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2021.02.07. 読了
ワンパターンだが、
半兵衛さんが好きなので、ついつい読んでしまう。
猫被り
古傷痕
裏通り
御新造
の4話。
猫被り
呉服屋大角屋の若旦那の新助が
銀簪を元に大原ゆりを探そうとする話。
古傷痕
湯島天神の奇縁氷人石に紙を貼ったお蔦の話。
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藤井邦夫「古傷痕(ふるきず)」、新・知らぬが半兵衛手控帖シリーズ№11、2020.10発行。猫被り、古傷痕、裏通り、御新造の4話。白縫半兵衛の人情裁き、見事です。私は、裏通りと御新造がお気に入りです。
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4話からなる。
どこから読んでも大丈夫な本である。
「猫被り」
呉服屋の新助が、ゆりに送った透かし彫りの銀の簪が、古道具屋で、見つかった。
新助は、ゆりの父親の病気の時に薬を買ってやったり、仕立物のの工賃もより多く払っていたのだ。
と、ここまでを聞くと、新助の前から姿を消したゆりが、悪者のように思われるのだが、・・・・
実は、新助は、ゆりを妾にしようとしており、行方不明のゆりの捜索をコネで、奉行所に頼むという狡猾さ。
勿論半兵衛は、容赦なしに、新助を捕縛した。
そして、半兵衛のゆりの行方をくらまし、世間を騒がした事も、目をつぶってやったのだった。
「古傷痕」
湯島の天神さんに、奇縁氷人石に、迷子や人探しの願いの紙を貼ったおつた。
そんな最中、殺人事件が・・・
茶の湯の宗匠とは、始末屋やの元締めであり、おつたの探し人は、その始末屋の一人であったのだが、足抜けで、雇われた浪人の篠崎に命を狙われる。
おつたは、親の借金から助けてくれた始末屋だった秀次郎に思いをつのらせていたのだが、・・・・
おつたのかわりに用心棒の真山に討たれてしまった。
可哀相な結末であった。
「裏通り」
バブルで、不動産を買いたたくような話である。
甘味処の梅香堂も、毘沙門の甚五郎一家が、立ち退きをさせようとするのだが、・・・・
断ると、孫娘を攫われてしまう。
料理屋 花むらの主の吉右衛門と甚五郎の企みであった。
かどわかし、恐喝で、お縄に・・・
又、裏通りには、平穏が戻るようになる。
「御新造」
町医者の中原順庵が、殺された。
それに、小普請組支配組頭の岡田内蔵助も。
それは、人の弱みに付け込んで、順庵は、武家の御新造さんを診察代や薬代の代わりに、身体を求めたのだった。
そして、岡田は、お役目につきたい旗本から、家宝を差し出させたりしながら、何もしないという輩であった。
家宝を提出した者は、病になり自殺してしまう。
そんな2人を成敗したのに、半兵衛の手に掛かって、御新造の妻の犯行も自分の仕業と言って庇って死んでいった青柳平四郎。
きっと、愛妻の傍にいきたかったのだろう。
このシリーズは、すいすいと、読めて仕舞う。
快く、知らぬが半兵衛をする所が、いいのだが、時に、最後の「御新造」のように、庇われた御新造は、知らないまま生きていくのだろうか?・・・なんて少し考えさせられる時がある。
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第十一弾
浪人の娘ゆりが行方を暗ましたのは真面目に見える若旦那の猫被りを見抜いた為、惚れた男女の悲しい行方、追い立てをくらう裏店の人々、中に拾われて一緒に育てられた元武士らしい老人と孫娘が、恩義を感じる少年の行動、騙されてお互いの相方を失った男女、男の義に感じ知らぬが半兵衛
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内容(「BOOK」データベースより)
湯島天神の奇縁氷人石に尋ね人の紙を貼り、熱心に手を合わせる女がいた。その女の名はおつた。芸者上がりで三味線の師匠をしているおつたが貼った紙には、左眉の上に傷痕のある秀次郎という三十男の名が記されていた。そんな折、新堀川沿いの古寺で着流しの浪人の死体が見つかった。浪人が大金を持って死んでいたことを不審に思った臨時廻り同心の白縫半兵衛は、その死体の身許を探り始めるが…。「世の中には知らん顔をした方が良いこともあるさ」と嘯く半兵衛の人情裁きを描く、書き下ろし人気シリーズ第十一弾。
令和3年10月28日~30日