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世界の怖い話というタイトルなので、怪談集かなと思い読み始めたが、どちらかと言えば都市伝説、昔から語られている恐怖譚という印象。恐怖度ごとに章分けされており、世界各国の怖い話が紹介されていた。
ラ・ヨローナといった有名どころから世界各国にある心霊スポット、都市伝説、怖い民話や呪物など多岐にわたり、非常に興味深い。何冊か都市伝説本は読んでいるが、記憶にない都市伝説もあり、児童書にしては内容がなかなかマニアックなのではないだろうか。
恐怖におののきながら読むというよりは、知識として読む本だなぁという感想を抱いた。興味深かったのは中国で幽霊がこの世に帰ってくる日にやってはいけないとされている行為を紹介した「幽霊がこの世に戻ってくる日」と日本以外にで行われているこっくりさんに類似した儀式を紹介した「世界のこっくりさん」。
特に中国のこっくりさん『碟仙(ディエシェン)』の話は怖かった。呼び出した幽霊を怒らせると悪霊に変わるというのは日本で はあまりない展開だ。(偏見だが日本のこっくりさんは最初から対象者たちを害するつもりで降臨しているイメージ。)こっくりさんを馬鹿にしながら実行すると痛い目を見るのが常だが、今まで普通通りに対応してくれていた幽霊 が怒り悪霊に変貌するというのは何とも恐ろしい限りである。
触らぬ神に祟りなしとはよく言ったもので、最初からしなければいい事なのだが、もしどうしてもするというシチュエーションになったら真摯に向き合うのがよさそう……。