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3.5点
なんともない話だった。つまらなくはない。人も亡くなるから適切ではないけど、ほっこりする気持ちにもなる。
未名子、順さん、途さん、カンベ主任、宇宙空間のヴァンダ、南極深海のポーラ、戦争ど真ん中シェルターのギバノ、宮古馬のヒコーキ、『にくじゃが』、『まよう』、『からし』
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未名子、激戦地沖縄、台風、民族学者の老女順さんと『沖縄及島嶼資料館』、『カンベ主任』とサンライズ・ヘルス・サイエンスシステム、問読者、ヴァンダ、ギバノ、ポーラ、宮古馬「ヒコーキ」、「様子のおかしいことをしっかり受け止め恐れない人」、「長生きして守る。記録された情報はいつしか命を守るかもしれない」。
生き続けるに値する程度にはささやかな驚異に溢れているという著書の思いは読みとるには至らなかった。
過去2回の芥川賞候補作と対比して読んでみるのもいいかも。
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今年のコロナ禍の中、夏休みに北海道札幌に旅行を行い
札幌の丸善でこの本を購入。
11月の連休にGOTOをつかって沖縄に旅行
その際にちょうど読んでいて・・・
ちょっとした用があって、首里や湊川の当たりを
散策したのもあり。。
ちょっと難解な内容でしたが。
なんとなく情景が浮かび、心に残りました。
不肖の息子(自慢の息子)が将来博物館の
仕事がしたいと大学で学んでいることも
踏まえて、ちょっと心に残る作品でした。
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第163回芥川賞受賞作。発想がユニークであり、古い資料館のデータベース作業や不条理なクイズ、ゲーム。そこに登場する宮古馬の「ヒコーキ」との出会い。なかなか体験できない芥川賞受賞作。
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ひたすら事実のかけらを集めることで、人と上手く繋がれない人が繋がろうとする人がいてもおかしくないかも。
世界の向こう側に隔離された孤独な人と繋がるネット上の仕事も今の時代ならあってもおかしくないかも。
台風の多い沖縄なら野生の馬が、民家に迷い込んでいてもおかしくないのかも。
と思いつつ気づいたら読み終わっていた。
情報、歴史、孤独、リベラルアーツ
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中学生のころkら沖縄の郷土資料館の資料整理を
手伝う未名子は、世界の果ての遠く隔たった
場所にいる人たちにオンライン通話でクイズを
出題するオペレーター。ある台風の夜、庭に
迷い込んできたのは…。
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物語の前半、人付き合いが苦手で孤独と閉塞感を抱えた未名子が『沖縄及島嶼資料館』で資料の整理をし、ネットを通じてクイズを出す『問読者』の仕事をする姿が淡々と描かれている。
クイズの回答者も、それぞれの事情により閉塞された空間で孤独を抱えている。(その事情は後半に明かされるのだが)
ある台風の日に、庭に馬が迷い込んだことで未名子の気持ちが動き出す。
その馬は『宮古馬』
よる琉球競馬は、失われた琉球の文化であり、その衰退は琉球の歴史そのものだ。
沖縄の文化は細切れだという。頻繁に襲う台風により、琉球処分により、沖縄県の爆弾により破壊され続けた。
沖縄の文化の記録を残さなければと未名子は思う。その思いが未名子の背中を強く押したのだろう。
『首里の馬』執筆中に首里城炎上の惨事が起きたそうだ。(このことは、物語では触れていないが)
「景色が大きく変わってしまって、元の状態がわからなくなったときに、この情報がみんなの指針になるかもしれない。この資料が誰かの困難を救うかもしれない」の文には、首里城の惨事を彷彿とさせる。
記録を残すことで未来の誰かと繋がる。そんな繋がりもあることに未名子は思い至る。
抱えていた孤独と閉塞感から解放されていくラストがあたたかい。
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人づきあいの苦手な主人公は
けして一般的な意味での幸福な人生を送ってきたわけではないが
それでも郷土(沖縄)を愛する心のようなものは持っていた
それは、不登校の自分を受け入れてくれたのが
近所にある郷土資料館だけ、という事情からくるものである
必ずしも他人と共有できる感情は伴わない
当然、政治的になることもないだろう
例えば彼女は、自らの不遇さを歴史に結びつけることはしないし
また歴史が闇に埋もれていくことを恐れたりもしない
せいぜい、肉じゃがに豚を入れるか牛を入れるか
芥子といってペーストを出すか菜っ葉を出すか
といった程度の悩みがあるぐらいだ
そういう共感性の低さは
むしろバランス感覚と呼ぶべきものである
しかしひょっとするとそれが
同級生から変人扱いされる原因にはなったかもしれない
