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きんじへんぺん近時片々の類は取るに足らない日常だけで食傷なのかもしれないと思っている かくなる境涯に追い詰められていったのか? 翻意を促した 秘匿 かんげき間隙 ちき知己 一驚した 成功裏に終わり 叔父の真意が奈辺にあったか知る由もない ひんひを頻々と起きている 憤懣を抑えつける 収拾できない 訝しい気持ち 天狗舞 手取川 菊姫 ひやおろし 熟れ切った 苦み走った デラシネ(フランス語で根無草) 首肯しつつも 堂に入ったものだ つうよう痛痒 却って困るといった雰囲気は微塵もない 気風の良さが察せられた 佇んで 鴉の世界は一夫一婦制で ていかん定款に名を連ねる 人災の側面は捨象されてしまったのか 辣腕を揮った 閉職に追いやられて 公証役場に正本が保管され 虚言を弄して 胸前で手をひらひらさせた 目を瞠るものがある くちはばったい口幅ったい 一驚 勘案 如才なく 慧眼 互いの交わらない気持ちを、ただ粛々と披露し合っている 雪吊りの縄が 粉骨砕身 正鵠を射てくる 年上の再従兄弟 テレビドラマは糖衣錠であれ
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なにやら複雑な人間模様が描かれているに違いないと思わせる表紙に惹かれて。
人生で誰もが避けて通れない、家族、仕事の人間関係と悩み。
そこに一億円が加わることで、今まで蓋をしていた心の奥の引っかかりがどんどん大きくなっていく。
「人間同士もたれ合って生きているといつのまにか必要以上に臆病になってしまう」
「"一人では生きられない"という生物としての致命的な不完全さが、人間に無用な恐怖を植え付け、不要な闘争へと駆り立てる」
お金で得られる幸せと、得られない幸せ。
主人公を自分に置き換えながら読み進めると、いろいろと考えさせられる良作。
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分厚い本だけど、次から次に色々な事が起こり飽きずに夢中で読んだ!
お金で人生は変わる。確実に。
良いようにも悪いようにも。
でもやっぱり宝くじを買ってしまう。
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700ページ近い長編
だけど最初から最後まで夏代は夏代らしいと思った
あまりにも巨額過ぎてもしも自分なら…と想像すら出来ないけれど、
だからこそ夏代はお金に振り回されたりしないように
頑なに自分のお金ではないからと黙っていることを決めたのかな?
少し頑固で真っ直ぐで、
鉄平をずっと信じて鉄平のために…
ドラマも観たのでちょっと、ごちゃ混ぜになってしまっているけれど
夏代がとても可愛らしいと思った
反面、強く家庭において妻としてすごく理想的だと思った
私的に、すごく夏代が印象的なお話でした
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ドリフのコントに『もしも…◯◯な××があったなら…』のコントがあった。これを本書に置き換えれば、『もしも長年連れ添った妻が莫大な隠し資産を持ってたなら…』になる。
常に現実的な小説を紡ぐ白石一文が描く〈大金が転がり込んでくるユーモア小説〉?…と勘繰るも、ですよね…、んな訳なく、やはりいたって現実的な状況下に起こる起伏激しいスリリングな展開ゆえ、先の予測が見えないままに600ページ超を一気読み。
◉さわり…
主人公 加能鉄平(53歳)は福岡市にある祖父が創業した化学製品メーカーの営業本部長。本部長とはいえ、名ばかりの閑職。同族企業にありがちな親族に疎まれ、役員になり損ね閑職に。最初に務めた会社でも、理不尽なリストラの憂き目に遭い、今やその現状を粛々と受け入れ、サラリーマン人生を歩む毎日。ふたりの子どもは他県に進学し、現在はパート勤めの4歳下の妻とのふたり暮らし。妻との関係も良好。このまま定年まで平穏で平凡な毎日が続くと思われたある日、たまたま在宅していた際、弁護士事務所から1本の電話…。
30年前、伯母から莫大な遺産を相続し、手付かずでそのまま銀行にあることを知らされる。その遺産の一部は投資にも回され運用益を含め総額は何と48億円!その衝撃の事実に驚愕すると同時に抑え難い怒りが湧き起こる。
