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ぶあっつ!!今年2番目の分厚さ。何度かリタイアしかけたけどなんとか読了。明治時代の作家であり無政府主義者である伊藤野枝の一代記。伊藤野枝を知らなかったので予備知識なしで読んでみたが、確かに明治時代の女性と考えたら異質。向学心と反骨精神が凄い。ただ本作を読んだ感想としては「周囲に世話になりながらも(主に金銭面)自分のやりたいことをやった人」という印象。疑問に思う行動も多々あったが、己を貫き太く短く生きた彼女を天晴れとは思う。夫である大杉栄との関係も、妻であり友であり同士であると理想的。村山さんの力作だ。
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教科書か資料集で大杉栄と伊藤野枝の写真を見たことがあったのでリアルさが増し、一気読みした。
文章から伝わる熱量がハンパなく、暫く当時の時代背景、人物像が脳内から消えなかった。
作家の中でも群を抜いて読者をストーリーに引き込んでゆく妙手であると改めて実感した。
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大作。
村山由佳さんには少女小説家のイメージを持っていたけれど、放蕩記、それから本作のような、力強い作品を書く力がある人だと知れて良かった。他の本も読まなければならない。
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あまりの厚みに挫けそうになったけど
読み飽きることなく一週間かけて読了。
伊藤野枝のことは詳しく知らず
ただその昔観た映画で演じていた石田えりの印象が強かったが
改めてその生き様を知り、彼女ほどの適役はいないように思う。
[図書館·初読·11月14日読了]
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伊藤野枝という、実際に存在した婦人開放活動運動家の半生を基にしたフィクション小説。
平塚らいてうや原敬、雑誌「青踏」など、当時実在した関係者たちとのリアルなやりとりが描写されており、途中、「あれ、これってフィクションだったよね?」と何度も確認しないといけないくらいに信用性のある小説だった。
ハリーポッター以上にボリュームはあったが、構わず流れるように没頭して読めた。
登場する主人公:伊藤野枝は、幼少期より周りから「わがままだ」「恥知らずだ」「非情だ」と言われながらも、歳を重ねてもなお自分を貫き、妨害するものには牙をむくその荒々しくけたたましい一面と、一方で女性らしい一面を感じさせられるような、人間らしく面白い人だった。
この伊藤野枝という人間が出してくる、「むき出しの自分」というのが、多くの人を魅了し、羨ましさから妬みや批判を生んでいた。
しかし、その本人が提唱していることの内容というのは、現代に生きる私たちにも共感できるものがあった。また今の時代よりも、当時の女性はもっと自我を持たずまた求められず、男性の所持品の一部であったのだと思うと、そんな時代背景の中、これだけの活動を行い続けた伊藤野枝の持つ生命力というのは計り知れないものだったのだと思った。
それとともに、当時は弊害が多かった分、反発やそれに伴う反社会的活動も相当多かったものだと思うが、現代の私たちはそうした風に異論を唱える国民や組織というのは滅多に無く、国民の殆どが流れるままに流されてしまっているのではないかと思うと、現代のこの国民の無気力さというのは自分が認識しているよりももっと問題なのではないかとも思った。
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村山由佳が、女性解放運動家を主人公に…!!?
びっくりの大長編です
でも、本当はずっとこういうのを書きたかったのかもな…
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自由恋愛を主張してからの寝首をかかれるあたり、ぞわぞわしすぎて頁を繰る手と文字を追う眼がちぐはぐした。うう。
映画『金子文子と朴烈』観たいの思い出した。繋がりはあったのかしら。
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650ページの重量にも値する、骨太の作品に出会えた。参考文献の多さを見ても丁寧に人物を掘り起こしているのが解る。伊藤野枝と言う人の生き方、恋愛、主義等、歴史の授業では僅か数行でしか語れない事が熱く迫ってくる。
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挑むように読んだ。
何度、鳥肌を立て、胸を焼かれたか。
こんなに壮絶な人生。
読み終わったらぐったりしてしまうくらいの
凄まじい重量感。
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なんと悲しい物語だろう。明治大正時代は多産の家が多かったし、女権はこんなに酷かったのだろう。そんな時代に勉学に励む、それでいて愛する男の子どもともども殺されるとは!でも最後はなんかホットさせられた。
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物語としては面白いのに野枝ちゃんと大杉の栄さんにこれっぽっちも感情移入できなくてなかなか読み進めなかったけど、野枝がずっと理不尽に立ち向かってきた姿を追体験してきたせいで、ド正論で反発するのに全く受け入れられず絶望する野枝の最期がひしひしと胸に迫ってきた。
やっぱりどうしても共感出来そうにない人柄なのに最後には感情移入させてしまう、野枝の激情を描ききった筆致がすごい。
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伊藤野枝、すごすぎ。
大杉栄にもビックリだけど、平塚らいてうにはちょっとがっかり。
現代の日本はさておき、そんなに大変な時代だったとは。
たかだか100年前なのに。
社会主義とか無政府主義とかの前に、野枝が言いたかったのは人間を人間として尊重せよ、と言うことだと思う。
読み終えたばかりで考えがまとまらないが、村山ねーさん(年下だけど)にかかると、やはりほのかにエロスの匂いがまとわりつくね。
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結構なページ数でしたがどんどんのめり込み、先が気になり早く読みたい気持ちがずっとありました。人としての力強さ、強い意志、なんて素晴らしいのでしょう。私もこんな強い意志を持っていたら…なんて考えたりしました。文章も読みやすかったです。
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『青鞜』創刊号の与謝野晶子による『そぞろごと』は「女性達よ立ち上がれ、元々女性は山の神」みたいな女性をエンパワーメントするものだったようで、さらに青鞜自体が女性によって作られたとのことで、エトセトラブックスを想起してしまった。
P155の西原先生からの手紙にある「弱い心は敵である。」というフレーズがやけに響いた
そしてP550での大杉家にはたくさんの(同士)居候がいるにも関わらず茶箪笥の引き出しにお金を入れていて、必要な者がそのつど自由に使うという不用心極まりないシステムなのに私欲に流されたり無駄遣いする人は1人もいなかった→人間の多くは、信頼されれば応えようとするものだ。たまにそこから外れる者のことは知らぬ。→先日見た『KCIA 南山の部長たち』での主人公がなぜ大統領を殺さなければならなかったのかという話しに繋がるなと思った
P552の村での助け合う〈組合〉関しては斎藤幸平さんの人新世の「資本論」を読んだ後なので『コモン』を連想させられた
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力作。すごく読み応えがあった。実際時間もかかったが。途中中弛みもあったかも…でも初めと終わりの繋がり…目に浮かぶ場面の印象的な事…知ってる人物も多く出ていて面白かった。