとらえようという試み。比較的新しい研究を多く紹介している。ただし著者自身の研究というわけではないようで悪く言えば趣味で集めた論文紹介の寄せ集めか。
勉強にはなるが、なぜか鼻もちならないところもある。
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進化人類学という視点から、現代の人間について、社会について考察する一冊。
コンテンツは以下の通り:
「食べる」「みんなと生きる」「連れ合う」「育つ・育てる」
「いのちの坂」「いのちの終わりとつなげる知」
「連れ合う」の章で原始時代より進化し続けた男女関係、そして現代の男女関係について非常に納得しました。
社会学でいう「現代の少子化は女性が社会的地位を得たから
、それで家族事情が変化しつつある」という説がよく知られているが、
この本では更に深く読んでいる。
古代よりの男女関係、それがいかに進化してきたのか、そして現代ではどういった形で表れているのか。
ずっとずっと疑問に思っていたことが一本の線で繋がったカンジです。
少子化・高齢化・晩婚・離婚・非婚カップル・シングルマザー・DV
など様々なものが構成する今日の社会。
政府による政策やお見合いサイト等も良いけど、
みんな とりあえず 「自分」たちのこともっと理解しようよ。
「人間」がどういう生き物で、どうゆう風に生きてきたのかわからないまま闇雲に問題解決しようとしても、根本的な解決に繋がらないんじゃないかな。
手の施しようがないほどに問題が積み重なってしまう、そして今の社会もその段階にきている。
文章・論述・引用・参考文献の量の多さから、著者がいかに博識かが伝わってくるようでした。
こうゆう社会の見方もあるんだと、もっと沢山の人に知ってもらいたい。
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[ 内容 ]
私たちは、現世に生を受けながら、浮世に明け暮らす生身である。
永遠に若くはなく、終には老いとなる。
個体としての命はかほど儚い。
それはヒトもサルもトカゲも同じだ。
他方、生命の誕生以来、生物は無限的な時間のなかで進化を遂げてきた。
生命現象の多様性は進化の積畳なのである。
生の永遠と命の儚さ、そのジレンマの狭間で、生命はまばゆい輝きを放つのだ―。
本書では、様々な動物の生きかたを紹介し、進化的な視点から生命サイクルの意味と仕組みを見つめる。
最新の研究を渉猟し、人間とは何かを考えた快著。
[ 目次 ]
第1章 いのちの説明
第2章 食べる
第3章 みんなと生きる
第4章 連れ合う
第5章 育つ・育てる
第6章 いのちの坂
終章 いのちの終わりとつなげる知
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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さまざまな事例が紹介されており、ネタとしては面白かったのですが、いまいち説得力に欠ける印象です。紙面が限られているからしょうがないのかもしれませんが、説明不足な個所がすごく多く、読んでいてイライラしてしまいました。
ただ、参考文献が巻末にたくさん載っているので、これからこの分野の専門家になろうと思っている人には、非常に参考になると思います。
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人類進化の問題は 新しいことがわかればわかるほど
混沌としてきている。
内田亮子は言う
『現在では、20種類近い人類と長期間にわたる複数種の共存の事実
そして 種同士の関係性は不明瞭、
という混沌としたものになっている・・・
真実の解明から遠くなったように見える混沌を極めた
現在の人類進化の図はようやく人間が自分たちの歴史を
客観的に科学的に見始めた証拠でもある。』
この文章の表現力は 格調が高いですね。
多くの資料が集まることで、混沌化し
その中からルールをつかみ出す。
進化のメカニズムは 自然選択と遺伝的浮動によって成遂げられていく。
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生物人類学という分野ってなんだろう。
「あとがき」にあるように、まさに著者は「人間を動物としてみている」
一方、著者が母の病気に遭遇し、
「息ができて、おいしく食べ、気持ちよく排泄し、自分の足で歩け、ぐっすり眠ってまた目覚め、
何気ないことに喜怒哀楽を感じるといういのちの営みの基本がどれだけありがたいことか」
というコメントが、人間としての再認識か・・。
209件の参考引用文献がついて、まさに総説を一般むけにしたもの。
ただ、福岡伸一の作品のように物語性はなく、よみだすと止まらなくなることはない。
【メモ】
38/現代人の脳の容量は体重のほぼ2%なのにたいして、摂取されるエネルギーの25%を消費
47/肥満対策として、アメリカでは大手飲料メーカの了承のもと、公立小中学校の食堂や自動販売機から
コーラ塁が取り除かれる
50/肥満という疫病との戦いは、簡単でなく、進化的な観点からの心身の理解が必要る
152/第6章 いのちの坂 「老化の進化理論」
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生き物としての進化という観点から、人間とは何かを考えた本。2008年出版だからすでに最新とは言い難いが、当時の最先端の知見に基づいて書かれている。
なるほどと興味深く読んだが、読後に残ったのはトリヴィアルな知識だった。
たとえば、肥満先進国のアメリカからの研究報告で、「肥満は伝染する」。1人の人が肥満になると、肥満になるリスクが配偶者・家族では40%、友人だと150%以上高くなる。個人の社会的基準がずれていき、太ってもかまわないと思うようになる、というのだ。家族より友人の方が影響を受けやすいというところが面白い。そして、基本自然に任せれば太るということが前提ということでもある。
それから、オス同士の喧嘩となると、人間以外の動物や魚でも、誰が見ているかによって行動が変わる。他のオスがそばにいる場合よりメスがいる場合の方が、オスはより激しく華麗に戦うのだという。ムベなるかな。