投稿元:
レビューを見る
觀察の達人、清水義範が描いた、年寄の諸相。
年をとると云ふことが如何なる事なのかを面白く描いてゐる。
私も既に40台。
まだ年寄ではないが、年寄とは幾つぐらゐからなのだらう。
自分では年寄ではないと思つてゐても、周圍の人間が年寄だと認識すればやはり年寄になつてしまふのだらうか?
そんなこんなをいろいろと考へさせられた。
「八十年間世界一周」。
この題名はもちろんベルヌの「八十日間世界一周」からのパクリであるが、これを讀んでゐて、北杜夫のお母樣、齋藤輝子さんを思ひだして、こんな年寄になりたいものだなあと思つた。
2003年10月10日讀了
投稿元:
レビューを見る
お年寄りをテーマにした短編集。
引退後ますます元気な老人から長い人生を懐かしむ老人まで様々な老人が描かれているが、どの老人もどこか寂しくもほのぼのとしていて面白かった。
投稿元:
レビューを見る
本当にどこにでもいるおじいちゃんおばあちゃんの話。笑えることも、事件も、泣けることも起こらない老人の日常が綴られている。視点を変えたらこうなるのか。と感心したこともあったけど、ほとんどが本当に日常を流しているだけ。
投稿元:
レビューを見る
読書録「日本ジジババ列伝」3
著者 清水義範
出版 講談社
P305より引用
“なぜ私が老人を書くのかというと、私は老人がうらやましいか
らである。なぜうらやましいかというと、老人になるまで生きら
れたからである。”
小説家でエッセイストである著者による、老人たちの穏やかな
日常と、それまでの人生の一部を描いた短編小説集。
兄弟げんかの話から一人暮らしの話まで、楽しみながらも切な
い日々が淡々と書かれています。
上記の引用は、あとがきでの一文。
初の刊行は他社で1997年、その当時に老人ということは、戦中戦
後を過ごした方たちなので、この一文は非常に重い想いが込めら
れているのではないでしょうか。
年をとっての面白いことと、つまらない事が色々と書かれてい
るので、自分が将来どのような老人になるかの指針としても、面
白い一冊かもしれません。しかし、将来よりも今をシッカリ生き
るほうが、大切だとは思います。
ーーーーー