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パラレルワールドの日本の全寮制女子高。現体制では禁書となっている「ミステリ小説」を読んでしまった女子高生6人が反省室に収監、囚人となった彼女たちを同級生2人の看守が矯正する…。騙されまいとしたが2回騙されてお手上げ。後味は良くないし凝りすぎの感もあるが作者さんのすごさには改めて脱帽。
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それを本当に愛するものだけが、
それを本当に殺すことができる。
物凄く苦しい序盤、大きく転換する中盤からの、希望とも絶望ともつかない終盤を読み切って、エピローグでこんなに救われるなんてこれは賛否両論だろうけれど、別に夢オチとかも嫌いじゃないので私は素直にすっきり読み終わりました。その夢をちゃんと活かせればいいんだと思っている。夢だから虚構だからってそのすべてに意味がないというのなら、書を開いている自分の手と対話するところからやり直してきなさいほんとに。
この絶望も希望もおなじ想いの元に描かれていると思うと、それを書かせる本格のエネルギィというものに改めてアテられるわけだけれど、さりとてそれをこんなにも禍々しく書けるひともそうは居ないだろうなぁ。
ミステリは可能性を追求する。希望的観測とかではなくて、正も負も、どちらの方向にもひたすらに。
その功罪、それから不謹慎さに関しては議論されるところではあるけれど、そうか、その視点が探偵という装置を人間にしているのか?
抽出できる問題が多すぎて追い付きません…
古野せんせの、演劇的な部分というのがとても好きで。かといってやってるの観たいかっていうとそんなことは決してないのだけれど、今作もクライマックスがほんとに、なんというか舞台映えするんだろうなぁとぞくぞくしながら読んでいました。8人の愛したミステリ…ここだけでもやりてぇ。
あぁ、それからあとがきがなんだか微笑ましくてよかったです。
怒られたんだろうなぁ…ほんとに…なんていうか…おなじひとの口から出たことばとは思えない、って言葉は、あると思うんですけど。自分にもあるし。
しかしそれで世に出なくなったり、間違った読まれかたをしたりするのは、いちファンとしてとても切ないなぁと思いつつ
それでもやっぱり、あぁそれでこそ、とか思っている。
掛け値なしに好きな作家、である。
☆4.4。きっとまだ先がある。
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学生だけの再教育とか思想教育とか。
正直つらい…と途中で断念です。
世界観も今一つわからないで入ったのでそれもあるかもしれませんが。
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とてつもなく人を選ぶが読んでよかったと声を大にして言える本。
古野まほろをよく読んでいる人か、途中の描写に嫌悪感を覚えない人は読んでみても良いと思う。
ミステリを読む人というよりも、本をよく読む人には刺さるんだと思うんだ。
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舞台の舞台の舞台とどこまでも入れ子は想定可能だし、舞台と現実の境界もあいまい。ミステリ論あり、オマージュあり。新本格の体裁をとった、アンチミステリではないでしょうか。
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古野まほろが2017年に発表した「禁じられたジュリエット」の文庫版。炎上事件のせいで微妙な位置に追いやられてしまった感がありますが、読み応えのある作品です。「ミステリ小説」が退廃文学として禁書となっている日本が舞台。禁書に触れてしまった女子高生たちの矯正プログラムが幕を開ける。終始、舞台を見ているような感覚になり、本当にミステリ小説なのか?と思いながら読み進めると…終盤の伏線回収の鮮やかさがとても印象に残りました。入れ子構造の構成やスタンフォード監獄実験を取り入れた内容など面白いです。