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投稿者:J.J. - この投稿者のレビュー一覧を見る
30年前に逮捕し服役中の死刑囚に関し新たな証拠が見つかり再審が開かれる見通しだと伝えられる一方、麻薬がらみの捜査に駆り出され、潜入捜査さすることに。
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シリーズ第20作。
SFPD(サンフェルナンド市警)の予備刑事(reserve officer)として、自発的に未解決事件捜査にあたっているハリー・ボッシュのもとを、昔のパートナーだったロス市警本部強盗殺人課未解決事件班刑事のルシア・ソトが現在パートナーを組んでいるボブ・タプスコットとロス検事局のアレックス・ケネディ検事補とともに訪れ、ボッシュが三十年ほど前に逮捕し、現在も死刑囚として服役中の連続殺人犯プレストン・ボーダーズに関して、あらたな証拠が出たとして、再審がひらかれる見込みだと聞かされる。残された証拠を調べ直したところ、すでに死亡している別の死刑囚ルーカス・ジョン・オルマー(連続婦女暴行殺人犯)のDNAが被害者の着衣に精液の形で付着していたことが科学的に立証されたという。事件発生当時、DNAは、犯罪捜査の証拠として認められていなかった。証拠保管庫に収められた被害者の着衣の入っている当該事件の証拠保管箱をソトとタプスコットが開封する様子は、ビデオに録画されており、そこに問題はまるで無いように思えた。
ボーダーズの弁護士ランス・クローニンの主張は、被害者の着衣に別人のDNAが付着している以上、ボーダーズ逮捕の決定的な物証(ボーダーズの住居で見つかった被害者のペンダント)は、事件担当の捜査官(ボッシュと彼のパートナー)が仕込んだものだ、というものだった。ロス市警と喧嘩別れしたいきさつから、ロス市警と検事局のボッシュに対する心証はことのほか悪く、証拠を捏造した悪徳警官としてボッシュに責任をかぶせようという気が満々だった。おのれの信用が地に落とされる危機に際し、リンカーン弁護士ミッキー・ハラーにボッシュは相談し、ミッキーの導師であるリーガル・シーゲルの智慧を借りることになる。
一方、サンフェルナンド市警の管轄で、薬局を経営する父親と息子が薬局内で銃殺されるという事件が発生し、小規模共同体の警察としては、手が足りず、ボッシュも捜査に狩りだされる。捜査を進めるなかで、この事件が、薬局を舞台にしたオキシコドン(半合成麻薬)不正請求にまつわるものであることが判明する。すなわち、身内に引き込んだ医師に鎮痛剤でもあるオキシコドンの処方箋を書かせ、患者を装った出し子たちに薬局で大量に入手させ(料金は医療保険Medicareでカバーされる)、それを売りさばいて大金をせしめている犯罪者集団がいた。薬局の父親は、永年その片棒を担がされていたのだが、息子がその不正に気づき、手を引こうとして、犯罪者集団に処刑されたのだった。犯罪者集団のアジトを突き止め、親玉を逮捕する証拠を手に入れるため、ボッシュは、潜入捜査に赴く。
内容紹介のコピーだが、これを読めば、ほぼ上巻は読まずに済んでしまう丁寧さ。
一粒で二度以上の美味しさを堪能しつつ、下巻へ。
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この一作でボッシュは、三つ、いや四つの事件に絡む。そうボッシュ大多忙の巻である。邦題の『汚名』は、ボッシュが巻き込まれる過去の事件での捜査ミス及びこれに関するマスコミ・スキャンダルから取られたものと思われるが、作中では次のように語られている。
<この世には、二種類の真実がある、とボッシュは知っていた(上巻 P202)>絶対の真実と、ペテン師たちによって創作される偽の真実が。
一方で、薬局の父と子が無慈悲に殺害された事件を機に、薬物密売組織に囮として潜入するボッシュの活劇ぶりが描かれる。この部分はAMAZON PRIMEで既にドラマ化されたため、ぼくは視聴しており、設定その他に異なる部分はあるものの、主筋はドラマと原作は同じ展開を見せるので、実のところ小説を後にすることで興が削がれた。原作を映像化したものなら抵抗はあまりないが、映像→原作は、さすがに残念な順番だった。
