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「ちくま」連載「とびだせ教養」(2017年4月号〜2018年7月号)に大幅に加筆修正し、書き下ろし(後半1/3にあたるお勉強の実践スキル部分)を加えた一冊。
連載のときも毎月わくわくしながら読んだが、あらためてまとめて読んでも飽きずに楽しく読ませ、おおいに学べる内容。大学の真の教養教育とはどういう目的のものなのか、教養があるとはどういうことをいうのか、そもそも大学とはなんなのか…と書くと小難しくて退屈な話になりそうだけれど、映画や文学、さらには現代社会、時事問題や哲学を始めさまざまな研究分野への脱線もまた勉強になるおもしろさ。大学新入生と言わず高校2−3年生ぐらいで読んどくと目が開かれていいと思うけれど、わがやの高校3年生はフィクション以外は敬遠しがちだからなぁ…なんとか手に取ってもらえないかなぁ。
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戸田山先生の本は2冊目。
相変わらず面白い。知的好奇心をくすぐられる。
若者向けに書かれているが、大人こそ読むべき内容だと思う。
教養の書と銘打ってあるものの、教養に至るまでの学びについてとても勉強になった。
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いかに自分の知識に囚われず、吸収し続けられるか。
また教養にゴールはないためイデアにハマりやすく、慣れ親しんだ仲間内で認知的バイアスが働き、おざなりな結論に至ることがあるため、認知的共感が味噌になる。
そのために日々他文化の方に触れてり、歴史などから自分以外の人物に会う『知る』ことが必要である。
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教養とは何か、についてわかりやすく理解できる内容。それよりも教養を養うことが楽しそう、もっといろいろな思考をして自ら考える力を高め続けたい、と思えた。
・人類にとって教養を学ぶ意味は、世代を超えた情報の担い手になること。他の動物と決定的に異なる点は、世代ごとの伝達が遺伝子だけでなく情報で結ばれていること、すなわち文化が形成されている、ということ。
・人類の幸福に資するよき概念を伝達すべき。例えば人権など。書き言葉の発明によって批判的な思考ができ、それを伝達できるようになった。
・知識は必要条件。古典は人類の共通基盤。
・なので、知っているかどうかで差が出るものなので、文化に階級や嫌味らしさは宿命
・教養を構成する、知識プラスアルファの部分とは何か。
自分を超えた大きな高次の価値に照らして自分で判断できること。そして相手の論が正しければいつでも自分の見方を変えられる闊達さ。そのためには知識が構造化されていて、自分をかけがえのない存在として自己形成する
・検索で得られる知識に頼っているとその場ですぐに反応できない
・教養は幸福のためのプロセス。そして作られるものは人格。道徳の主体。
・イドラから解放されるには自分自身を相対化すること。そのために歴史や人との出会いにより、外から見える窓を持つこと
・クリティカルシンキングは反省的な思考法。自分で自分の思考にツッコミを入れること
・語彙を増やすこと。言葉によって思考が広がるが、束縛されることもある
・論理的思考とは、証拠で主張をサポートすることにより互いに合意に至ることを目的としたコミュニケーションの形式
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大変面白い。
全編通して役に立つ内容でした。
おまけに後ろの注まで面白い。
注が出てくる度に、いちいち後ろを開けて注でまたクスッと笑えるので、行ったり来たり読むののが忙しい。
これまで、教養=知識という認識だったが、より良い社会を作る担い手になるために必要な知識、態度という考え方など参考になった。
読みたい本も観たい映画も増えた。
こんな先生と大学で交流できたら、幸せだろうなと思う。
大学の先生方にも是非読んで貰いたいと思う。
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学生時代に読みたかった。もう遅いけど。
教養の定義に始まり、教養の妨げになるもの、教養を身に付けていく方法が書かれていた。
豊富な知識をいかに体系だって整理できるか。どちらもできてない。自分の「規矩」なるものも中途半端。読んでて色々反省しまくり。
あと、本書の随所で著者の豊富な知識が垣間見れた。
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煽られました。揺さぶられました。脳内体温(そんなものあるかどうか、わからないけど…)上がりました。いや、頭というより心がざわつきました。軽い語り口…じゃなくて書き口に乗せられてページを次々めくっていきますが、作者が伝えようとしていることはヘビーです。甘くて飲みやすいカクテルだと思ったらアルコール度数がメチャ高い感じ。そう、「教養」という領域は、大学で専門に入る前の食前酒的な位置づけが共通イメージでしたが、どうしてどうして学問というもののど真ん中なのかもしれない、が読後の変化です。世界のさまざまな問題が専門家の狭くて深くてマニアックな研究に任しておくだけじゃ…、という時代にリベラルアーツに光が当たっているのだと思います。「知識」じゃなくて「知恵」みたいな言い方がありますが、その「知恵」のメソッドが満載されています。なんだかまた大学に行きたくなりました。大学に行かなくても学びたくなりました。学べるかわからないけど読みたくなりました。本書に登場して興味を持った本、ちびちび積み重ねていこうと思うような、熱い気持ちに今、入っています。本書が、自分にとってのリカレント大学かも。
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とても、面白くためになる本です。教養がある人になりたいなあと思っていた私にはピッタリの本でした。 そもそも、教養とはなにか?どうしたら、教養を身につけられるのか?が、映画や、本などを例にあげて、しっかりと、書いてあります。
私が一番感銘を受けたのは、ウェルメイドな映画はたいてい二重構造になっているということ。映画には、教養がなくても楽しめる小学生レベルの楽しみ方の他に、教養のある人しか、読み解くことの出来ない、作品の根幹を成す重要なメッセージ、テーマ性が、隠れているかもしれないのです。教養とは、身につけることで、人生をより豊かに、楽しくしてくれるものです。
あなたも、教養を身につけて、映画のツウな楽しみ方してみませんか?この本オススメです!!