結婚して20年余り、その間には、親の入院費用・子どもふたりの学費・自身のリストラ時の危機…まとまった金が必要だった時は何度もあった。側にいて妻はその苦しい現状を熟知しておきながら、なぜ捻出しようとしなかったのか、そもそも夫である自分になぜ隠し続けたのか…。
衝撃の電話受けて以来、悶々とする日々。日常が静かに狂い始める。ある日、妻に問いただすと意外なことを口にする。それ以降、妻への強い不信感が募る一方。方や子どもたちも学業そっちのけで勝手気ままに謳歌している…。もう誰も信じられない。鉄平はある決断を下す。
◉短評…
さわりだけで判断すれば、シニア夫婦を取り巻く家庭小説。ただそれなら、これほどの大部な小説にはならない。
自分ではなく身内ではあるが、〈突然大金が手に入ったら?〉誰しもが一度や二度妄想をしたことが現実となった五十男。はたしてどう生きていくのか?信頼を無くした妻への愛情は?子どもに対する役目は?揺れ動く主人公の心中を著者は炙り出し、折々に呟く吐露は身につまされる。『夫婦は恋人同士とは違うんだ。愛情で関係を支え合うだけじゃなく、信頼で支え合わなくちゃいけない。そうでなきゃ何十年も一緒にいられない。夫婦は愛し合う以上に信じ合う必要があると僕は思う』。
本書には様々な人物が登場する。それぞれの物語を持ち寄り、それらが複合的に絡み合って発熱し、新しい価値を提供してくれる極めて濃い内容ゆえ、その話だけでも1編の小説が書けるほどの『総合小説』の威容をたたえている。
家族小説・企業小説・起業小説・シニア小説に加え、博多・金沢の観光&グルメガイドにも使える情報がふんだんに盛り込まれており、細部に至るまでの情景描写と著者のサービス精神にニンマリしてしまった。
『老後2,000���円問題』がひところ話題になった。老後30年間には年金の他に2,000万円が必要説。そんなことも頭をよぎりつつ読み終えた。
はたして、タイトルの『1億円のさようなら』とは何を意味しているのか?読み始める前にまずストーリー展開を想像をされてから、読まれるのをオススメします。秋の夜長のノンストップ読書必至の一冊。
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悪人についての表現に冴えが見られた。さまざまな人間をみてきて、悪人というかワルというかには、常々考えさせられてきたから。
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家族としての自分の人生、会社員としての自分の人生、そして自分自身の人生を考える話でした。
信用は愛情よりもきっと大切で、だからといって自分を幸せにするのは自分という根底は大事だなぁと。
家族を持って、自分も幸せに、家族も幸せにというのは本当に困難な事なんだと思う。
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作者の気合が帯に現れていたけれど、ほんとうに面白い。ストーリーも設定もたぶんかなり細かく設定されていて、ふとした伏線が後半にあ、という感じで出てきたりして、もう一度読み返したくなる。
インフルエンザ罹患を感じたある日、主人公鉄平の人生は一変する。
妻、夏代の大きな秘密と、それを自分が20年以上も隠されていたという事実に鉄平は怒り、そしてそれをきっかけに子供たち、会社にも暗雲が立ち込める。芋づる式に明かされる事実に愕然としつつ対処しながら、冷静な自分の一面にも改めて触れ、逃げるように家を出るが…
リアルな描写で主人公の行動や心情に共感しやすくい。登場人物が少しずつダークさや弱さを抱えているのを、削ぎ落とされた文章とエピソードで語られるので、そこも読みどころだと思う。削ぎ落とされすぎていて、掴みづらい部分は他の方のレビューにもあるとおりだが、何度か読み返してもやはり面白いのは、緻密な文章構成の為せる技かなと思った。
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以前聞いた、出版社の編集者の話によると
少年マンガの主人公は「こんなヤツになりたい!」
読者が見上げるような立ち位置のキャラが多かったそうだ
青年マンガの主人公は「こいつは、俺だ」
読者に共感を覚えさせるような親近感のあるキャラ
その喩えでいうと、この小説の主人公は
「中年男性の憧れと親近感を一手に引き受けるキャラ」に設定されてる気がする
ブースターや燃料タンクを切り離して成層圏を飛び出した宇宙ロケットみたいに、家族や仕事から離脱出来たらどんな人生が開けるのだろうか
という、ある種のファンタジーを満足させるような、そんなお話
