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エロでグロで冷徹な作者が描く斎藤道三三代記。
花村萬月が書く斎藤道三が面白くないわけがないと思って手に取ったが、期待は裏切らない。
最新の学術的発見とは合わないと作中で弁解しているが、題材となる史実をしっかり手をかけて料理している。
エピローグとなる斎藤義龍と奈良屋を継ぐ異母兄との会談は本書の主題を象徴している。
それにしてもあと書きにある奈良屋の末裔の正体が気になる。
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おもしろかった!!斎藤道三のバイオグラフィ。諸説あるところは、これこれの理由でこの説を採用したというような作者の考えも所々に挿入されているが、違和感もないし、興をそがれることもなく、いいテンポで読める。多くの才能が列挙した時代、道三というとヴァレンティーノ公のイメージ、毒殺王みたいなのが付与されてしまっているが、秀吉とは違うタイプの人誑しの才能が描かれていて、大変興味深い。残念なのは後半、ざっくりと急ぎ足になってしまっていて、ちょっと物足りなさを感じた。
美男としても有名なのだが、個人的にこの時代の美形というと高貴な容姿というか、引目鉤鼻瓜実顔、いわゆる下膨れで色白な”色男”の想像をしていたが、装丁は金壺眼(現代風では美男だが)当時としてはブサイクな男性なのがイメージが違いすぎてモヤっとした。まあ、現存している肖像が審美的にハテナな感じなので、想像力で補うことにしよう。
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斎藤道三の生涯を描く歴史小説(著者は時代小説といっていますが)
最新の資料も含めて、しっかり吟味したうえで構築されていることが、ところどころの著者の言葉でわかります。
もちろん、美濃の国盗りが親子で行われたことは定説となってきていますが、父親像も道三像も義龍像もそれぞれ似て非なるものがあり魅力的です。
著者の最近の歴史小説はエロとバイオレンスが抑え気味になっていて読みやすいです。
奈良屋の末裔について口を濁されているのが気になりました。