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オークションとマッチング理論の初歩的な入門書。実際に不動産等で活用している方と第一人者の研究者の共著なので入門書だがいろいろ細かなところまで行き届いている感じが好著。
巻末に推奨図書が充実しているので、
マーケットデザイン・メカニズムデザイン
オークション理論
マッチング理論
などが気になる方はこの本から入るのはあり。
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財の効率的な配分を目的としたオークション、マッチングなど制度設計理論であるメカニズムデザイン(マーケットデザインという呼称もな配分を目的としたオークション、マッチングなど制度設計理論であるメカニズムデザイン(この分野はマーケットデザインとも呼ばれ学問的な違いはあるのだろうが、ほぼ近似した内容であると理解している)。
本書はその分野の研究者である著者と、不動産売買オークションビジネスを長年手掛けているデューデリ&ディール社が共催するオークション・ラボという勉強会の模様を書籍化した一冊であり、メカニカルデザインという学問をどうビジネスに活用するかというヒントに満ちている。
実際の理論を知ろうとすれば、同じ著者による『マーケットデザイン: 最先端の実用的な経済学』などの方が丁寧であるが、本書は実際にビジネスサイドに人間からオークションの意味合いが語られている点が面白い。中でも印象に残ったのは、不動産のようにプライシングが難しい財の場合、オークションは価格の意思決定プロセスが透明であり売り手にとっての納得感が高まる、というポイントである。通常のプライシングが専門家による調査に基づくものであってもその過程がなかなか一般人には理解しにくい中で、かえってオークションの方が透明性が高い、という着眼点は以外かつ、オークションという制度のメリットを強く示している。
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メカニズム・デザイン(あるいはマーケット・デザイン・マッチング、オークション理論、マッチング理論)のとっかかりとして最適な一冊。オークションの仕組みと実装に興味のある方々を対象にした「オークション・ラボ」コミュニティでのワークショップをテキスト化した内容。
自分の運営しているBtoBサイトの本質は「良質なマッチング」にあるのだが、それを論理的に説明するための言語としてこれらの概念に触れておく必要を強く感じた。
坂井さんの本(僕の本棚では#0406.坂井豊貴)をこれから読み深めてみようと思った。
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次点価格方式と第二価格方式は似ているが違う。
次点価格方式は、耐戦略性がない。
プライマリー市場は、オークションに合っている。魚の卸売り、画家が絵を売る、国が国債を売る、など。
ニュージーランドは周波数オークションを最初に行ったが、設定が悪く失敗した。アメリカはそれを見て、設計を専門家に依頼した。ミルグロムが、同時せり上げオークション方式を考案した。同時にセリ上げ型オークションにかけるが、すべてのせり上げが終わらない限り、どの競りもオープンのまま。
同時せり上げだと、裁定が起きて同じレベルの価格になる。複数の財を売るのに適している。
研修医と病院のマッチング=受け入れ保留アルコリズム=全員が希望順に選択して、受け入れ側も選択肢がある。耐戦略性がある。
研究室選択でも、きちんと希望順がつけられれば機能する。選択側が成績順にすれば、可能。
受け入れ保留プログラムと、同時競り上げ式オークションは似ている。同時競り上げ式は、持参金付きでプロポーズする受け入れ保留プログラムみたいなもの。一般化受け入れ保留プログラム。
学生寮の部屋交換。自分たちだけ部屋交換しない配分を強コア配分という。
トップトレーディングサイクルアルゴリズム(TTCアルゴリズム)=まずサイクルを見つける。次にそれを除いてサイクルを見つける。同じ部屋というサイクルでもよい。強コア配分になっている。
腎移植マッチングに使える。患者が学生、ドナーが部屋。ドナーを持たない患者は新入生、脳死者の腎臓は空き部屋とみなす。
クオドラティック投票=選挙の際に、クレジットを各テーマに割り振って、それぞれ平方根の票を得る。
マジョリティージャッジメント(MJ)=一人一票だと、票割れに弱い。
評価を7段階程度にして、各候補に絶対評価をつける。2段階だと是認投票になる。平均値ではなく中央値で、どちらが望ましいか、が社会的評価となる。中央値だと、平均値より極端な数値に影響されない。
戦略的操作への強さを求めると、中央値以外は無視することになる。ボルダールールよりも強い。
7段階ぐらいがちょうどよい。マジカルナンバー7。選択肢が7つなら比較ができる。
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オークションはあくまでもツール。
それをどう使うか、どう活かすかは人間次第。
ボルダールールに代わるマジョリティジャッジメントを試してみたい。
選挙という形の多数決が、強者の論理で変わらないのなら、草の根から多数決を見直す流れを作らなくちゃ。
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坂井豊貴と今井さんが主宰しているオークション・ラボというオークションの勉強会の講演録のようなもの。
単話完結・会話形式で気軽にオークション理論や投票理論について触れることができる。
さらに興味が出たら深堀できるよう本の紹介もあり、オークション理論入門としてはとても良いと思う。
オークションに携わらなくても読み物として面白かった。