紙の本
歴史を友に
2020/08/03 13:09
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投稿者:やっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
池田晶子さんの『14歳からの哲学』を読み込んだ若松さんの文章は、彼女への手紙でもあるかのようでした。
もし、絶望を感じている方がいらしたら、この一文をご紹介します。
「私たちには歴史という豊かな遺産がある。歴史のなかに自分の対話の相手を見つけていかなければならない場合がある。別ないい方をすれば、自分はひとりだと思う前に、皆さんは歴史のなかに友を探すことができるのです。」
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言葉とコトバ。
言葉と沈黙。
生と死。
「と」という「あわい」に漂う、曰く言い難い何かを手探りで探すこと。
言葉を介して、あるいは、沈黙を介して、みえない友人とつながること。
じっくり考えていると、日常の狭い柵の中で埋没するように生きていた自分が、息を吹き返してつながりのなかに解放されてゆくのが感じられる。こうして感想を書きながら、自分の中で正体を変えてゆく自分の蠢きが、わかる。
そういう本にまた一冊、出会うことができた。
若松先生の言葉に直に触れた子どもたちは、その後、どんなことを感じながら生きているんだろう?
たくさんのプラトンたちのコトバも聞いてみたいと思った。
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https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000818202020.html
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とある知人に貸していただいて。
若松英輔さんの本は、わかりやすいようで、わかりにくい。
易しい言葉で難しいことが書かれている。
若松さんの敬愛する池田晶子の本を読んだときも、空を掴むようなわかったようなわからないような感覚になったけど、この本も似たような感じ。
もうすこし、大切な人が大変なときに仕事に没頭してしまったことなどについて、個人的エピソードを知りたかったんだけど、この人はそういう方針じゃないですよね。
言ってることはとても大切なことなんだけど、個人的エピソードがないので、なんだか身に入ってこない。
紹介している先人たちは、とても(教材として)良い人たちを紹介していると思うが…。