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猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ
第13作目
版元を変えて、シリーズ続刊!
(新シーズン開始と捉えてもいい内容なので、この本から楽しめます。)
いゃあ〜面白かった!!
※あらすじは省略
愚直な猟区管理官(現代版のカウボーイ)ジョーが、地域で起きた事件を追う。
多分、知らないだけで他にもこういうシリーズはあるのだろう。
自粛前の読書ペースが戻るほど夢中になって読んでしまったので
「何故読んでしまうのか?」
を考えました。
・主人公ジョーの魅力
銃は下手、支給された車の大破記録の保持者、ジョークによる失言が多い(増えて来てない?)
愚直で誠実な男、どの人物よりも「まともな正義」を持ち自分を危険に晒しながら、薄給を義母にいびられながらも耐えて、耐えて(たまに爆発しつつ)根気よく事件に向き合う。
自然と家族を愛している。
→「なるべく人を傷つけたくない派」
・脇役の魅力
頭脳明晰で、時にジョーよりも頭が回る妻メアリーベスに娘達
(随分大きくなった…色々あったなぁ)
ジョーに恩義を感じ「法の外の世界の住人」鷹匠のネイト
→「躊躇なく人を壊す派」
ヒトの耳、ちぎりがち
(「鷹の王」では主役でした)
宿敵である保安官や、同じく真面目に捜査を進めてくれる他の法執行機関の捜査官
ジョーをバックアップする知事(かなり口が悪くて私は好き) などなど
シリーズモノの醍醐味ですが、ひとりひとりが積み重なって面白味が増していく。
・敵のクソったれ度合い
巻を重ねるごとに増してます。
官僚主義に対してが多め。
・基本的に「事件に巻き込まれて、解決する」という流れはあるのだけれど
毎回アメリカで起きている問題を取り上げているのも飽きさせない。
(今回も実際にはベースの事件があり取材した旨が書かれている)
・タイトルの「発火点」にも表されている通り、解説にも書かれていたが
森自体も火災が起きてしまうし
「人の心の限界」を超えたり、なんらかの境界線を超えてしまう人、その描写が多かった。
ジョーは、平凡な男というイメージがあったが異常な状況の中でも「ここ良さげやん、後で改めてまたココに来てみよう」みたいな事を考えている。
試練を重ねる中で「自然好き」の度合いも強まっていったのかもしれないが、ちょっと「いや自然好きすぎだろ!」とツッコんでしまった。
少し前に、未訳だった2作目が電子版で発売されてます。実はコレ、読んどくとこの巻がより楽しめます。
面白い本を読むと「お、他の本も読むか」と意欲を掻き立てられるのですが、まさにそれでした。読書を続けます。
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猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズを読み始めて何年になるだろう?
子供たちも成長してシェリダンなんか大学生だよ。
ワイオミングの大自然の中で過ごす猟区管理官という職業をこよなく愛し、家族を大事にし、正義と誠実を貫く馬鹿正直な男。
いつもいつも貧乏籤と言うか災厄が身に降りかかってくる(小説だからね)
官僚組織を利用した陰湿な陰謀に翻弄され絶望の淵に立たされた家族、ブッチがブチ切れて連邦特別捜査官2名を殺害して逃走。
彼の所有地からは2人の男の射殺体が発見されていた。
そして単身山中に逃走、それを追う連邦捜査官と協力させられるジョー。
主人公や妻のメアリーベスが善良な一方、ヤな奴も結構な割合で出てくるのがお約束。
宿敵ともいえるマクナラハン元保安官、新局長、曲者ルーロン知事、さらにその上を行くパティスタ、部下のアンダーウッド。
最後は溜飲が下がる展開なんだが、最後の5ページでまたホロ苦い真相が出てくる。
個人的にはメアリーベスのビジネスの行方がどうなるかが気になる。
金欠家庭としては、まだまだ頑張らないといけないしね。
ジョーは、知事の口利きかなんかで、次作も猟区管理官になってるよ(たぶんね)
またはガイドかな。
