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なんとも退廃した地方都市での暗いストーリーが延々と展開して、読んでて息苦しくなった。
でも、実際にはこの主人公みたいな人間はどこにでもいると思う。
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原発に支えられた町で生まれ育ち、そこから離れられない主人公。原発があることへの不安や不景気の中、寂れゆく地方都市に暮らす人達の鬱屈さがよく書かれていた。どこにでもいそうな男の物語だけれど全く退屈せず一気に読めた。今後の馳星周作品にも期待。
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原発以外何も無い田舎街で生まれ育った男の人生。珍しく殺人暴行ヤクザ悪徳警官無しの物語。著者にしては刺激が少ない内容なのにグイグイ引き込まれるのは、自分はおそらく主人公の生き方に感情移入してるからではないだろうか
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読後、棄民と云う言葉の意味を考えた。
国から捨てられた人。
故郷を捨てざる得ない人々。
帰る場所を失った人。
故郷に心を踏みにじられた人。
気が付いたら生贄になっていたと感じる人。
何もかも失ってもそこで生きていかなければならない人々だって棄民かも。
何かと引き換えに心を売り渡した人。
思考を放棄した人。
放棄させた奴ら。
棄民を作り出したような連中が勝ち組と持てはやされる。
目を背けて生きていく。
気付かないふりにも慣れてる国民。
自由より甘い服従。
光射すは誰の使命なんだろうか。
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【原発に頼らざるを得ない町で、男はどう生きるのか】未来を描けない地方都市で生まれ育った男。窒息しそうな日々を、水商売の女や妻子の間で揺れ惑った挙げ句に、男が見極めた人生とは。
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未来を描けない原発の街の姿が、主人公に投影される。 著者としては異質の作品。チャイニーズマフィア、拳銃、麻薬が出てこない。
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敦賀の原発問題を背景にその地で生きる徹の中高時代〜30代までの生き様を描く。閉鎖的な土地で流れに任された知人/友人の死、女性との関係の中でもがき、諦めて行く人生が寂しい。女性遍歴は、旧友事故死後の妻との関係でその妻が自殺、それが原因での離婚はきつい。徹は、最後に何を悟り、何を糧に生きるのかな?
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厳しい現実と環境の中でも産まれ育った。特に努力もせず流れに任せて生きて行く。それほどその町が好きなのだろうか、それとも何か諦めの気持ちが宿っているのか?これからもその流れに任せて生きて行くのだろう。これって原電のせいだけなのか?
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原発以外なにもないような町で、鬱蒼とした思いを抱えながら暮らす男の話。哀しく辛い別れを何度も味わいながら、それでも生きてゆく。さざ波のような文章についついのめり込む。
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原発の街、敦賀が舞台の物語
主人公徹は自分がゆっくりと死んでいく事を敦賀の街のせいにしているが、自分のだらしなさとか流されやすさとか、キレやすかったりする過去の自分がした選択のせいで今の自分がある事を一番に認めるべきかと思う。
敦賀や原発の所為にするのではなく自分が努力する事と、何かを決める事が大事な事だと思う。
本作品が発表された直後に東日本大震災が起きた事で敦賀の街を舞台とする本作品の根底に原発への問い掛けがあると思う方がいるかもしれないが、あくまでも努力しないで只々流される人の弱さが物語のテーマではないかと私は思う。
敦賀の原発でガードマンをする相原徹は人付き合いが苦手。そんな彼が同窓会に出席する事に!?そこで旧友と再会し過去と今を少しだけ振り返る。その数日後に奇異なる偶然により主人公は事故に巡り合う。
そして、相原徹の中学時代の切ない恋の話、高校時代の年上の友人との話、結婚前の年上の彼女との話と続き話は現代に戻って来る・・・
進路を決める前、就職する前、結婚する前の人!読んでください。
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何も出来ない何者にもなれないことを、閉塞感いっぱいの地方、自分がその中に居るからと言い訳としているような主人公。だったら敦賀の人や原発のある町の人達はみんなそうなのか?たとえ大阪だろうが東京だろうが、どこに行っても流されて根底は変わらない気がする。
そのくせ女性だけには悲しい想いをさせ泣かせ、どこに魅力があるのか理解できない。
最後は少し光射す終わり方と感じるが、どう再生していくだろう…?
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原発のある敦賀が舞台
希望もなく、ただ死にゆくだけの町で生まれて生きる男の物語
なんだけど…
ま~なんというか…
自分に甘く、女にだらしない男・徹みたいな人って
地方都市だけでなくて都会にもわりといると思う。
実は地元愛なんて全くなくて
ただそこから離れることが怖くて言い訳にしているような人
でもって、いい話があればそちらに飛びついて
失敗すれば中2病か?と思うぐらい感傷的になる
いやいやそんなことって生きてたら
自分で考えて乗り越えなくちゃいけないんじゃないの?
解決策考える前に言い訳かいっ!
って…
ムカムカするぐらいこの主人公がイヤだわ~
で、読み終わって思ったんだけど…
こんな人って今、めちゃくちゃ多いよね
大人になる前にすでに死にゆく人
街を再生する希望だと思った原発が
実は街を殺すだけのモノでしかないと気が付いた時
自分自身もすでにその一部となって死んでいる…
はてさて、そんな人を救うのは…
愛か?希望か?許しか?絶望か?
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なんか、主人公に最初か最後まで共感できなかった。
何を伝えたい小説なのか分からない。重たい不幸なことが連続して起きる。
ただ主人公の厚かましさには勇気をもらうところもあった。
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敦賀で暮らす主人公の男性の青年期から中年期までを友人、女性、家族そして原発を織り交ぜながら描かれている。
女性にだらしない主人公が堕ちていく様が暗い気分にさせる。ようやく最後に少しの光を感じさせるような終わり方になっているが、ずっと曇天で暗いイメージがまとわりつく。
この主人公と原発のある町の行き詰まり感がリンクしているようにも感じさせられる。そこに光があるとすれば、そこにある自然や愛する人達と共にいることなのではないかと感じさせられた。