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宗教から現実世界へ
2021/04/26 11:05
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投稿者:三分法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大拙と寸心(西田幾多郎)は、法然と親鸞のように一人格であるといわれます。二人は、究極のものを求め、しかも同じところを持ち、見ているという意味です。大拙は、禅も真宗も日本的霊性の現れと見、特に仏教の根本思想である「空」から妙なる働きが出てくる(真空妙用 しんくうみょうゆう)といいます。また、寸心も、禅は単なる瞑想ではなく、禅によって得られる根源的な絶対自由による主体的な働きを重んじるものであるといいます。本書で著者が強調しているところは、二人が、宗教から現実世界への働きが出てくるということ、すなわち現代社会の課題(例えば、自由の問題、差別の問題、共生の問題、……)の解決に役立つ働きが出てくると語るとともに、実践したということです。本書の付章には、著者の師、大拙の薫陶を受けた秋月龍ミンも「真空妙用」をしきりに語っただけでなく、それに生きたということを証ししています。
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