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昨年『鷹の王』を<このミス>一位に投票したのは、大好きなこのシリーズの頂点を極める作品と感じたからのこと。しかし続く本書も、一歩も引かぬ快作であることに、ぼくは驚く。そもそも、どの作品も、高水準のエンターテインメントとして面白く読めると同時に、大自然をバックに愚かでちっぽけな人間たちのなすあらゆる悪と闘う、善良な猟区管理官、ジョー・ピケットとその家族たちへのキャラクター愛が素敵なシリーズでもある。
ジョーは、どこにでもいる地味なキャラに見えながら、恐ろしいほど堅物で、徹底した頑固者で、ワイオミングの荒野を守る仕事を愛してやまない。銃は得意ではないが、勇気と良識は人一倍持ち合わせている。家族思いで、友人思いで、優しくタフである。
妻メアリーベスを初め、二人の娘、一人の養女で構成されるジョーの家族たちの個性も明確に示され、長所も短所もそれぞれに異なるばかりか、活き活きとして血が通って見える彼女らの表情も、ジョーの家族へのいっぱいの想いや悩みについても、シリーズとしての魅力の重要な構成要素となっている。
本書は、冒頭からショッキングなバイオレンスとアクションでスタートする。武装した男たち。死体。逃亡者。危険な追跡。ジョーの情感に満ちた仕事と家族への姿勢が、酷薄な様相で彩られる血塗られた現場で、読者の心を人間の世界に繋ぎ止める。けだものの方向にではなく。そう、いつもの構成なのである。
冒険小説の復権、とぼくは本シリーズに触れる度に、この上ない喜びと共に思うことができる。すべての舞台が大自然。圧倒的な権力を持つ悪の横暴が見える中で、繰り広げられる命がけの冒険行は、次々と生じる危機と命の駆け引きのシーンが連続するたまらないページターナーぶりである。
今回、講談社文庫から創元推理文庫に版元が変更となった理由は定かではないが、永らく本シリーズの出版を続けていた講談社が、本作の前に電子書籍のみという形ながら、これまで未訳だったシリーズ第二作『逃亡者の峡谷』(原題"Savage Run")を提供してくれたのは読者としてはとても有難かった。というのも当該作で舞台となる「サヴェージ・ラン」という名の極めて危険な地形、深く抉れ渡ることが奇跡としか思えない谷に、本書でジョーは本作でふたたび向かうことになるからである。
大自然の持つ危険な要素をふんだんに使うのは今に始まったことではないが、今回はそこに新型殺人兵器や、作年のオーストラリア大火災を想起させるような大規模な山火事を盛り込むことで、さらに冒険小説の新しい時代の到来を肌にびしびしと感じさせてくれる。
雄々しく、しかも家族愛、友情、なども優しく感じさせてくれる現代のエンターテインメント。荒野のディック・フランシスと呼ばれる本シリーズのうちでも、相当にスケールアップした冒険小説の世界に生き生きと甦る、馬上の等身大ヒーロー・ジョー・ピケットんの他を寄せつけない活躍物語に新しい読者がさらに急増することをぼくは願ってやまない。
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ミステリ版「大草原の小さな家」。
全てがアウトドアで始まって、アウトドアで終わる。
山火事場面はスリル満点。
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ジョー・ピケットシリーズ。射殺された二人の捜査官。容疑者として浮かぶブッチは姿を消した。そしてジョーの捜索が始まる。ジョーの真っ直ぐな目線とブッチやその家族を思う気持ち。自分の家族や自然を守ろうとする想いが今作も伝わってくる。行政に翻弄され理不尽な扱いを受けてきたブッチの目的は。犯人は。そして森林火災に巻き込まれたジョーたち。そこの描写や自然の大きさの描写がとてもいい。今回の事件を受けてジョーのこれからも変わっていきそうだし次作も楽しみ。これまで講談社文庫から発売されていたのが今作から創元推理文庫に変わった。途中で途切れてしまうシリーズも多いなか版元が変わっても継続になって嬉しい。
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コロラド州デンヴァ―にある環境保護局第八地区本部から、二人の特別捜査官が、ある件に関わる裁定文書をワイオミングまで届けに行くところから話は始まる。途中シャイアンの町で、陸軍工兵隊員の男と待ち合わせるが、男は二人が銃を携行していることに驚き、途中で姿をくらます。二人の特別捜査官は待ち合わせ場所に出向き、誰かに撃たれて死ぬ。この二人が主人公かと思っていたので、冒頭でさっさと死んでしまうことに驚いた。実は主人公は別にいた。
