投稿元:
レビューを見る
「わかりやすさの弊害」「わかりやすさへの違和感」を「わかりやすく」提示してくれている。自分の頭でつらつら考えるのって大事だよね、そして結論は出なくてもいいよね、複雑さをそのまま受け入れよう、というのを「わかりやすく」言語化してくれたと思う。
自分も「わかりやすさ」ばかり追求される風潮についてもやもやした違和感をもっていたように思うけど、具体例を挙げつつ他者にもわかる形でこんなふうに言語化することはできていなかった。
ただ、やっぱり人と人とのやり取りの上では「相手にわかるように」伝えることは大事で、「なんかわかんないけど違うよね!!!」では議論が始まらず、「どうして違うのか」を議論するために言語化できなければコミュニケーションは生まれないと思う。
「言葉にできなければ考えていないのと同じ」というのは違うと思うけど、言葉を尽くして相手にわかるように伝えることは、コミュニケーション上必要で、相手に伝えてわかってもらうことで、その相手からの反応が作用して、考えが発展していく。
この本が警鐘をならしているのは、「わかりやすさ」というより「(雑な)単純化」だと思う。
ライターの適性ってなんだろうということも読みながら考えた。書く題材について何か専門があるかと言ったらない、というのがはじめ自分には不思議だったけれども、いろんなところにアンテナを張って、様々な事情について、一定の人がもやもやしている事象をわかりやすく言語化できる、というのがライターなんだろうととりあえず考えた。
投稿元:
レビューを見る
賛成?反対?、白?黒?
分かりやすい選択肢を用意して問いを立てる。
本当は2つの間に限りない思索の余地があるというのに。
実は他にも選択肢があるやも知れないのに。
そもそも選択できるものではないかも知れないのに。
とかく即決、即レスが尊ばれる風潮が強い今。
もっともっとこねくり回して、横から見て、離れて眺めて、ぐるぐる思考した方が良いのでは。
足りなかった考え方に気づかせてもらった。
投稿元:
レビューを見る
好きな作者の本だが中ほどまでで投げ出したくなった。
軽くわかりたかったのだろう。情けない。
「17 深いって何だろう」にたどり着いて頑張ってよかったと思った。自分も池上彰には胡散臭さを感じていたが、そうだったのか、彼は自分の考えを表明せずにあれこれと物知りぶりを発揮しているだけか。好かん。
投稿元:
レビューを見る
仕事がら、わかりやすさを意識することが多い。
そんな中で読めてよかった一冊。
わかりやすくないところに価値があったかもしれないことを、わかりやすいかそうでないかという物差しで見ることで見失っていたものはなかったか。
投稿元:
レビューを見る
物事が簡略化され、なぜそう思ったのかを常に発信しなければ行けない世界。
人にわかりやすく理解してもらうには、そこに自分の意見を挟まず、事実をわかりやすく伝える必要がある。しかし、そればかり続けてしまうと自分の意見がなくなってしまう。自分はこう思うという意思を大切にしたい。
また、本の要約サービスが例に挙げられていたが、たしかにどういった本か手っ取り早く理解するにはいいかもしれない。ただ、人それぞれ大事と思うと箇所は違うと思うし、気づきを得られる部分って必ずしも本の要約(核の部分)とは限らない。
本を読んでいてひらめきだったり、気付きだったりそういった瞬間がとても楽しいので、私はしっかりと一冊読みたいと思う。
理解できないのは怖い。複雑なものを避け、簡略されたわかりやすいものにすがりついてしまう。複雑なもの対してどういうことだろうと理解できないなりに考える事が大事なのではと思った。
世の中のわかりやすいものにすがらず、自分でしっかりと疑う、考える力をつけていきたい。
投稿元:
レビューを見る
この考え方に同感。
とはいえ、著者の文章はとても難しい。けど、さらりと読んで抜けていく文章に比べて、何度も読み返す。けど、結局理解不能なことも多い。
著者の語り口はとても分かりやすいのに、文章はわかりにくい(笑)
でも気になる人なのだ。
投稿元:
レビューを見る
要約を書くことはこの本の論旨にそぐわないので、書かない。そもそも星をつけるのもいいのかわからない。
この本はひたすら同じことを色んなエピソードで書いてる。同じところを回ってる。でも完全な輪っかに見えて螺旋状。螺旋といってもわずかなズレ。思考ってそれくらいでいいんじゃないか、昇る必要なんてないやと思わせてくれる。
