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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
古典名作として有名な作品。
密室、不可能状況に対する謎解きと驚愕の犯人、その背後に隠された真相が合わさり、ミステリの醍醐味が味わえる。
続編という「黒衣夫人の香り」の新約もぜひ、やってほしい。
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新訳になったことをきっかけに何十年振りかで再読。犯人は記憶に残っていたが、メイントリックの細かな点は忘れていたし、機械的、物理的トリックではないので、再読でも結構楽しんで読めた。
百年以上前の作品であるが、新訳は文章もこなれており、古臭さを感じずに読むことができる。是非海外ミステリーのクラシックを若い読者に読んで欲しい。
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内側から施錠された完全な密室(黄色い部屋)で令嬢が襲われた。
あたりは血の海と化しているがその襲撃者は見当たらない。
この謎に挑むのは新聞記者ルルタビーユとパリ警察ラルサンの二人。
終盤で披露される「理性の正しい側面」による推理には感嘆するしかない。
読みやすい文章も○。
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黄色い部屋の密室、廊下の怪事件、銃で打った人間がナイフで刺されて死んでいた事件……ひとつひとつのトリック・説明はそこそこによかった。犯人がそこに至るまでの準備も推理を聞いたらある程度納得できる。
けれど、犯人の特別な身体能力と正体を前提したトリックの部分もあるので、読者に対しては不誠実な条件提示だった。特に犯人のもう一つの一面に関しては犯人の正体を明かした瞬間に初めて聞かされる名前なので「いや誰」とページをめくり直してしまった。見逃していたら私が悪いけれど恐らく一度も名前はなかったとおもう。犯人と被害者の背景を推理するのは、推理を披露されるまでは読者には困難なところが残念だった。
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古典密室小説の金字塔。確かに古さは感じたものの今読んでもかなり楽しめたと思う。フーダニットハウダニットも素晴らしい。当時もてはやされたのも理解できる。
探偵役のルルタビーユも魅力だった。しかし、解決編まで長かったし、法廷に立っても18:30まで引っ張るのは冗長に感じる。短気な僕はイライラした笑
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1907年の作品で密室ミステリの名作と評判の一冊。
緻密に練り込まれたトリック、物語の構成力、そしてキャラクターの色の濃さ、
どれをとっても時代を超えてワクワクとさせてくれる一冊でした。
その頃の推理小説がどのようなものだったのかを知らないが、あっと驚かせたのは間違いないだろう。
情報自体は全てが揃っている訳ではないものの、犯人を理論的に導き出す為の事柄は出揃っていたので、
謎解きを楽しめるようになっている作り。
古典ミステリといえど、素晴らしい作品はいつまでも素晴らしい。
ミステリの歴史をどんどん散策したい。
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いわずとしれた密室ものの古典。これだけ古めかしいと、かえって楽しめてしまう。
18歳の新聞記者ルルタビーユ。何とも大げさで、秘密主義で、まさに古き良き、輝かしい名探偵だ。ダブル探偵ものとしても面白い。ただ、密室トリックはやや無理があるか。消失トリックは、懐かしの金田一少年に引き継がれていった。
翻訳が読みやすい。
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本屋で見かけて衝動買い。密室ミステリーの古典的傑作との評判に納得。陳腐な印象を受けた読者もいたようだが、百年以上も前に書かれたことを考えたら、それも当然である。むしろ本作を参考にいろんなトリックを考えついた作家さんが現代では多いと考えた方が良いと感じた。
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密室トリックそのものより、人間の物語として面白く奥深い。人に隠しておきたい過去、現代も社会面を賑わす人間の煩悩、出生の秘密。
百年ほど前の家族の物語。最後に読者を「黒衣婦人の香り」を読みたくさせて終わる。
マイナス点
100ページほど読み進むとその本の世界に引き込まれる、のが良い本、、この本は、200ページ以上、我慢した。
更に、推理小説の先輩、エドガーアランポーとコナンドイルをけなして、更に彼らのトリックのネタばらしまで文中に書る。明らかに作家としてマナー違反。話の展開も稚拙な部分が随所にあり
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密室ミステリの古典、と言われる作品(らしい)
完全なる密室で襲われた令嬢、謎を追う新聞記者と警部。さらに起こる怪事件。
最終的に3つの不可能事件が鮮やかに解決されるラストは必読!!なるほどな!!これは納得!面白かったー!→
後出し感はありつつ、カーやクリスティーより前の作品と考えたらこれはすごい。そして、乱歩が高く評価したのもわかる(乱歩のアレはこれのオマージュ?)