猟区管理官のジョー・ピケットを主人公とする、シリーズ物の最新作である。二人を殺して埋めた容疑者はブッチ・ロバートソンという男で、死体の埋まっていた分譲地の持ち主だ。ブッチは、ジョーの娘ルーシーの親友ハナの父親で、その日の朝、ジョーは仕事中、森の中でコーヒーのために火を焚いていた彼と話をしたばかりだった。森の木はマツクイムシにやられ、地表には枯葉が積もっていて、マッチ一本の火で山火事が起きる危険があった。
このシリーズは初めて読んだが、山に生きる主人公が魅力的だ。広大なワイオミングの山岳地帯に分け入り、森の生き物の暮らしや環境を守り、違法な狩人から動物たちを守る、今の仕事が気に入っているが、体の方は若い頃のように無理がきかなくなった。家族のことを考えると、現場を離れてデスクワークをすることも視野に入れる必要がある。どうやらこれまで、上や周囲との間に様々なトラブルを抱え込んでいるようで、なかなか腹を括れない。
ブッチの妻パムの話によれば、夫妻は金を貯めて湖を臨む土地を買い、そこに家を建てる気でいた。基礎工事のためにトラクターを動かして三日目、環境保護局から三人の女性がやってきて、夫妻の土地は湿地帯に属しており、形状を変えると莫大な罰金を払うことになる、と警告された。何度電話しても責任者と話ができず、一年経ち、何かの間違いだったのだと思い、トラクターを動かし始めたら、書類を渡すから待つようにと連絡があったという。その話には引っかかるものがあった。サケット事件に酷似していたからだ。
環境保護局から来たファン・フリオ・バティスタという男は権力を笠に着て、強引にブッチを逮捕しようと焦っていた。犯人の首に賞金を懸けるとまで言い出すので、ブッチに危険が及ばぬよう、ジョーは捜査員を案内して山に入ることにする。どちらが指揮を取るかで、州知事ルーロンと環境保護局地区本部長のフリオとの間で一波乱あるが、フリオはヒスパニック系というマイノリティの出自を盾に、白人による差別だと言い立て、逆に知事を抑え込んでしまう。鼻持ちならない男だが、悪知恵だけは働くようだ。
一方、賞金の一件を聞きつけた元保安官マクラナハンは、以前ブッチの店で働いていて、一緒に狩りをしたことのあるファーカスを道案内人として雇い、ソリオという狙撃手を引き連れ、反対側から山に入る。マクラナハンはブッチを射殺して賞金を射止めるだけでなく、選挙で自分を追い落した新保安官リードの鼻を明かし、次の選挙での返り咲きを目論でいた。
慣れない山中を馬で行く捜査員を率いるのはアンダーウッドという環境保護局管理特別捜査官だ。探索行の中で言葉を交わすうちに、ジョーは、プロとして仕事を果たそうとするこの男に親近感を覚えるようになる。話をするうちにフリオという名が新しい名で旧名がジョンだと知ったジョーは妻に電話してフリオについて調べさせる。すぐに圏外になる電話が人物や読者を焦らし、サスペンスを盛り上げる。さらにGPSが思わぬ悪さをすることに。
時が経つにつれ現場を知る者と机上で命令を下す者との対立が募っていく。食料その他、野営の準備もせずに山に入った捜査員に対し、山での狩りに慣れているブッチには準備に遺漏はなかった。マクラナハン一行はターゲットを捕捉し、ソリオは千六百メートル向こうの迷彩服の男を仕留めるが。相手は一枚上だった。逆に襲撃され、人質にとられてしまう。ブッチはフリオを電話に呼び出し、人質の命と交換に脱出用のヘリを要求する。
後半は、現場を知らない男の愚行が原因で山火事が起きる。ジョーは、急いで山を下りるアンダーウッドたちと別れて、ブッチを探すために、炎の迫る山にあえて残る。ジョーはブッチを見つけるが、山火事からどう逃れるかを考えねばならなかった。昔、シャイアン族が凶暴なポーニー族に追われ、切り立った絶壁の渓谷を渡った言い伝えがある。ジョーは以前、その跡をたどったことがあった。今はそれに賭けるしかなかった。
ジョーとブッチは手足纏いの二人を連れ、背後に迫りくるオレンジの炎を避けながら、サヴェッジ・ランを行く。この山火事からの脱出行が、ただならぬ迫力だ。まさに冒険サスペンス。ひとつ急場を乗り越えると更なる難関が待ち受けている。自分一人でも厄介なのに、山に不慣れな腹の出たマクラナハンまで連れて逃げなければならない。しかも、ずっと敵対してきた相手だ。それでも、最後まで命を守ろうと猟区管理官は最善を尽くす。