面倒なことに
どっちつかずが他人を不安にさせることはある
で、これはそんな彼女が
奇妙な仕事を通じての体験を得たり
また一頭の馬と出会ったりすることで
生きていくことの恐怖を克服していく話なんである
将来の展望はあまり見えないけど
この馬が、いい男との出会いのきっかけにでもなってくれたら
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タイトルから沖縄をテーマにした小説だとわかるが、沖縄のとある建物の持ち主の変遷から物語が始まり、中盤過ぎまで何を訴求したいのか不透明なまま進行する。
主人公の未名子は、判でおしたような決まり切った生活を続けていく過程で、あるきっかけから特異な仕事につく。ネットを通したクイズの仕事、出題者として回答者と対面で向き合う。謎めいた設定のもと、回答者の素性が次第に明らかにされるが、主人公と同じような孤独な環境に甘んじている人々。作品全体が奇妙な感覚の浮遊感に包まれ、結末への不透明感が高まる。
そんな中、台風一過とともに突然庭に出現した馬との出会い。主人公の抱える閉塞感に変化をもたらし、新たな生き方への希望が見えてくる。沖縄が被った悲惨な歴史の残滓が暗黙知として浮き彫りになると同時に、過去の歴史を未来に継承する思いが込められている。
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第163回芥川賞受賞作品。
沖縄県のとある資料館。
世界の繋がりがクイズ。
突然家に現れた宮古馬。
その馬に名付けたヒコーキという名前。
クイズの解答者3人に残した謎の3語。
「にくじゃが」 「まよう」「からし」
未名子が記録した資料館の情報。
骨、SDカード。
考えても迷宮入りする
どういう意味なんだろう…
忘れ去られてしまう記録は全く役に立たないものもあるだろうが、ふとしたときに役に立つものもあるだろう。
過去の情報を未名子は集め続ける。
順さんも資料館も過去のものになっても。
この話は孤独な人たちの集まりであり、確かに宮古馬が孤独の象徴だったなぁ(文藝春秋にて吉田修一さんの選評を読んで)。
なんだか、この文章の雰囲気、
村上春樹に似ている気がした。
難解だけど、それが読んでいて心地よいというか別世界に連れて行かれるような浮遊感を覚える。
いろんな方々の解釈を読んで謎を解いていこうと思う。
読めば読むほど深みが出そう。
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孤独というのではないが閉じられたような世界の中で繋がりを求める人たちの,息遣いを楽しむような人間関係のあわいを描いたような物語.その中で語られるクイズの解答者の人生がまた興味深い.物語も文章もとても好きです.
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不思議な内容の小説ではあるが、沖縄の歴史がそこかしこに感じられ、今、芥川賞を受賞したことがいみのあることのような気がする。
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未名子(みなこ)は、沖縄県浦添市の港川外人住宅街にある資料館で資料整理をしながら、定められた時間、遠方にいる登録された解答者にクイズを読み、答えさせる仕事をしている。孤独な生活を送っている。資料館では研究者の順(より)さんとその娘の途(みち)さんがいる。誰の助けにもならず孤独に生きている。また、クイズを出す仕事のお客さんであるヴァンダとポーラとギバノは客観的には幸せな国の国民だったり良家の家柄だったりするのだが、中身は孤独である。そして知識をためようとしているのも共通点だ。
ある日、未名子の庭先に1頭の宮古馬(ナーター)が迷い込んだ。その馬(ヒコーキという名前を付けた)は、一時的に動物園で保護されるが、未名子がこっそりと連れ出してしまった。ガマ(洞窟)に馬を放したが、結局、未名子が飼うような形となった。この馬が意味するものは何だろう。孤独の象徴か。でも未名子とはよい関係を保っている。依存関係にもない。
馬に乗る未名子は孤独をうまくコントロールする姿なのだろうか。ギバノらの知識で馬を連れ出し、乗れるようになったことは、知識は孤独を解消するということだろうか。沖縄の悲哀が形になったのが馬のヒコーキという存在なのだろうか。孤独の中にあるつながりを表現しているのだろうか。
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破局を読んだ直後だったので、面白くなかったらすぐやめようと思っていたのにあっという間に読み進めていた。タイトル通り舞台は沖縄の一地区だけどグローバルどころかもっと広がる。馬との関わりをもう少し読みたかった。でもウェブカメラのくだりなんかはワクワクさせられた。
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浅い読み方しかできていないと思いつつ、全体的にいろんな要素が散りばめられ、それらがいまいち纏まることなく終わってしまった気がする。
もう少し要素を削いでわかりやすくしたほうが良かった。