あと個人的な感想として、食べ物の描写がやたら美味そうな小説でした。石川県行ってみたくなります。
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長い小説だった…
描写はとても丁寧で頭に浮かぶが、果たして必要なものがどれほどあったのか。
46億円とはいったいなんだったのか、男の生き様とは、邪悪な人間とはなんだったのか、、、
もっと伏線回収があってもよかったかも。
金沢に住んでたことのある自分は個人的に楽しめたが。
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一億円のさようなら
白石一文
僕はもう何年も前から著者の大ファンでほぼ全ての作品を読破しています。ここ2年ばかし環境が変わって忙しくて読書から遠ざかっておりましたが、この夏、また読書を再開することができ、積読の一冊で長らく放置して来た本書をやっと読了することが出来ました。
白石一文作品らしく社会的な立場を得た50前後の男女が主人公で、多くは人生の後半へ差し掛かった大人が向き合う家族や妻への愛情、恋愛、会社や社会生活での悲喜交々の中に「運命的な出会い」だったり「ある種の結末」だったり「新しい出発」だったり、白石先生が描く主人公と年恰好が近い場合が多いせいか似たような壁や障害に突き当たったり、囚われたりする彼らが求める解決策や答え、たどり着く結果…の先に「人生とは」「男女とは」「仕事とは」「生きるとは」みたいな人生の真理みたいなものを突きつけられて、やたらと共感してしまうんです。だって同じような境地を自分だってみているから…そこがすごく良いんですよ白石作品は…
最新の著書が出ているはずなんですけど、未読の白石作品は数冊なので完全読破と読み返しを始めようと思います。本作は最初から最後まで「これから彼はどうなるんだろう…」ってハラハラしながら読み進められました。白石節も随所にあってとても面白かったです。白石一文作品を未読の皆さまはぜひ一冊手に取って欲しいと思います笑笑
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一部の人間を極端に類型分けすることで際立たせていたが、本当にそこまで明確に類型分けができるものだろうかと感じた。母親が子どもに近いところで様々な相談を受けて父は知らないという構図は、世の中に多いところとは思うが、本作での父が知らない程度はとても大きく、当人とすればこれは強いショックを受けたに違いないと思った。そして、最後まで配偶者の為すままに、事が動いていくところは、本当にそうなるかなと思いつつ読了した。
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文句なしに面白い
最後の1ページまで驚かされた。
夏代とこのまま終わって、会社にも戻らずこのまま金沢で新たに人生を歩んでいくのかと思ったけど、夏代の方が一枚上手だったな〜
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この方の小説は、心情をダイナミックに表現する文体が好きで、ほかにも色々と読んでいます。本作は文庫で660ページ以上。心地よい厚さと持ち重りで、こういうのが電子書籍では味わえないですね。
いろいろと状況設定がかなり突飛で、登場人物とくに主人公のキャラクター設定もかなり目まぐるしく変わります。あれ、こんな人だったの? とか。他の登場人物への態度や心情もコロコロ変わるし。でも、考えてみれば実際の生活ってこんな感じなのかもしれない。自分の生活を考えてみても、気持ちなんか、どんどん変わっていくし。
メインの舞台である福岡と金沢のきめ細かい描写が秀逸。旅に出たくなりました。
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面白いんだけど、奥さんの大金を手にした時の決断がなんか現実離れ感半端ない。
こんな大金困ってる時に使うなり、放置せず寄付するなり世の中に金を循環させてくれよと思う。
考え方に今一つ共感できず、好きになれない。
美人という描写にますます、??でした。
ふっつーのおばちゃんが億万長者の方がリアルですね。
ですが、ストーリー的には好み。
まぁ何があるってわけじゃないけど、1人の男の人生を覗き見している気分になった。
ただ主人公の側面である野生的な大胆さがあまりピンとこない。
最後はアッサリしていたような。
半沢直樹的な仕返しを期待していたんだけどな。