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▼あらすじ
跋鬼という異形の化け物に悩まされている蒼龍皇国の公子・瓏蘭。
人々に『水晶の君』と愛され、麗しい美貌と優しい心を持つ瓏蘭は、命がけで跋鬼との戦いに向かう将軍・凱焔への褒美として、『一夜限りの花嫁』になることを命じられる。
たった一晩だけ。限られた時間の中、激しい口づけとともに凱焔の子種をたっぷりと注がれた瓏蘭。
嵐のように去った男を忘れられずにいたが、傷を負いながらも跋鬼を倒した凱焔が舞い戻り、「俺だけを飼うと仰って下さい」と縋りつかれてしまい――!?
***
ストーリーの完全度:高い
トーン:シリアス
エロ度:高い
萌え度:非常に高い
総合評価:★5.0
最強の忠犬将軍×眉目秀麗な皇帝の甥という身分差&主従CPのお話でした。
宮緒先生初の中華風ファンタジーBLとの事で、中華に慣れていない私には想像し辛い部分があったり、漢字の読み方が分からず辞書を引く…なんて場面もありましたが、それでも最後まで非常に楽しく読ませていただきました。
何と言っても凱焔のキャラが強烈で、ほぼほぼ凱焔の印象しか残ってません(笑)
自分で自分の事を犬って言っちゃうし、エッチでは舐めまくりハメまくり注ぎまくりで絶倫なんてもんじゃありません。
あまりに獣じみているのでもしかして純粋な人間ではないのではないかと疑ってしまうほど(笑)
でもって相変わらず受けに対する愛と執着が凄まじく、自分の飼い犬に本気で嫉妬するシーンは瓏蘭だけでなく私まで思わず笑ってしまいました。
凱焔って見た目は凄く男前で格好良いのに、喋ると残念なんですよね(笑)
でも、瓏蘭から礼を言われてあからさまに動揺したり、愛してると言われて泣いちゃったり、可愛げがあって個人的にはかなりキュンキュンくるキャラでした。
肝心なストーリーの方も一風変わった感じで面白かったです。まさかゾンビ退治的なお話だとは思わなかったので最初は少し驚きましたが、後半にかけての展開は緊張感があってページを捲る手が止まりませんでした。
瓏蘭を虐げていた家族の結末についてはザマァとしか言いようがなく、跋鬼の問題は完全には片付いてはいないものの、物語が良い方向に進んでくれそうなので良かったです。最後までしっかりと読み応えのあるストーリーでした。
絵歩先生のイラストも素晴らしく、特に表紙は素晴らしかったですね。この華やかさ、書店に並べられていたらまず間違いなく人目を引くと思います。
絵、ストーリー、CP…どれを取っても文句無しに良かったです。また一つ、お気に入りの本が増えました。願わくは二人のその後のお話がまたどこかで読めますように…!