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なんなんだろう、この人のよさは。現代の短篇小説家のトップに位置するうちの1人、と言って決して過言ではないはず。
『初心』『従妹のジェイミー』『帽子の手品』が特に◎。しんみりじんわりというよりも、仄かなユーモアが漂ってきながらちょっと皮肉が浮かび上がってくるようなものが好きだな。
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この短編集の雰囲気を豊かさを、わたしの語彙力では表現むり。10篇のうち特に好みな「お城四号」「蜜のように甘く」は萩尾望都、山岸凉子、ヤマシタトモコ、よしながふみのみなさんがマンガ化してくれてほしい切望で、つまりそういう深さ美しさのお話なんです。
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ニューヨークタイムズ、ロンドンタイムズ紙絶賛の短編小説家!?という触れ込みを見て読んでみた。
確かに、ハマる人はハマりそう。
しかし私はハマりたくてもハマれなかった。
文化がよくわからない!
その言葉一つの裏側にある深い意味を読み取ることができなくてやきもきした。
登場人物の名前に馴染みがなさすぎて男の人なのか女の人なのかどういう雰囲気の人なのか想像できなくて苦労する、というのは序の口。土地の名前もピンとこない。
たとえば。
同じ海岸の話でも、
香川の海なのか
神奈川の海なのか
新潟の海なのかでは
私たち日本人のイメージするものは
だいぶ異なると思うのだが、
もし地名に馴染みのない人が読んだら
伝わる雰囲気も半減するだろう。
そういうことが多すぎた。
私がアメリカ人だったらきっと好きになっていた作家さんだと思う。訳はとても読みやすかったし、注釈もついていた。たまに心に刺さる文章もあった。けれど、自分の理解力不足で十分に楽しめていない感じがとても残念に思えた。
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必要最小限の簡潔な文章が心地よい。
無駄を削ぎ落とされすぎて
登場人物たちのつながりや背景がつかめず
まれに戸惑うものの
読みすすめるうちにそれらを
より明確に深く濃く感じることになる。
あえて書かないことの奥深さ。
読む人にゆだねる潔さ。
大きな出来事は何も起きず
この不幸ではないものの
何かが足りないような
光とともに影がずっと漂っている状態こそ
日常というものなのかもしれない。
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日常のさり気ない描写から現れる、人間の心の機微が、最初は何とも思わなくても、もう一度読んだときに、愕然としてしまうような、物語の変貌ぶりが印象に残りました。
また、物事の見つめ方がニュートラルである分、読者それぞれの感じ方で入りやすかったのと同時に、見えない裏の部分を解釈させる難しさも感じ、短篇の内容によって、私の好みも分かれました。
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表紙は御本人?いつものように予備知識なく手に取り、なんかヨーロッパっぽいのかなー、と思ったらプロビデンスの人だって。アメリカの超北東。しまった短編(苦手)だよ。これがいい短編だった。沢山この人の書く物読みたいと思わせるし、上手い。皆さん褒めてらっしゃるけど、もうね、嫌いな人はいないだろう。強烈な個性っていうんじゃないんだけど、なんかさ、ぼーっとお茶してる時に、誰か入店してきて、なんとも言えず素敵な人っているじゃん?余裕あって、こっちがジロジロ見てんのに気にしない人。そういう感じがした。うーん駄目な感想。
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作者は短編小説の名手としてアメリカでは有名らしいが、不勉強で未知、初めて読んでみた。
短編小説ってのは、無駄を省いて研ぎ澄ませるかみたいなとこも勘所だと思うのだが、この作家さんはその研ぎ澄まし方に味わいがあるタイプなのかと思う。訳者古屋さんの腕もあってそのすっきり研がれた文章はくどみがなくて気持ちよい。
残念ながら感情移入できるタイプの話が少なく、印象に残りずらかったが、そこは好みの問題だけだと思う。