一つ注意点は、作中前半でポーのモルグ街の殺人とドイルのまだらの紐のネタバレがされてます。上記2作品は先に読むのをおすすめします!
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密室ミステリーの古典的なお話。
ルールタビーユが犯人をなかなか言わないところにじらされてしまったが、それも、マチルダ嬢を守るため。紳士だと思った。
たまに古典ミステリーを読むのもおもしろい。
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たぶん中学生の頃から知っていた題名。図書室で背表紙や表紙を何度となく見ていたがやっと読んだ。1907年(明治40年)発表という大古典なのだが、2020年の新訳では、訳者が現在の読者にも読みやすいようにテンポのいい訳文をこころがけた、というだけあってけっこうなページだったが、すらすら読めた。
発見された時は密室だったが、殺人の行われた時はどうだったのか? ネタバレしてます? 先日読んだディクスン・カーの「夜歩く」も密室もので、謎解きは同じだった。でも密室で殺されかかった令嬢が死ななかったのでよかったなあ。父とともに化学の実験にいそしみ幾多の求婚もはねつけてきた35歳になろうとするマティルド。最後に、みごと謎解きをした、新聞記者の弱冠18歳のルルタビーユがちょいちょいと理由を述べる。ほー、人はみかけによらないし、部屋だけでなく、人間にも秘密はあるんだねえ、となり終幕。
ミステリーを読む時、トリックよりは人間関係や殺人の理由に興味がある。この点から言うと、やはり1907年時点の令嬢をとりまく世情だったかなあ、という時代感もする。が、最後に、新たな事実の提示も示され、解説によると、「黒衣婦人の香り」という続編があり、そこでは謎解きをしたルルビターユの出生の秘密を明らかにしているという。
マティルダ父子はフランスの城を買い、実験をするのに離れを作った。その実験室に隣り合う部屋が「黄色い部屋」と呼ばれる部屋。ゴッホの絵のような全部真っ黄色の部屋をイメージしていたのだがそうではなく、黄色い敷物があった、と文中にあった気がするのだが、あとでその箇所が見つからなかった。そうでしたよねえ?
1907発表 フランス
2020.6.30初版 図書館
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よくできているけれど、こんなにまでして秘密にしたいのかというところが納得感が薄い。100年も前の話だから、感じ方が違うのだろうけれど。
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古典ミステリを読もうと思う周期があり、ちょうど新訳しかもカバーデザインがクラフト・エヴィング商會なので買った。
翻訳ものは苦手で敬遠していたのですが、こちらはとても読みやすかったです。
まず勘違いしていたのが、黄色い部屋は何か犯罪後の異常な事態でそうなっていたのかと思っていたら壁紙が黄色い部屋のことだった。
密室の謎も物理というより心理によるもので、そこは確かになるほどなと思わなくはないが、少し拍子抜けでもある。
廊下の消失は、変装そんな凄いの⁉︎服装同じじゃない⁉︎あ、これオペラ座館のやつだ!(一番ダメな気付き)数十年越しにオペラ座だから同じ作者の作品からパクったと知りました…。
撃たれた死体と思ったらナイフで刺されてた事件は面白いと思ったが、真相はうん?となりました。
スタンガルソン嬢がなんでそんなに頑ななのかも不思議でした。
あの時代のとても暗い夜だからこそ、婚姻や男女関係に対する世間の見方だからこそ、警察の科学捜査が発展する前ならではの事件でした。
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古典らしい古典、良いところも悪いところも現代の視点からすれば同じように古家具のような輝きと匂いを放っている。それを好むかどうかは読み手次第だろう。
新聞連載ゆえに必要以上の引き伸ばしはあるが豊かなキャラクターと適度な冒険によって物語が保たれている。犯人が探偵の宿敵的ポジションにあり、変装の達人であるところや、常に助手をけむに巻く探偵などからは二十面相や明智小五郎を連想させられる。江戸川乱歩が今作を高く評価しているのも頷ける。