最近の社会問題のアレコレに対して「人間を舐めるな」って一貫した怒りを持ってたけど、それはわかりやすさ追求の最中に生まれる雑さのことなんだなって自分の中で納得した。人間に対しての雑さには抵抗したい。
あと、田崎英明教授が授業中に言ってた「トロッコ問題の前に国民を立たせないことが政治の仕事」って言葉が私の中で響いてるけど、共通するものがあった。ほとんどの人が絶望的な2択の前(もしかしたら1択かも)に立たされてる。その問題から国民を救うのが政治なのに、今の政治は自らその問題を投げかける謎のムーブをしてる。線路上の5人を救うためにハンドルを回すというパフォーマンスがわかりやすいからだ。本当は2択なんかじゃないし、1人も死んじゃダメなんだ。
投稿元:
レビューを見る
武田砂鉄さんはここ1年くらい発言をラジオで耳にする機会があり、好んで聞いている。
発言に共感できる部分が多い。
さて本の内容だが、著者も本文の中で書いているが、わかりにくい本だ。
今の世の中はわかりやすいことが良しとされる。
わかりやすい文章、わかりやすい物言い、わかりやすい放送。
何でもそうだ。
そんな世の中の流れにこの本は疑問を投げかける。
わかりやすさのためにテロップまみれにされるテレビ番組。
個人的には最近の野球中継は、表示される情報が多くて、情報を見ているのか野球を見ているのかよくわからないと感じる。
文中で、新しい波に素早く名前をつける選手権という見出しがある。
いわばキャッチーで、ついそういう表現には、誰もが思わず飛びついてしまうんだろうが、見習おうとは思わないとしている。
この本の終盤は、去年行われた愛知トリエンナーレの話題になる。
自分の感情が全て一般的な感情でもあるかのように振る舞う著名人の振る舞いを書いている。
別の見方があるのではという考えが全くない、声の大きいだけの人が幅を利かせる世界。
そこは自分もそうならないようにと気をつけているが、そこに注意を払わない人の方が自由に生きられる世の中には憤りを感じる。
とにかく分かりやすいことが全ていいことではなく、分かりにくいものを解きほぐしていくことこそがむしろ重要だという視点。大事にしていきたい。
投稿元:
レビューを見る
わかりやすさとは、雑多な意見を認めないことで生まれるんだな
しかし今の世の中は、わかりやすい意見ばかり持て囃されていて、そこに情はないのだ
読んで良かった(特に後半)
DylanのMy back pagesみたいだ。白か黒かは割り切れないし、わかりにくいし笑
投稿元:
レビューを見る
「4回泣けます」という映画の宣伝文句に対して、泣いてたまるか!と。私もこういう精神で生きていこうと思った。
家にある解説本は今すぐ捨て、オリジナルを通読して自分の頭で思考していこう。時間がかかるだろう。そのために長生きしよう。
投稿元:
レビューを見る
著者が最後に書いていたように、わだかまりが残った。
改めて、仕事だと本書に反してわかりやすい方がいいし、家族や友人などは目的がなくてもいいと感じた。学校などのコミュニティは微妙かもしれない。
物事を斜めに見たい人にはいいかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
池上彰氏の書籍の読後に読んでみた。効果大である。前者あっという間に読めたが、あまり頭に残ってない。本書は面白いが読了に時間はかかる。なぜか。まどろっこしい文体があるからだが。ただ古典よりは読みやすい。本書を読んで、帚木蓬生氏の「ネガティブ・ケイパビリティ」を思い出した。世の中、わからないことばかりだが、ウイズ・コロナの時代というのは、先が余計にわからない。わからないから考える。いろいろな人の意見を聞く、可能性を考えながら、動いていく。今の時代に必要なのだが、時代は先に進もうとするものの足を引っ張るものである。この中で、また考え続けるしかないのだろう。
投稿元:
レビューを見る
日頃心の中で思っていたことを言葉にしてもらったような本。連載の書籍化なので全体でまとまった作品にはなっていないが、仰りたいことはヒシヒシと伝わってきた(勿論理解したなんてこれっぽっちも思ってません)。然しこんなことを論じなければならないような程度の低さが当たり前になっている社会に恐怖は感じるなあ。
投稿元:
レビューを見る
商業主義と思想の葛藤、その日常。物書きの思考はどんどん深くなるが、それと同程度の編集者も読者も世間もない。。。そのためのスレ違い。。
投稿元:
レビューを見る
なんでもかんでもわかりやすくしてしまうことが、人から考える力を奪ってしまう。与えられた情報を疑うところから始めなければ。