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よかった。
元彼が、ミソジニーから抜けきれてなくて、無意識でごりっごりの性差別しながら、悪いことを悪いことだと受け止めきれずにいて、その立場から見た世界の描写が秀逸だなと思った。
本当に酷くて取り返しのつかないことをしたのに、いつまでも自分ごととして受け止めきれない元彼の呑気さに腹が立った。実際こういうものなのだろうか。
また、性被害に遭って男性が怖くなったり全てがしんどくなったりしている主人公の心情や行動もとても共感できるもので、読んでいて辛くなったし、でもこれを描く物語があったことに救いを感じた。
また、性被害の加害者が、昔はかけがえのない大切な相手であった事、それと被害の落差がものすごく鮮明に表現されていて、残酷で鮮やかだった。
最後、主人公は自分の身体を主体的に表現することによって、自尊心を回復させる。描かれる、撮られる、見られる、といった客体になる事が女性は多いけれど、ただ男を喜ばせるための受動的な存在ではないのだ、というメッセージが主人公と百合の決断や行動から出ていてそうだよなあと思った。
主人公は最初から最後まで客体化されているという事に変わりはないけれど、撮る(描く)側と撮られる(描かれる)側の間に同意や尊重があるかという事でここまで違うのか,と思った。
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リベンジポルノか?!が題材でそこは時代にマッチしたテーマだと思ったし興味深かった。でも、私には誰にも共感できなかったのはちょっと辛かった。なんでだろ?等々力渓谷にはいってみたいと思いました!
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都会で自然を感じるのが好きなので、暗渠を2人が辿って行くシーンは、ワクワクしました!そのままだったら、タイトル通りで良かったのにね…現実にもあり得そうなカップル問題…。本当に起こってそうで読みながら、なんだかモヤモヤしてしまいました!気をつけなはれや!
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リベンジポルノ問題を取り扱った物語
タイトルや冒頭の恋の予感を感じさせる始まりから想像するさわやかさとは反対に、気持ちが結構重くなるものが描かれている
コーヒーチェーン店会社の広告部署で働く30歳手前の菫は、自分の裸の写真がネットにアップされているサイトを偶然発見する
元彼に乞われて撮られた事はあるが、その場で消してもらったはずの写真
彼との馴れ初めは、大学の飲み会で渋谷から暗渠を辿って自宅まで同行したことから
当時の回想と今起こっている事への対応が交互に描かれる中で明らかになる二人の関係性の変遷と事件の真相
そして菫がとった行動……
主な登場人物は少ない
元彼の光晴
母の亜希子、父の井手さん、弟の幹夫
高校の美術部からの親友で、芸大を経て高校の美術教師の百合
自分の裸が知らない人たちの間で評価され共有されている事を嫌悪し戸惑う菫
元彼を疑いたくない気持ちと共に、もう会いたくないという感情
自らが普通ではない状況にいることを自覚しながら、いつも通りに振る舞おうと取り繕う
温かい家庭でまっすぐに育って常に自然体でいられる菫に対し、義母との複雑な家庭環境で屈折して育った光晴が対比されている
自称複雑な家庭で育った光晴に多少の同情は感じるが、身勝手な自己弁護や浅はかさ、酒との付き合い方には嫌悪感を覚える
結局は原因を他人になすりつけてきた人生の責任をとってないだけに思っていまう
マンガ「彼氏彼女の事情」を思い浮かべてしまった
あっちでも暖かな家庭で育った雪乃と複雑な生い立ちの有馬という組み合わせだし、有馬は違った意味で拗らせた感情を持っていたけれども、結末はまったく違うものですね
このケースは厳密にはリベンジポルノではないかもしれないけど、独善的な所有欲というのはあるでしょうね
そもそもの問題は、彼氏のそんな提案を断れない関係性であって、そんな関係性を築いてしまった事やそんな人間と付き合ってしまったという過失もあるのではなかろうか
ま、そこに原因はあっても責任はないですけどね
そして先輩社員の坂咲
被害者への追い打ちというか、二次被害ですよね……
同性に限らず、自己責任論をかざす輩はいるでしょうねぇ……
そんな人達にとっては、菫のとった選択も意味がわからないというか、「やっぱりそんな人なんじゃん」と思ってしまいそう
だけど、その選択が文学っぽく思う
拡散してしまったものは完全に消すことはできない
だから「自分の体を取り戻す」というのが回復の方法なのですね
最近何かと話題のAVに関する法改正について
同意して自らの意思で行っている人もいて、そこに自信をもっているというのが矛盾しない状況もありえるわけで
全面的に一律で禁止という案に一石投じてるのだろうか?
造り手の視点、見る人の視点によって対象の意義が変わるというのも表しているのかね?