しかし、本書には、ボッシュへの思い入れをこの一冊で総括してやるんだ、くらいの原作者の熱気が感じられる。それが、定年を過ぎゆくボッシュに対しての、入魂のペン捌きとなって結実しているので、シリーズ屈指の熱い作品となっていることが素晴らしい。
ボッシュは昔牢屋として使われていた黴臭い資料庫から古い事件の調書を引っ張り出しては、自分の天性の仕事勘を働かせ、潜入捜査中に気にかけた薬中の女性を徹底して再生させようと主筋とは別のところでも力を尽くす。
腹違いの従弟ミッキー・ハラーは、今回の大団円を取り持つ法廷シーンで期待に違わぬ活躍ぶりを見せ、その調査員であるシスコはボッシュとの臨時協力体制を請け合う本書のサービスぶりである。
もう一つ、サービス・シーンをご紹介。
<「あんたはカウンターにいるタイプだ。ホッパーのあの絵でひとりですわっているやつみたいに」>とハラーがボッシュに言うシーン。<ボッシュは自分をホッパーの『夜更かしする人々(ナイトホークス)』のなかに描かれたカウンターにいる男のようだといつも思っていた(上巻 P297)>
無論、ボッシュ・シリーズの一作目『ナイトホークス』を想起させるシーンである。作者はボッシュというキャラクターを創り出した当時と、ボッシュともども実績と経験を重ねてきた今とを重ね合わせて、充実した二人のそれぞれの人生を重たく振り返ってみせたのではないだろうか。
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ハリー・ボッシュのシリーズ。
ロスアンゼルス警察を離れ、
小さな警察署で未解決事件を捜査しているボッシュ。
そこへかつての相棒が
ボッシュが昔の事件で不正をしたのではないか、
という疑いとともにやってくる。
その直後に地元の薬局で二人が射殺された事件が発生。
犯人を追ううちに、潜入捜査をすることになる一方、
不正の嫌疑をはらすために異母弟ハラ―に弁護を依頼する。
(下巻へ続く)
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シリーズなんですね。初読です。リンカーン弁護士の作者とは知りませんでした。実に読みやすいし、ボッシュが魅力的です。かなり重めの事件が同時進行で負担が凄そう。しかも○○捜査!下巻に期待が高まります。しっかし、いろんな事件があるもんだなあ。
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既に本書が原作となったAmazonプライム作品を見ていた為か、意外にあっさりと事件が解決してしまった印象を持ってしまいました。本当は違うんでしょうけどね。
ただ、素直に事件が解決したわけでは無い様です。ラストから、すぐ次の事件にボッシュの気持ちは向かっています。
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ハリー・ボッシュ・シリーズ、20作目。
元ロス市警の凄腕の刑事で、退職後は郊外のサンフェルナンド市警の予備刑事になっています。
未解決事件捜査に活躍しているボッシュのもとに、昔のパートナーだったロス市警のルシア・ソトがやってくる。
検事補と今のパートナーの刑事と一緒で、ボッシュが30年前に逮捕した連続殺人犯プレストン・ボーダーズに関して、あらたな証拠が出たという。
DNA捜査が未熟で証拠として認められなかった時代のことだが、今回の発見で、当時ボッシュが違法行為を行ったという疑いがかかったのだ。
DNAという動かしがたい証拠。
ボーダーズの弁護士ランス・クローニンはボッシュが証拠を捏造したと主張。
ロス市警もボッシュが退職した時にいざこざがあったため、罪を押し付けようという態度が見える。
刑事として働く最後の時期に差し掛かっているボッシュに降りかかった、思いがけない汚名。
リンカーン弁護士と異名を取るミッキー・ハラーに、ボッシュは協力を求めます。
サンフェルナンド市では、薬局の経営者が銃殺される事件が起き、ボッシュも駆り出された。
犯罪者集団のアジトを突き止めるために、ボッシュは潜入捜査に挑む。
どうなる‥?
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これは凄い小説だ。
ありきたりの誤認逮捕の流れかと思いきやとんでもない悪党に行き当たる。
やはりコナリーは面白いな。