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投稿者:かめピー - この投稿者のレビュー一覧を見る
Ωものの中でも、初めての設定だった。運命の番が死んだ後を描いたもので、シングルマザーのΩに新たな出会いがある。切なさいっぱいだったが、最後はうまくまとまってた思う。後書きが甘々で超好みだったので、続きがあったらいいな。
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きゃーおーが可愛いよね。
ヤマヲミ先生はオメガバだろうがなんだろうが、変わらず可愛いくてエロかった。
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▼あらすじ
駆け落ちした夫αと死に別れ失意の中、子供だけが生きがいのシングルマザーΩ。
「もう生きてる意味なんてないけど、Ω手ひとつでこの子を立派に育ててみせるー」
警備員で細々と生計をたてていたが、突然エリート政治家に「運命の番」認定されて…
その強引さに心は抗うも体は激しく感じてしまうが、彼には大きな秘密があった!?
赤い糸を結び直す感動のドラマチックラブ、幸せすぎる後日談描き下ろし付き
***
ストーリーの完全度:高い
トーン:コミコミ・せつない
エロ度:高い
萌え度:非常に高い
総合評価:★4.8
オメガバースは一時期読み漁り過ぎて若干、食傷気味になっていたのですがヤマヲミ先生のこちらの作品はそんな私でも夢中になれるほど面白かったです。
まず、何が良かったって設定ですよ。一般的なオメガバース作品って、αとΩの出逢いから番になるまでのストーリーを描いていると思うんですけど、こちらの作品は番が成立しているところからスタートなんですよね。
ですが、番を成立させた当の本人は既に他界してしまっており、初っ端からせつないムードが漂います…。
千広にとっては息子である未来(みく)の存在が唯一の希望であり生きる支えでありますが、生活は決して楽なものではないですし、愛するパートナーを亡くした悲しみだってそう簡単に癒えるものではありません。
そんな中で出逢ったのがアンチΩ派のエリート政治家、新道。鼻持ちならない態度でΩを見下す新道ですが、何と彼の中には亡くなったはずの千広のパートナー、ナオが入り込んでいて、千広は思いもよらない形で愛する人との再会を果たします(笑)
これ、面白いのが新道とナオの性格が正反対ってところなんですよね。新道はいかにもな傲慢俺様タイプだけど、ナオは人懐こくて愛嬌があって良い意味で子供っぽい感じ。基本的には新道が人格の主導権を握っているのですが、いきなりナオが表に出て来る事もあり、その予測できない登場の仕方が面白かったです。
そもそも何故、新道の体にナオが入っているのか、という謎についてですが…これは新道が心臓移植を受けており、そのドナー提供者がナオだったんですね。
事故に巻き込まれて亡くなってしまったナオですが、千広の事が好き過ぎて死にきれなくて、どうにかしないとって考えた結果、ナオの心臓を貰い受ける新道に千広の事を託したんですよ。
本当は自分の手で千広の事を幸せにしたかったであろうナオの気持ちを考えるともう切なくて切なくて…。ていうか健気過ぎるよ、ナオ…(T-T)
そうなってくると、新道が千広に惹かれる気持ちは新道自身のものなのか、それともナオによる作られたものなのか…判断が難しいところではありますが、そんな細かい事はもうどうでもいいんです!(笑)
ナオも新道も千広の事を心の底から愛してる。それだけでもう十分なんです!
これで最後にナオの人格が消えてしまうような終わり方なら切な過ぎてしんみりしていたでしょうが、新道がナオを消させないって言ってくれたのできっとこれからもナオは新道と一緒に千���と未来を見守り続けてくれるんだと思います。
ていうか、新道とナオって意外と良いコンビなので、これからも仲良く共存していってほしいです。
今回はどちらかと言うとせつなめのストーリーでしたが、ヤマヲミ先生らしいコミカルなシーンもバランスよく織り交ぜられているのでせつない中にも笑いあり涙ありで最後まで楽しく読ませていただきました。
エロシーンについてはオメガバース特有の濃厚さで、特に押し入れの中でエッチするシーンは何だか見てはいけないものを覗き見しているような背徳感がありドキドキしてしまいました(笑)
ヤマヲミ先生の作品は今まで何冊か読みましたが、 今作が一番自分の好み合っていたようです。オメガバース作品としても斬新で面白かったですし、読み応えもバッチリで大満足の一冊でした。何度でも読み返したい作品の一つです。