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秋月藩(福岡)の女性放浪詩人・原采頻(はら さいひん)をモデルにした本作。江戸時代の話だが、自由奔放に生きる傑物は時代に関係なく世に現れるものだ。儒学者の娘で父と遊歴の旅を重ね、父亡き後は単身江戸へ赴き、漢詩人となった女性。大柄の美人で豪放磊落、大酒のみ、剣を使い、時には男装で闊歩した。まるで漫画のような世界を地で行ってたなんて驚く。
秋月黒田家お家騒動の内幕を背景に、采頻を”みち”と云う名前で登場させ歴史小説に仕立てる巧みな術! 小説を読まなければ原采頻を知ることはなかっただろう。
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読むのに、少し時間がかかってしまった本である。
原采蘋(みち)という女流漢詩人という実在の人物が、主人公として登場する。
「采蘋の 女だてらに 立ち小便」の川柳まで残っているのだから、とても、普通の女性ではなかったであろう。
先日、今井絵美子氏の「すこくろ幽斎」シリーズを読んだところなのだが、その中で、養護院の子供達が、描かれている。
親に死に別れたりして、それも非情な事態で、みなしごになった子供達が、描かれているのだが、・・・・
ここでは、家柄も良く、頭脳もそして容姿端麗なる女性が、主君のお家騒動で、身を男にして、奮闘する姿が描かれている。
何が、本当に、幸せなのか?と、思ってしまう。
そして、みちの母にしても、古処と白圭という稀代な才人が居たにも関わらず、先に逝かれ、今、又一人娘のみちを密命を持ち、旅へと送る気持ちは、どうであったのだろうか?
みちも、密命も果たしたのち、学問で、身を立てる事に・・・
この時代、女が、旅に、それも一人旅、そして、密命を持ちながら、江戸という遠い場所へ それも、身を女を隠して、男姿で、行かねばならななったみちは、悔いはなかったのだろうか?
幸せとは、何なんだろうか?と、何度も考えさせらる本であった。
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命を掛けて京から江戸へ共に旅をする中で育まれる友情と信頼。そして恋心。
江戸についてからは展開がドタバタと早く、事が上手く運びすぎたり、道中、みちが女子とバレない設定は違和感あり。
協力と裏切りの忍びも、最後は手助けして去っていくのは良かった。
長編ながら読みやすい作品。
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史実をもとにお家騒動の顛末を作品に仕立て上げた諸田さんあっぱれです。
原みちさんが実在の人物なだけに、ほんとにあった事だと思ってしまいました。女が不自由に生きていた江戸時代に、こんな才知あふれた女性がいたとは・・・不自由ななかにも頑張っている女性はたくさんいたと思うので、もっとこんな女性に光を当ててほしいなあ。
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実在の女流漢詩人 原采蘋の日誌の空白期間の事件です。秋月黒田家のお家騒動。そして恋人の田中藩士の石上玖左衛門も実在です。大柄で大酒飲みで剣も強く、男装もしていた!
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頭の中は、宝塚モードになってしまいました。
天海祐希さんだったら、あるかもよー。
などと脳内画像総天然色で楽しく読みました
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漢詩人原采蘋の半生と秋月黒田家のお家騒動をうまく重ねて調理し、時代劇として極上のエンターテインメントに仕上がっている。男装の麗人というだけでも楽しいのに周りの敵味方含めて多彩で謎めいて、ハラハラしどうしの一気読み。