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雑誌『クウネル』に掲載されていた短編。「ざらざら」の続編。
また杏子と修三ちゃんに会えて嬉しい!
杏子も成長してるなぁ。
今回は山口さんと誠子さんの連作もおもしろかったです。
続巻がたのしみ。
クウネルはたまに手に取るけれど、川上さんの短編は文庫化するまでのオタノシミにしてます。
解説にも似たようなことが書いてあって、そうそう!と深く頷いたのでした。
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雑誌「クウネル」に連載していた短編をまとめた一冊。
その短さゆえか、さらりとした文章ゆえか、相当に奇妙な状況が“ちょっと奇妙”くらいに感じて、後から、長編になりそうなくらい濃い設定だなあと気づいたり。
でもかえって、この短さが印象的かもしれない。
小説を読んでいない時に、ふと「こんな話のこんな状況があったなあ」と思い出し、これって何の話だっけ?…あ、パスタマシーンの幽霊の一遍だ。
と思い出す、ということが何度もありました。
じわじわ心に残っていることに気づかされる短編集。
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短編集だけど、登場人物がつながっていたりして、一冊読み終えたときの満足度は高い。
いろんな好きな気持ち、いろんな苦手な気持ち、いろんな大切な気持ちに覚えがあって、自分をいちいち振り返ってしまう。短編なのに…短編だから?すごい。
心の栄養になりそうだ。
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なんだか好きなんだよなぁ、川上さんの書く物語… と、改めてしみじみと思う。
恋愛を書いた短編集。不器用な主人公達のままならない恋愛が書かれているのに、何故か、緩やかに肯定されているような、寄り添われて温かいような、そんな気がする。
何度も読み返したい一冊。
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いつもながら、登場人物のキャラクターがいい。不思議な世界のはずなのに、とても身近。するっと抵抗なく入っていけて、とても平易な言葉を紡いで文章ができているのに、ふぅと考え込んでしまうほど深い。
一つ一つの話は短いが、その余韻のせいか、少し間を空けないと次の話が読めないほど。
やっぱり川上弘美はいい。
(2013.6)
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この人の小説は、雨に似ている。それも降り出したばかりの、コンクリートのにおいが混ざったような、ものうい雨に。匂い立つのだ。いい意味でも、悪い意味でも。
全編が全て女の人が主人公の連作短編集という形を取るこの作品は、雑誌ku:nelの巻末で連載しているのだけれど、日常の中でふと訪れる恋の終わりを描いているものが多い。
今までの失恋をことごとく思い出すこと請け合いである。というか、もうその時嗅いだにおいまで思い出しそうになる。
失恋した時の、訳のわからないことにぶつけてしまった怒りとか、本当にこれで良かったのかと思い悩む頭痛みたいなぐるぐるする気持ちとか、もうほんと鮮やかに蘇る。そして、その先の、スカッとした肯定に至る所まで、思い出せるのだ。
雨の降り始めはそんなに嫌いじゃない。匂い立つ雨の香りは、コンクリート臭くて、正直昨今はいいものとは言い難くても、私は好きだ。
でも、降り続ける雨はにおいを遠ざける。人生はそんなことの繰り返し。
いいのかな、これで平気かな…?と恐る恐る始まる恋が多いのが若い頃だった。ウキウキしつつ、いつも不安で、ものうい気持ちだった。
でも、それも続けば飽きるのだ。重荷になる。不安な若い恋も雨も、長くは身が持たない。
でも、不安な若い恋は、かぐわしい。懐かしくて、いじらしい。時折ちょっとまた齧りたくなる。そんな時に、この本を開くと、気持ちが満たされる。そんな気がする。
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コロボックルの山口さんの話が所々に出てくるところは楽しい。あぁ、そうなんだーってね。修三ちゃんが出てくる話は、どうでもいいかな。なので、星三つ!
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何か結末があるわけじゃない。日常のあるヒトコマ。前にも日常は続いていたし、これからも続く。
初めて読む川上弘美作品。
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この実際にありそうな人間関係のきりきり感がだいすき。
本に出てくる人たちは、普通の人で、恋に友達関係に将来にいろいろ悩んでるんだけど、みんな生きることをなんだかんだ楽しんでる。
料理や生活用品がたくさんが出てきて、文章を読むと、匂いや触感、色が想像できてとてもリアル。そこが好きです。
お気に入りお話はたくさんあるけど、「カブ」と「ブイヤベースとブーリード。」
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短編集。
特にオチがある話ではなくても、なんだかストンと受け入れられるのが川上さんの文の魅力。同じ電車に乗り合わせている見知らぬ誰かの話かも知れないし、毎日の忙しさに忘れてしまっていた自分の話かも知れない。ちょっとした日常が並ぶ一冊。
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短編集なので、いろんな本の合間合間に読み進めて漸く読了。面白かった。やはり川上弘美さんの書く不思議で少し物悲しいお話は好き。20130622
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ほんのりと。…というのが大きな印象です。
ほんのりとした幸せ、
ほんのりとした不安、
ほんのりとした恐怖、
ほんのりとした好意、
ほんのりとした嫌悪…。
はっきりしたものではない、
でも確かにそこにあって、生活に影響を及ぼしている。
そんな情感をたくさん感じる一冊でした。
これまで朗読で耳からしか触れたことがなかった作品にも
今回初めて活字で触れることになりました。
面白かったですw。
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或る人が一歩を踏み出す前のような、前向きになれるお話ばかりで、読んでいてハラハラせず、悲しくもならず、ほんのりとした幸せと元気を貰えるような本。
読んでいて得られる物は特に無かったような気もするが、大人になるとただの恋愛ではなく結婚や不倫やいろいろな障害を乗り越えなければいけないのだなあと思った。
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登場人物も設定もバラエティに富んでいて、飽きることなく、大切に一話ずつ寝る前に読んだ。恋愛がらみがほとんどで、不倫や失恋ですったもんだしている話も多いのに、どれも軽やか。10ページかそこらの短い話ばかりなのに、どれもきれいにまとまっていて、川上弘美はやっぱりすごい。
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なんでか?泣くまでではないんだけど、目頭がギューッとなったり、鼻の奥がツーンとするような恋話や友情モノが盛り沢山。素敵な短編集。
「ほねとたね」「ピラルクの靴べら」「きんたま」が好き。一編一編が繋がっていないようで、繋がっているところがまた面白い。