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今や飛ぶ鳥を落とす勢いの隈研吾さん。東京には彼の建築が次々に建てられている。
この本ではそういった大きなプロジェクトではなく、小さなものローカルなものへの関り、そして若き日の挫折が語られる。隈さんへの印象が変わった本。
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グローバルからワールドワイド、効率と拡大から自由と小さなものの多様性にこそ魅了がある。小さいからこそ、外を上手く取り込もうと目が向かう。
東京の街の多くが魅了を失ったのは既存のシステムにもたれ掛かり、変わろうとしなかったから、また既得権益を守るために変えさせなかったことが大きい。
ローンによる土地・家屋の私有は足かせになる。ローンを組んだサラリーマンはそんな自分たちを肯定するためにサラリーマンの価値観を正義として世の中全体に押し付けてきた。その気持ち悪さとそれがまだ続いているのを感じる。住宅ローン減税は既存のシステムの延命にすぎない。
住宅、特にマンションの一階のつくられ方がまちの魅了を壊してきた。歩けること、歩きたくなることがまちづくりには大事。
安っぽいはずの素材で、いかに美しく結晶させるか、それが建築家としての力量。
元気のある街には、学校があって、学生が、若者がいっぱいいる。彼らが街で遊んでいることがすごく重要。
住宅を私有の資産としてだけ捉えるのではなく、暮らしのクオリティを上げる装置、一種の都市インフラとしてデザインしていくことが大切。私有は危険であり、賃貸を上手く住みこなしていく方が今のグローバル経済の中では賢い。
一方で自分の場所を持っていることは企業も個人も大事。
楽しいと思える方向に自分でアクションを起こす。
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オオバコシステムによる近代化 閉じ込めて効率化
ITで閉じ込めなくても効率的に自由に
建設産業の江戸時代におけるサムライ化
一定の評価を得た芸術家はコラボして違う地平に飛ぶ
世界の中心都市 ジャック・アタリ
=クリエイター階級が新しい発見への情熱を燃やす場所
バブル期の東京はなれなかった
過去の利得の維持保護 1億総サラリーマン化
川沿いのライトインダストリーエリア
スターバックス リザーブ ロースタリー東京
巨大焙煎機のため工業地帯に
建築の流動性 コンピュテーショナルデザイン
長持ちしない建築 流動しながら有限の時間を生きる
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大阪 千里の万博公園に隅研吾氏の作品があって、その時に、建築家でもあることを知った。
大きな有名な建物を建築されているのだが、大阪では、安藤忠雄氏が、子供の図書館などで、親しみがある。
隅研吾氏が、有名になられたのに、借金を肩代りして、大変な時代もあった事に驚き、それによって、大きなハコものだけでなく、いろんな建築のトレーラハウス、木造バラックなどの発想に結びついているのだと・・・・
この本を読んで、苦労もされたのだと。
東京駅も、レンガ造りであっても、昔は、こんなにきれいでなかったし、KITTEも、楽しめる場所になっている。
私の親、そして、私の時代は、家を持つのがステータスのようであった。
しかし、一般的に、ローンという負債を背中に背負い、仕事も、家に縛られているという時代である。
だから、仕事を転職するなんて、もっての他!なんて、考えだった。
今の時代、大企業ブランドも必要なく、自分のしたい仕事をするという働き方が、主流になって来ている。
今年のコロナで、キャッシュレス化も進んだし、フレックスタイムなども、在宅勤務も、、、、
土地に縛られないで、好きな所で、自分の仕事が、出来る時代である。
さてさて、これからの建築様式や住居は、どう変わって行くのだろうか?
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多くのことを学べて面白かった。
東京における都市開発、都市再生たるものはなんなのか、高度経済成長期から現代にかけてのその概念やテーマというものの変貌を辿りながら、現代のこのコロナ禍を受け、その様子がどう変化しているのか、そのリアルな現状を隈研吾さんと清野さんの対話からわかりやすく理解することができた。