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面白いです。学問的分析と、経験的憶測が織り交ぜてあって、読みやすさと深い考察が共存している。(それによる読みにくさもあるが)。こんだけキャッチ―なタイトルが、謎解きされるまでの流れが丁寧に書かれてて、ガツンとした読み応え。
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「自閉症の子は津軽弁を話さない」という妻の言葉から始まった、自閉スペクトラムと方言についての全国調査と、その結果から確かめられた自閉スペクトラムの子供は定型発達の子に比べて明確に方言を話さない傾向があるという事実に対する考察をまとめたもの。そのような話があるとはまったく知らなかったので驚くとともにとても興味深い話であった。この本にあるようにASDの子の言語獲得にテレビやラジオといった(主に共通語が使用される)メディアの影響があるとするならば、そのようなメディアが存在しない過去においてASDの言葉がどのようなものだったのか気になる。
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ネットで流れてきた記事を見て興味を惹かれて読んでみた。
いや、面白かった。
なかなか一般の人が知ることのない自閉症の人の言葉に関する研究で専門的な内容なのにとても分かりやすく書かれていて読みやすい。
乳幼児健診にかかわる臨床発達心理士である妻の「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ」という言葉に反論するために調査研究し続けた特別支援教育士スーパーバイザーであり同じ臨床発達心理士である夫の10年の結果報告。
自閉症児の発達過程、生じる問題を言語を中心に解きほぐしていく。だがしかし、ここに結論はない。あくまで仮定であり、多分今後さまざまな調査比較検討が行われていくのだろう。
いろんな意味で好奇心を刺激される。ここから言語学とか心理学とかどんどん手を伸ばしていきたくなる。
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結論部分はよくわからなかったが、言語の習得過程が異なるということか。
方言を話さないということや言語の習得過程など新たな知識が得られて面白い。
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刺激的なタイトルにひかれて読み始めたが、「自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く」は入り口のようだ。言語的コミュニケーションが、如何に言葉の持つ意味そのものだけでなく、共同注意を促す意図やそれに対する反応や認識を内包していることによってその成立を助けられているかが丁寧に分析・解説されており、興味深い。半端な理解で放置しているチョムスキーに、また挑戦してみようかなって気になった。
精神疾患の診断基準とされるDSM マニュアルの直近の改訂(2013年)で、発達障害関連の項目に大きな変更があったとのことで、「自閉スペクトラム症」という名称はそれに基づくらしい。
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「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ」と、妻がなにげなく一言。筆者は弘前大学の教授で、奥さんは臨床心理士。そして、10年にわたる自閉症と方言の研究が始まった。
学者の調査研究の方法がよくわかる。そして「学者魂」というべきもの垣間見られる。ことばと心の関係が平易に書かれており、非常に読みやすかった。
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弟が自閉症なので、結構納得でした。確かに弟も家族とはコミュニケーションを取ろうとせず、テレビコマーシャルなどは丸覚えしていました。
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題名を見て「たしかにそうかもしれない」と思って、どうしてそうなんだろうと思って読みました。
読み終わった今、分かったような分からないような。
学習言語には方言が少ない。日常会話から言語を学ぶのは難しいというのは、例えば私自身の英語学習とかが、同じ感じなのかな。
多分私の話す英語にはスラングや慣用句的な言い回しはほとんどないし、地方独特のイントネーションや発音はないと思う(ジャパニーズイングリッシュではあるでしょうけど)。
そして、リスニングも、教材として作られているものは聞き取れるけど、日常会話はなかなか難しく感じる。
それと同じような困難があるのかなあというのが私の印象でした。
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途中までワクワクしながら読んだのだが、最終的には隔靴掻痒の感強し。
非常に面白かったのは、とりわけ前半の緻密な調査の部分。
自閉スペクトラム症(ASD)の人達が幼い頃から方言を使わない、という気づきからその現象が全国的に見られるのか、どのような原因が背景にあると考えられるのかを炙り出すため、質問内容やその対象の選び方などがさまざまな角度から考えられており、周到な調査の手法には興味をひかれた。また、ASDの人たちの思考様式を考えることで、自分達の認識方法がより整理される点は面白かった。
しかし、結局ASDの人たちの実態がよく描かれておらず、しりすぼみな感じが否めなかった。この分析はASDの専門家向けゆえ、ASDに関する記述はこの程度で済むのかもしれないが、一般の素人としては、この現象を切り口に、ASDがどんな症状なのか、その分析はどのような切り口でなされ、療育はどのようになされているのかについて読みたかった。
個人的な記憶の話。幼い頃I君というASDの人が身近におり、不思議な、そして奇妙な存在として深く記憶に刻まれている。全く個人的な欲望として、あの奇妙さ不思議さがどこからくるのかを私は理解したいのかもしれない。
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図書館で借りた単行本とは書影が違った。
論文を一般人にも分かりやすいように書き下してのかもしれないが、結論に辿り着くための検証の説明が逆に分かりづらく感じた。
また、例えが自閉症の性質を表すものではなく、単なる性格のように思える箇所も多々あった。
研究に着手するまでが1番面白かった
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自閉症のことはほとんど知らなかったのですが、とても読みやすかったです。
自閉症と方言を紐解いていくと、「意図」という言葉に辿り着いて、色々説明できることがすごいなぁと思いました。
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テーマは明快なのに、難しくて読み終えるのに一か月以上かかってしまった。
ASDの人の特質を、うちの息子と対比させながら考えてみたが、やっぱりよくわからない。
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業界の中では以前から知られていることでも、実は体系的に証明も分析もされていないような、いわゆる暗黙知に取り組んだ物語として読んだ。
自閉症や方言についてだけでなく、色々な分野に当てはまる話だと思う。
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精神疾患と言語・方言の関係というユニークな研究。奥様とのやり取りから研究が始まるところがリアルというか、面白いというか、・・・うまく言語化できませんが、親しみが持てる本です。内容も勿論興味深いです。
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発達障害児に関わる仕事をしているので、興味深く読みました。
私は首都圏出身で職場も首都圏なので、「自閉症児は方言を使わない」を肌で感じることはありませんが、なぜ方言を使わないのかについてエビデンスを示しながら書かれており、とても勉強になりました。
ただ、やはり大学の先生の研究結果を書いたものということで内容は難しく読了までにだいぶかかりましたが