投稿元:
レビューを見る
レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。
この本は、フジテレビ系列の5月31日の特番「池上彰緊急スペシャル!~世界を変えた新型コロナ・未来を生き抜く私たちの問いへ」の内容を基にその経緯を追加してまとめたものだそうです。
2020年8月15日初版です。
ニュースなどをよく御覧になられていらっしゃる方はすでにご存知のことも多いかと思いますが、要点と思われるところをまとめました。
コロナ関係の本は結構読んできましたが、この本は抗ウィルス薬やワクチンの製造などについての記述に詳しいと思いました。
この本のタイトルであるところの『コロナウイルスの終息とは撲滅ではなく共存』の意味するところは深いと思いました。
●ステイホームで緊急事態を乗り切る。
5月半ばには39県で「緊急事態宣言」解除。25日に全都道府県解除完了。日本では感染爆発が起きる前に抑え込み成功。
●中国武漢での隠ぺいが初動を遅らせた大きな要因として批判を受けている。
●世界が感染拡大の対応に追われる中、封じ込めに成功し、初動対応の成功例として世界に注目されているのが台湾。(7月5日時点で感染者449人、うち死者7人)
●人類がウイルスに対して手にした二つの武器、抗ウイルス薬とワクチン。
●ウイルスは自分では増殖できない。
ウイルスは細菌と比べると、まず大きさが違う。細菌の方が大きく、ごく大雑把にウイルスの10倍から100倍。
●細菌は生き物の定義に当てはまるが、ウイルスは細胞そのものがなく、自ら増殖することもしない。生き物ではない。
●「レムデジビル」は新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬として国内で初めて承認された。
●レムデシビルの投与方法は点滴。アビガンは錠剤による経口投与。
●新型コロナに打ち勝つために人類が手にしているもう一つの武器がワクチン。ワクチンは通常、開発を始めてから完成に至るまで長い年月がかかる。(平均10年から15年)しかし、新型コロナウイルスに対しては現在世界各国が驚異的なスピードでワクチン開発を進めている。
●ワクチン開発においては、有効性に加えて開発スピードが重視されますが、安全性も大事な要素。急ぎすぎて副作用が見過ごされたら使用できなくなる。スピードと安全の兼ね合いが難しい。
●スペイン風邪についてWHOのリポートは「第2波は死亡率が10倍に増加したという特徴の爆発的アウトブレイクが見られた」と報告している。
●今回の新型コロナウイルスは、毒性が強くなるか弱くなるか、どちらに向かうか今のところわからない。小さな変異だけにとどまるかもしれないし、強毒化するかもしれない。あるいは害を与えなくなる方に変異するかもしれない。しかしこれは人間の力では決められない。
●ワクチンを最初に受け取ることができるのは、国内に製造設備がある国である。→自国民のために国内生産ができる体制を作っておくことが不可欠。
●日本にとって最も怖いのは「第1波で影響を受けなかった年齢層および地域は、第2波に脆弱である可能性がある」こと。