ようやく、渓谷の底を流れる川に降り、火傷を負った体を冷やす。ジョーは漂流物の中から丸太を掘り出し、今度はそれを舟代わりにして急流下りだ。左右に岩が突き出た激流を乗り切るため、右に左に舵を切る二人。息もつかせぬ急展開の連続。最後には誰も見たことのない大滝が待っていた。打ち身と切り傷だらけになりながらも、ジョーはこの川下りを満喫し、無事生還したら、いつか戻ってこよう、と思うのだった。
ミステリによくある汚れた裏街ではなく、山の美しさと怖さを描き切っているところがいい。環境を守る立場にありながら、法を悪用して私欲を満たす男がいる一方、命を賭して自分の仕事を完遂する男がいる。持つべきでない人間に権力を持たせることの愚かしさ、恐ろしさに改めて思い及び、エピグラフにある「悪の凡庸さ」が腑に落ちた。読者は、持てる知力と体力をフル活用して危機的状況を克服する主人公の活躍をたっぷりと堪能されたい。山岳小説好きとしては、シリーズの過去の作品を読みたくなった。作中ちらっと姿を見せる凶悪な印象の鷹匠ネイトが活躍するスピン・オフまであるというから楽しみだ。
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やはり銃社会なんだな、と思わせる初ボックス。
第1作のときから気にはなっていたので、過去作にも遡ってみたいレベルではある。
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2年ぶりの猟区管理官シリーズ新巻につい採点が甘くなるが、事情により出版元が講談社から創元社に変わったけど、この原著にしても2013年刊行ということでそもそも訳出に時間がかかっているようで…
未訳だったシリーズ第二作が講談社の電子版で昨年刊行されていたようで、本作のハイライトにもなる峡谷越えで繋がりがあるから、早く読まなくては。
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自然界の描写があまりに壮大すぎていたし、主人公の真っ当さと自然をないがしろにする自分本位の役人たちの葛藤に息苦しくなる展開だった。ヘリコプターからの映像が見えてくるような作品だった。
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アメリカのど田舎、ウィスコンシンの猟区管理官を主人公にしたシリーズ。ハヤカワ文庫から創元推理文庫に版元移してのこれはもう何作目だろう...かなり長寿のシリーズとなっている。アメリカの地方都市は州の独立性もあってか元気な街がまだ多い印象で今日的には環境問題や資源の問題など地方の方が新しい問題を物語に取り込みやすいのでは、と思うとそこにいち早く目をつけて活かしている作者はものすごく上手い作家だと改めて思った。本作品では環境保護局が悪役。日頃は密猟者を取り締まるのが主な仕事の主人公は管轄外のあらゆる事件に好むと好まざるとにかかわらず関わってしまう才能を持っているのだが、本作では環境保護局の捜査官を射殺し山中に逃げ込んだと思われる人物の知り合い、最終目撃者、山岳ガイド、として事件に巻き込まれる。なけなしの金でやっと手に入れた山中の土地の開発を環境保護局に理不尽に妨害され殺人に及んだと目された容疑者を厳しい自然の中で追うかなりスリリングな描写がとにかく見事。推理のストーリーも素晴らしくやはり上手い作家。まだまだ続く感じで次作以降もすごく楽しみ。素晴らしかった。
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全くノーマークだった、C・J・ボックスの「猟区管理官ジョー・ピケット」シリーズ。これまた、なんで今までアンテナに引っかかってこなかったのか不思議。俺のアンテナの感度ってまだまだ穴だらけやわぁと思う。
実に面白い。大自然の描写、官僚どもの小人物こすさぶり、田舎親父たちの骨太さ、主人公一家の家族愛…どれもこれもが実に読ませる書き方で、そういう細かい部分を丁寧に大切にしながら、物語の航路は時に大胆に舵取りする。
前半のジワジワくるストレス「あぁ、これアメリカカントリー版池井戸潤かなぁ」、と思いきや、タイトル曰くの発火点を迎えてからの疾走感。メリハリの利き方よ!
