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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
島原の乱の指導者と言われた天草四郎はキリシタン大名であった小西家の家臣だった父やその家臣団に担がれた神輿であった。
人を欺く詐術で民衆の心をひきつけるが、四郎は後ろめたさを感じるようになる。
そんなとき四郎は虎と出会で心のよりどころをみつける。
一揆で幕府軍と戦う隠れキリシタンの姿、四郎と虎の周りの女性、柳生との闘い等
終盤に読み応え十分な内容です。
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所謂「島原の乱」は、キリシタンへの弾圧が激しく行われたことへの反発、島原に転封して日が浅かった松倉家の苛政に堪えかねた人達の憤懣の爆発、江戸幕府の下で改易された大名家に仕えていた経過が在る武士達の不満等々の要素が絡まり合って、大規模な蜂起が発生し、幕府側も大規模な軍勢を動員して事態収拾に取組んだとされていた。本作はそういう通説を下敷きとしながら、事件が大規模化して行った「裏側に何が?」ということに想像の翼を広げ、同時に事件の渦中に身を投じた人達のドラマが展開する。
四郎との係わり、蜂起に身を投じた人達との係わりという中で「“人間”であること」を取り戻すかのような、“野人”という生き方をせざるを得なかった処から出発している虎が巡らせる想いや“乱”の中での彼の闘いというようなことが、本作の物語の最も主要な軸かもしれない。他方、「旗頭として担ぎ上げられる」という中で「人が生きて行くこと」、「社会の安寧が保たれること」という問題に向き合うような四郎の移ろう想いというのも大切な軸だ。
そういう“乱”の渦中に突入した人達の他方に、渦を寧ろ起こしたという感の松平伊豆守信綱が在る。そしてその周辺に柳生宗矩や、柳生十兵衛が登場している…
ダイナミックな映像が眼に浮かぶような展開で、夢中になってしまい、非常に速く読了に至ってしまった一冊である。
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島原一揆を扱った歴史小説。天草四郎が等身大の少年として描かれる。すごく平易に書かれてたのですごく読みやすい。子供でも読めそう。
島原一揆はキリシタン弾圧、島原藩の圧政に対する反旗、といったくらいの理解しか無いのだけれど、本書で描かれるような世界もあったのかも知れないと思わされる。一揆の規模に比べ、登場人物が多く描かれず、いい意味で単純化されている気がするけど、ご都合主義とも見れるかも。それがエンタメ的でおもしろくもありました。
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天草四朗は授業で習うけど、島原の乱しか知らなかった。その時代背景がわかって興味深かった。幕府側も、四郎側にも、それぞれの人間模様があって、歴史上の出来事も結局は人なんだな。