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怖いかと云うとそこまで怖くないし、家に憑く霊に悩まされる設定はありがちで独創性もホラー度も前作の方が上かなと思うが、ページがスイスイ進む疾走感は軽やかでさっぱり読みやすい。
伝染する呪いの緊張感や交差する人間関係の行方、悪霊との息詰まる対決の起伏は深みを与える良いスパイス。
尼子もアキラも美也も皆基本良い人なので、その誰かが途中で死んでしまわないかという畏れが“おどろし”の恐怖を上回って最後まで消えなかった。
美也はシマの子孫で血縁だったということ?その部分が曖昧に終わってしまったのはやや消化不良な感じ。
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家に憑く霊、と思いきや正体は……
悪い奴は死んで、ちょっと迂闊だったけどそこまで責めることもできない感じの人は生き残る、ある意味安心な読後感のホラー。
個人的には美也の性別まわりの設定の必然性がよくわからなかった。すごい霊能者っぽい彼氏については「まぁそういう世界観なのね」と呑み込み可能。
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ホラーだけど怖くない。面白いには面白い。
禁足地の森がある。村が廃村となり、そこの樹木が建築材として使用されてしまう。
森は江戸時代の岡場所の娼婦が捨てられた場所で、そこで怨霊(呪い)と化した娼婦が森から出るために呪いを拡散していく。
幼少期にその森の入っていった美女の外見を持つミヤという青年が呪われている。キスをすると呪いが感染する。
恋人のアキラも霊能力者。この二人の関係が普通の男女と思ったら、BL的なものだった。アキラが女だという仕掛けがあるのかな?と思ったらそうではなかった。
そうすればいいのに。
ただ、このキャラがよく立っていたと思う。
物語は、禁足地の森から伐採した木材で作った家を買ったサラリーマン一家が呪いに襲われ、ミヤ、アキラが助けるというもの。
サブストーリーとして、父、娘の関係。娘の葛藤、パパ活など、複層的な展開になっている。
このあたりが巧み。
文章がすっと頭に入ってくる読みやすさがある。ただ、この読みやすさが、恐怖を軽くしているような気もするのでなんともいえない。
ホラーと言うより、キャラ小説として面白かった。続編、シリーズ化されるのではなかろうか?
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尼子家→夫婦、長女、長男
尼子家が家を購入。住み始め、旦那と長男を襲う怪異。
この怪異は、キスにより伝播する。
異変を最初に感じたのは夫。
家族を大切に思う夫…頑張る…
しかし、家族に呆れられる夫…
それでも、諦めずに家族のために…
家族愛、溢れていました。
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ホラー小説としては恐怖する事は無かったが
エンタメ的には読みやすく良かったのではないかと。
個人的には題材が良いだけに
ガッツリホラーで読みたかったな。
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【2024年114冊目】
念願のマイホームを手に入れた拓真は、愛する妻と娘に幼い息子との四人新生活をスタートさせた――のだが、拓真の周りで不可解なことが起こり始める。鼻につく抹香の香り、家族ではない女の笑い声、ふとした瞬間に目に入る艶やかな着物を着た女の姿。バーで偶然出会った霊能者に家に来てもらったものの、拓真は呪われていないのだという。だがそう言い放った霊能者の後ろにはやはり着物姿の女が拓真を見ていて――。
家族の話というと、結構な確率で家絡みだったりするのですが、家が絡むと大体呪われる側としては理不尽だなと思うことが多く、今回もそのパターンでした。新築で買った家で怪異が起こるの気の毒すぎる…。
今作は霊能者が2人出て来ますが、途中の意外な展開に「おっ」と思うなどしながら読み進めました。人間の怖さよりも幽霊や怪異の怖さなので、いつも通りに想像力を働かせなければそんなに怖くはないです。映像化は絶対しないで欲しいですけど。
表紙の絵もおどろおどろしさより儚さが目立つなと思いました。読むと理由がちょっとわかる気もします。
因果応報なところがあって、少しだけ救われましたが、ラストにもうちょい怖さの余韻を残して欲しい感じの話だったな〜。