筋書き追うのにハンデにはならないけど、物語の過去がちょいちょい描写されるのが、たまらない。過去作絶対おいかけたい!2020年最終月になって、これからの読書に大きな柱をみつけてしまったようである。
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猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ、13作目。(電子書籍を別にすると12作目)
「鷹の王」に続く作品。
今作から版元が創元推理文庫に代わって、引き続き発行されてます。
ジョー・ピケットは広大なワイオミング州で、国立公園を管理する仕事を愛し、大自然に日夜触れている男。
一見ごく普通の善良な人物だが、小さな兆候も目に留め、どんな難題にも愚直なまでに対処し、逃げることなく突き進む。
その結果、豪放な知事には信頼されているが、与えられた車両は何度も大破、堅苦しい上司とは反りが合わない。
環境保護局から、裁定指令を持ってやってきた役人二人がいた。ジョーの知人のブッチの所へ。彼らはなぜか、武器を所持していた。
ところが、死体で発見され、ブッチは最有力容疑者に。
ブッチは工務店を営む寡黙な男で、ジョーの娘ルーシーの親友ハナの父親だった。
たまたまブッチに出会っていたジョーは、事態に不審を覚えます。
環境保護局のバティスタという癖のある人物が強硬策を取ろうと躍起となる。命令を受けた捜査官アンダーウッドは、慣れない乗馬用の馬に乗った部下らを従え、険しい山中に分け入るのだ。
ジョーはブッチの命を守ろうと同行することに。
一方、妻のメアリーベスは、かっては有名だったホテルを改築し再開発するという企画に乗りますが、そちらにも難題が起こります。
8月半ば、前作から1年近く経ち、1作目からは13年ほどになるそう。(シェリダン7歳だったもんね。)
ブッチに賞金が懸けられたと聞いた元保安官マクラナハンは案内人と銃の達人を連れて、ブッチの居所を探しに向かう。
ジョーの宿敵ともいうべき強欲なマクラナハンと、いい加減男の案内人、おまけに銃を撃ちたくて仕方がない男まで加わった大混乱。
そもそも環境保護局がブッチに押し付けてきた難題が非情過ぎて、先を読みたくなくなるほどなのだが。
いえ、どんどん意外な展開していきますからねえ~(笑)
事件は実際に起きた出来事を反映しているそう。
経過はもちろん一捻り二捻りしてあり、森林火災まで起きて、大自然の中での決死の脱出行となる大迫力。
家族が晒される苦悩には、胸苦しくなりますが。
善意の折れない強さ、互いを守ろうとする熱い思いが切ない。
レベルの高い作品が続くことにも感嘆します。
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誠実そうなジョー・ピケット。過去のシリーズを探してみよ。
それにしてもちょっと無茶苦茶な気もするが。
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講談社から創元推理文庫に出版社が変更となったが、シリーズ翻訳が続いてよかった!本国では出版されていても日本での出版が終わるケースが多いのでこれで一安心。
今回も実際にあった土地収用に関わる事件をベースとしているようだが、ストーリー展開は比較的単純。
しかし、そこはボックス作品だけに陰影のあるキャラが多彩に登場(登場人物一覧の多さに驚く)するだけでなく、お馴染みのメンバーも揃って後半になるほど加速のつくストーリー展開は見事。
いつもながら会話に味があり、ユーモラスな味付けもある一方で男同士の切ないまでの信頼関係、そして友情が胸を打つ。
講談社より電子出版しかされていない『逃亡の峡谷』を読んでおくとより一層楽しめるようだ。
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ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十二弾。
何かいかにも殺されそうな連邦の役人たちが出てきたなと思ったら、
あっという間に殺されてしまった。
次女の友達家族がその事件に巻き込まれる。
といっても、今回はジョーの家族が巻き込まれていないので、
落ち着いて読めた。
ファーカスは小狡くて全く持って「いい奴」ではないが、
こんなに何度も登場したせいか、
毎回ひどい目に遭うせいか、
ちょっと同情しても良い感じがして来た。
一方、元保安官が悪事を極めて、
とうとう死んでしまったのには、
このシリーズの一つの区切りを迎えた気がした。
山火事の中を逃した馬のトビーが無事で良かったし、
ジョーが急流下りを(ある意味)楽しめて良かった。
「オールドタウン」が出てきたのも。
最後にネイトが登場したのは個人的には嬉しかったが、
話の展開としてはどうだろう。
ネイトがいなくても、
ジョーだけで問題を解決できたような気がするのだが。
次回作への布石なのだろうが
ジョーは猟区保安官を辞めて、どうするのだろう。