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父の濫費と奇行に悩まされる、レンブラントの息子と記憶喪失の商人が、ペストで死んで埋められたはずなのに、レンブラントの画から抜け出して生き返った? 宝石商人の謎を追って、洪水の恐怖に怯えるアムステルダムの街をさまよう。
メイントリックはどうということはないが、小ネタの使い方が秀逸で、最後に現れて名探偵ぶりを発揮するレンブラントの推理によって、一気に辻褄があっていく過程にはミステリらしいカタルシスがある。ラストのツイストも楽しい。
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ティトゥスとナンドを中心に話は進む。レンブラントは終わりごろまで姿を見せず、周りの人に語られるだけ。ティトゥスに聞いた話だけで謎解きをするのが、何だか唐突に思えてしまう。
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実在の画家・レンブラントとその息子・ティトゥス。彼らが活動していた十七世紀アムステルダムを舞台に、架空の登場人物・ナンドを絡め、ペストで死んだ宝石商の謎を追う。暗くはないけど不穏。これ本当に解決するのかなと訝しみつつ、ナンドとティトゥスで謎を解くのかと思いきや、親方がいいところを全部持って行った!? しかもたった五日でナンドの運命が数奇なことになっているのだが。こうなると、彼の後日談を知りたい。
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17世紀オランダ・アムステルダム、画家レンブラントの工房に宝石商から依頼が入る。 レンブラントの代理として息子のティトゥスが宝石商の館「翼竜館」を訪れるも依頼内容を告げないまま商人はペストでこの世を去ってしまう。 しかし再び館を訪れた時、密室で倒れていたのは例の商人と瓜二つの人物。 ペストで埋葬された遺体は本当に宝石商人だったのか? 密室で被害者の横に置かれた絵画の意味は? そして顔の見えないペスト医師と呼ばれる人物の正体は? 西洋の史実と画家レンブラントを交えた歴史改変ミステリ。
ちょっと全体的に堅苦しいね、文章はホントに歴史小説って感じです。 一応殺人事件らしいものは起こって解決はしますが本作品の主眼はレンブラントを登場させヨーロッパの雰囲気をまとったエンターテインメント。 ペストや海賊といった17世紀の持ち物をミステリにまとわせ怪しい物語となっている。
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肖像画から抜け出した王が新庁舎を闊歩する16世紀アムステルダムで、ペストで亡くなり埋葬されたと思われてた宝石商が自宅〈翼竜館〉の金庫部屋で見付かる。埋葬された人物は誰か?ペストだと診断したペスト医師も誰なのか??宝石商も肖像画から蘇ったのでは…!?みたいなミステリ。
肖像画を描いた画家がレンブラント・ファン・レインだったのも、主要な登場人物が記憶を無くしてる男というのも好みの世界でした。
謎解きも納得。息子さんと記憶を無くした謎のナンドが駆けずり回ったけれど、それまで話題に上るけど登場しなくて終盤でようやく出てきたレンブラントが全ての謎を解いたのは……えっ、、、となりました。この洞察力あって金策が上手くないのはよくわからない。ダイヤモンドの件も、欲が深かったのか…と思ったくらいです。
でも、ナンドの正体にとてもグッと来たので充足した読書でした。
宝石商ホーへフェーンが蘇ってきたと思われてた肖像画に描かれてたのは、双子のナンドだったんだろう。だから今回足で稼いでたナンドは肖像画から出てきていたので記憶がない。本物なら年齢が違うと言われていたし。初めは古臭い服着てたのもそれでかも。レンブラントとナンドの最後のやりとりに、そうか……としみじみしました。
キウィリス王が肖像画から抜け出してくる話も伏線だったのか。広がりが面白かったです。
レンブラントは有名な『夜警』など数点しか不勉強なので、存じていませんが光と影の描写が綺麗で好きです。
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面白そうな要素が揃っているのに、話の展開も文章のテンポも今ひとつ乗り切れず、レンブラントが急に出て来る安楽椅子探偵の役割で、ある意味驚いた。
表紙のデザインはとても好き。
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「起こったことをそのまま見ればいいだけだ。私に分かって君らに分からないはずはないのだが、君らはちゃんと見ていないのだ。ただそれだけだ」
2020/12/31読了
舞台は1662年のアムステルダム。語られる様々な謎は、最後の方でふらっと出てくるレンブラント親方が、サクサクッと解いてしまうのであった。