義母が光晴の視線を嗜める行為と両者の認識の相違、ポルノサイトの画像と百合の作品の違い
明確な基準は決められないでしょうけど、多数に受け入れられる基準は決めなければいけないのでしょうねぇ
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前情報なして読み始めて「お散歩ほのぼの恋愛小説かな?」と思ったのも束の間、柚月麻子先生がそのような作品を書くわけもなく…(好き)
過去の恋人に撮られた裸の写真の流出と、周りの協力を得ながらそこから這い上がる主人公菫。リベンジポルノというかなり重い題材ではあるが、登場人物が少しずつ自分や自分の周りの人と重なるのがさすが柚月先生だなと思った。
「今回は写真の流出という形で表に出ただけで、根っこにあるのは「女をモノ扱いする男」という問題です」というのがいろんな人の視点を通じて描かれていて、そうなんだよな〜と。それを小学生の祐の台詞として表面化させたりするのが良かった。
光晴がコテンパンに罰を受けるシンプルな勧善懲悪ではないところが物足りないみたいな感想もあったけど、そもそも社会の問題や、家庭の問題や、いろいろな原因があっての結果なので勧善懲悪しちゃったら途端に薄っぺらくなるからこれでいいと思う。
菫が「自分の中にもともと強い部分があったんだ」っていう結論に辿り着けるのすごくかっこよくて好きだった。百合との信頼関係も、元々あるのにさらに深まっていくのが良かった。
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人の弱さと強さの両面を改めて感じる作品。
自分の裸の写真が出回ってしまった主人公とその周りの人達のその後のストーリーを描く。
周りの支えを受けて、次第に力強く立ち直っていく、変わっていく主人公。
その姿を応援するような気持ちで読み進め、読み終えた時には、雨上がりの晴れ間のような気持ちになった。
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いい本!心情が複雑なのは柚木麻子さんの本の面白いところ!すみれちゃんかっこいい。
光晴も最後自分の思いを家族に言えてる。リベンジポルノは良くないけどみんなすごい成長してて、こうやって辛いことを乗り越えていきたい
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自分自身の強さや弱さが好きになれなくても、自分自身を作り上げている性格の一部で、その部分と向き合い、「許す」という形で受け入れる登場人物は、人として強く感じられ引き寄せられる清々しさがあった。
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昔の恋人に撮られた裸の写真をネットで晒され、闘う女性の話。
ひどすぎる。あり得ない。
菫に、何でも話せる親友と、全てを受け入れて守ってくれる家族がいてくれて、よかった。
少しずつ自分の生活や気持ちを取り戻そうとする菫が素敵。
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悪くは無かったんだけどモヤモヤとした感情が残る読後感だった。
長い事インターネットとは付き合ってきてるけど、そのお手軽な軽薄さはやっぱり問題も孕んでる。
まぁ対象が広大すぎて杞憂の本人が気にするほどのこっちゃないって事もある。
んでもやっぱり気にはなっちゃうわけで。こういう物語が成立するのだけど。
あと筋書き上仕方ないんだけど、女性側がキレイ過ぎて男性側が汚すぎるのもモヤる原因の一つだったかも。
もっとフラットに普通の人にも起こるんだという方が真に迫ってきたように思うんだな。すぐそこにインターネットがあるように。
とはいえ筆者の文体結構好きなので他の作品も読んでみたくは思った次第。
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感想が難しい…読了後、半日置いても考えがまとまらなかった。
薫みたいな温かさ、百合みたいな強さ、光晴みたいな卑屈さ、返咲さんのような軽蔑の目、それぞれ思うところもあるし共感できる部分もある。
薫みたいな環境を私は知らない。
決して私が心の貧しい家庭環境に合ったとかではなく、
薫の家庭環境が“眩しすぎる”。
対 光晴との描写のためだと思うが、そこに感じる光晴の心情も理解できる。
最後の「私を許そう」が本作の答えだと感じた。
面白かった。
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柚月麻子さんは心の中の言葉にした事のない感情をきちんと掬い上げて、表現することが本当に上手な作家さんだと改めて感じさせられました。
暖かく、心理的安全性の高い家庭で育った菫と、真逆の光晴の2人のおはなし。
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かつて高校生だった頃に読んだ作品。
当時は坂咲さんの目線でしか読めませんでした。
「こんなの撮る方が悪い」ではなく、じゃあとらせなければ良いじゃんと思ってました。
菫と光晴の感じ方が違いすぎて苦しいですね…。
女と男だからこうも違うんだとばかり思っていましたが、どうやらそんなことはなさそうです。
家庭環境、考え方の違いでこんなにも違うものなのかと…。
メインはリベンジポルノですが、酒癖の悪さも関係してると思います。結末はさらさないでほしいものが勝手に流出するのと芸術として本人の同意を得て描かれるのは全く違うよと言いたいのかなと解釈しました。
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主役や恋人の心理に、深く突っ込みそうであまり深く突っ込まないんだなーと。
頼れる両親がいる菫のことがうらやましかった。
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リベンジポルノの加害者と被害者のそれぞれの視点から書かれた作品。途中ずっとしんどい読書で読み切れるのかなとすら思ってしまった。
加害者側の心理描写にずっとモヤモヤして読み終わるまですごく時間がかかった。だから読了後はあまりいい気分にはならない。