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教養とは「知識+α」
じゃあ、αとはなんぞやって事なのですが
それは下記だと言っています。
・構造化された知識+構造の大きさ
・自己相対化
・闊達さ
時間や空間の流れの中で全体感を捉え
客観的な視点でもって正しく批判でき
間違っている所は素直に認め修正することのできる能力だと理解しました。
また、VUCAの時代において上記に加え下記3点もこれからの教養に必要になるとのことでした。
・健全な懐疑主義
・「わからなさ」への耐性
・したたかな楽天性とコミットメント
こちらは、自分自身最近気になっている事柄
・あたりまえを疑うこと
・ネガティブ・ケイパビリティ
・闘う楽観主義
とも符号し、とても腹落ちしました。
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文字によって思考が改善される。批判的思考が可能になる。
よい遺伝子を残すより、文化を残すことが大事。
教養とは知識プラスα、系統的に知識が格納されていること。
知的な「闊達さ」=自分の意見に固執しない
教養とは雑学ではない。雑学を元にまだ知らないことへフライングする能力。
読書は、周りの人と同化するのではなく、自分を存在を形成するためのもの。
読書は、少しだけ新しい自分に生まれ変わるために行われる。
知識が大きな座標系に位置付けられていること、自己相対化、闊達さ。
ひょっこりひょうたん島のサンデー先生は、人間になるために勉強する、と言った。
社会的知性を必要とする仕事(セラピスト、カウンセラー、医師、牧師)、現場監督、危機管理責任者、などが残る。
中途半端にクリエイティブな仕事は、人工知能に奪われる。
トゥルーマンショーは、幸せな無知(パターナリズム)と真理を天秤にかけている。
語彙を増やす。語彙は社会階層と結びついている。語彙は思考と結びついている。
手作り単語帳のススメ。一生作り続ける。
英語だけでなく、日本語も、フランス語も中国語も。
自家製世界史年表を作る。
世界史年表第三版を下敷きにエクセルで。
たての列は、世界の動き、生物学、物理学、哲学、音楽、アートなど。個人の列。
映画モダーンズ。
論理的思考法を学ぶ=福澤一吉さんの著書
SEの仕事は日本語の文章を書くこと。
論文は、「民主的な社会において、あるべきコミュニケーション」。論文は同等に扱われる、はず。
大学は教育機関ではない。自己形成の場。論文やジャーナルがタダで読める。
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格調高い装丁に反してとても砕けた語り口の文章。しかし内容は真剣そのものでかなり骨太。高校生、大学生だけでなく社会人も読む価値がある。注記も含めて非常に面白い。
教養とは?なぜ必要なのか? という根本的な疑問に対して様々な題材を用いて多角的にアイディアを提供してくれる。紹介されている書籍・映画も少し視点を変えて味わってみたい。
今後も再読して味わい尽くしたい「学びの指南書」。
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私はある程度熱心な戸田山氏の著書の読者だと思うが,この本はいただけない.教養の定義が旧制高校風でかなり古臭い.古臭さを擁護しようとしているのだろうが,著者自身も苦しそうである.今や,インターネットを前提とした新しい教養の形があるのではないかと逆に感じた次第.
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教養とは何か、についてこれほど直球で語っている本はないのではないか?
教養はよい、のてはなく茨の道であるが、著者の案内に従い茨の道を歩む決意をした。
やや文体に好き嫌いか分かれる点は注意。
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若いときに(できれば10代で)出会うべき内容。内容が実感レベルでわかるかどうかは別として、インテリジェンスのベースとなる考え方が、ラフで読みやすい文体で示されている。いくつもの文献が薦められており、そちらも読んでいきたくなる。
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ちょっと固そうな内容の印象を与える署名と
装丁ですが、素晴らしい本です。
まだまだ知らない著書があり、「無知の知」
を思い知らせらます。
この本はこれから大学で学ぼうとする高校生
向けに書かれているらしいです。
しかし大人も読むべきです。
特に池上彰などを読んで「大人の教養」を身
につけようとしている人達にこそ、です。池
上氏とは違った教養へのアプローチを示して
くれます。
前半の「ダイ・ハード3」の解説でハートを
グッと掴まれます。
ただのドンパチアクション映画と思っていた
のが、実は教養があれば見抜くことができる
深淵なテーマが隠されていることに驚かされ
ます。
まさしく「無知の知」→無知であることを知
る、のではなく「無知の無知の知」→無知で
あることを自覚さえしていないことを知る、
一冊です。