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老職人サジが営む洋菓子店からお菓子を万引きしたトルリ。
幼い頃からトルリをよく知るサジは許せなくて、必死にトルリを追い詰める。
廃墟となった団地の給水塔で、流星群が降る夜に二人きりで過ごした一夜の物語。
「何かを失った人は、何かをきっと得る。時間がかかるけどな、星が約束しとうわ」
サジの言葉。
きっとたくさんのものを失い、辛い経験をしてきたサジだからこそ言える重みのある言葉。
星2・5
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一言で言えば「小学生の男の子の成長物語」なんですけど、この主人公の境遇というのがなかなか哀れすぎて感情移入を妨げます。もうちょっと軽く描かれていれば、課題図書も夢じゃなかっただろうに。
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数年前に朝日新聞の人生相談の明川さんの回答を読んで面白いなー・・・
と思って、それ以来、そのコーナーを見逃さないようにしてたんだけど、
今回はその明川さんの本です。
家にも学校にも居場所を見つけられないトルリという少年と、
サジという名の洋菓子店を営んでいる職人の話。
トルリは幼い頃から、そのサジとは知り合いなんだけど、最近、サジの洋菓子店から
お菓子をちょくちょく万引きしてる。
サジは、ちょっと問題を起こして以来お店のお客さんが減り、
最近では傾きかけた洋菓子店で、それでもお菓子作りに励んでいる。
そんな中、ひょんなことから、二人は給水塔に登り降りれなくなってしまう。
大人の為の童話のような、懐かしい温かいストーリーです。
ちょっとしたことで、人間って理解し合えるし、
人間の気持ちって硬く固まっていても、柔らかくなれるんだよ。
って言われたような気がします。
中学生くらいから大人まで、サラサラ〜 と読めて心があったかくなる
そんな本です。
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TETSUYAの書く本、初めて読んだ。
本というより、絵本,,,というより、彼の頭の中の断片にすぎないと思う。
彼は長い文章を書かない方がいいんじゃないかと思う。
限られた枠に言葉を選んで表現するスタイルが似合う気がする。
この話の中で一番輝いてた文章「星がひとつ降るやろうー」のところ。
すごく純粋できれいな文章だったのに、
本の帯に使われていてショックw
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居場所の無いトルリは洋菓子店サジの店で万引きをして逃げ,追いかけたサジとともに古い給水塔の上で二人降りれなくなる.流星の降る寒い夜,二人の間に何かが通い,新しく何かが生まれる.一歩間違えば死ぬところだが,結果的には再生の物語である.
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老人サジの店からお菓子を万引きした少年トルリは、サジから逃げるために登った給水塔の屋上でサジと2人きりになってしまう。そしてそこで一夜を明かすことに。サジの悲しみに心が痛くなるけど、ハッピーエンドにほっとした。金平糖の話が好き。
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二人の言葉のやりとりが心地よく、読んでいて楽しめたが、結末が曖昧な感じで、その後の展開が気になった。
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副題;六甲山の軌跡
どこかで良い書評を見て、amazonのレビューも絶賛だったので読むことにしました。
明川哲也さん、初見の作家さんだと思っていたらドリアン助川さんの別名義でした。
疎外感から万引きに走った少年と、幼い頃から少年を知る老洋菓子職人(パティシエという言葉は使いません)の一夜を描いた、何かを得て何かを失った大人たちと、何かを失って何かを得た子供の物語。
少年と老人という組み合わせの為に漂うジュブナイル感と、「良い話」にありがちな既視感もあり絶賛とまでは行きませんが、心温まる良い話でした。
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今年はドリアン助川さんの本を沢山読もうと決めている。明川哲也の名で出版されている物も含めると、自分が知らなかっただけで、割と沢山書かれていた。暫くは、「面白かったけど、読まなくてもよかったなぁ」と後で思うような本になるべく手を出さないようにしようと思っている。いろいろで行き詰まっているせいで、何か好転する糸口を本から得たいのだと思う。ただ歳をとっただけかもしれないけれど、時の有限性も無意識に感じるようになった。だから今は、期間限定で、本当に好きだ、本当に良い本だ、と思えるような本を、今までより少し慎重になって、次に読む本に選ぼうと思う。
この本、割と短く、中学生くらいから読めそうだ。一方で、ちょっと中学生にはハードすぎるかなぁという懸念もある。人間や人生の厳しさがダイレクトに伝わってくるのだ。私はドリアン助川さんの小説のそこが好きで、一冊丸ごと一度に読み切りたくなるような勢いは特に好きなところだ。内容はそうロックじゃないけど、勢いがロックなのだ。でもそこが、あまり児童には向いているようには思えず、読んで欲しいけれど、あまり薦められない気もする。でも、読んで欲しい。
○『何かを得て、何かを失った
世界中の大人たちと
何かを失って、何かを得ようとしている
世界中の少年たちに。』
初めに書かれているこの一文が、この本をよく語っている。
菓子職人の老人サジと、家や学校に居場所がなく、疎外感を感じている少年トルリの物語。少年ならではの短絡的な物事の捉え方と、戦争を含め数々の体験をしてきた老人の世界観で語られる話が交わる。人の心とは、世の中とは…というようなことが、頭でではなく、心で感じ取って考えている感じにさせられる。
読んで良かったと思える本だった。