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とってもわかりやすいですが、全部マンガで中身が薄いのではなく、分かりにくい現場表現や、症状のところだけマンガにされている、至極まっとうな本です。
・救命治療が延命措置に変わること
・自然な死を妨げるのは延命措置が招く「死の壁」
など、表現や伝え方が難しい内容を
分かりやすくしてあって、理解しやすいです。
緩和ケアとして、安らかな死を
誰しもが求めるものの、過程や手続きが難しいもの。
その辺りの理解を学ぶことができるのも魅力です。
ACP(人生会議)についても解説されてあって
症例もいくつかあり、具体的に考える機会にもなります。
医療補助行為も、絵で説明されてあって分かりやすく、
排泄、褥瘡、入浴にも詳しいです。
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[墨田区図書館]
何かで見かけて予約したのか、図書館で目にしたから借りて来たのか、きっかけを忘れてしまったが読んでみて良かった。
現実的に自宅での看取りの可能性は低い。ただ、何が起こるかわからないし、"自宅での看取り"でなくとも、人の終末においての知識は、ないよりあった方がいいに決まっている、(←別に"死"に関してでなくとも知識はないよりあったほうが派だからかも。)という意識で読んでみた。
マンガとあったが、実際にはマンガはエピソードやコラムのように出てくるだけで基本は文章。なので思ったよりも(私には)知識習得本として使える読みやすさだった。「マンガなら読める!」派の人が勘違いして読みだしてしまうと、冒頭の筆者のエピソードのあと、読みづらく感じてしまうかも。
ただ、細かいところは読み飛ばしたものの、実際にこの経験をするとなった際には最初の心構えとして読んでおきたいと思える本だった。下記に役だちそうと思えた内容を。
■命の燃え尽き方(P.30)
一般的な死ぬ(老衰)までの様子と日数、「下顎呼吸(死前数時間前に起こる、口を大きく開けてあえぐような早い呼吸)」や「死前喘鳴(死前1-2時間前に喉元でする唾液や分泌物によるゴロゴロという音)」などが改めて時系列の中で紹介されていて、自然死の場合の約1w前からのイメージを知ることが出来た。
■枯渇死への誘い(P.41)
食べるのには4つの脳神経(三叉神経、舌咽神経、迷走神経、舌下神経)が正常に機能し、かつ飲み込む際に呼吸を止めることが出来なくてはいけない。無理な飲食は誤嚥による窒息リスク、更には誤嚥性肺炎から慢性呼吸不全状態になる危険がある。
食べる意欲をなくし、口の中の分泌物が目立ってきて痰がからんでせき込むことが増えた(小さかずき1杯の水をむせずに飲めるかどうかが目安)ら、飲食をやめた方がいい。そうすると体力の消耗と脱水が進むが、誤嚥のリスクが減るだけでなく、意識の低下が進むことで辛い症状への認知意識も低くなって楽になり、自然死に最も近い「枯渇死」に繋がる「ドライアップ」が出来る。
■人工呼吸
急性肺炎などの一時的な呼吸不全になった場合は"救命治療"だが、"延命措置"としてつけられた人工呼吸器は基本的に一度装着したら外せない⇐終末期医療として行うのかどうかを、事前に医療・介護関係者と十分に話し合って検討する必要がある。
また、似ているけれども"酸素吸入"は延命措置ではなく、"緩和医療"。ただ、酸素吸入をしながら病状が悪化すると、血液中の二酸化炭素濃度が上昇することで血中酸性度が上昇し、麻酔にかかったような意識低下、更には呼吸中枢の機能停止を招く(二酸化炭素ナルコーシス)。ただ、これも人工呼吸で回復させるのか、このまま苦痛緩和の目的で維持して見守るのかも、事前に考慮しておくとよい。
■リビングウィル/事前指示書(P. 67:Part3)
人工呼吸器や心臓マッサージなど生命維持レベルでの治療の有無から、栄養補給、水分補給などの項目ごとに治療を希望するのかどうか事前に書き留めておくこと。
いきなりイメージ出来ない時は、��しもの時と各項目への希望が書かれた、8枚の「もしもしーと」と、自分が大切にするものが何なのか、22枚の「いま、たいせつにしたいもの」を優先順位をつけて5つ選び、その割合を円グラフで表すことで、自覚していない自分の希望や思いをまとめていく。
・リビング・ウィルとは@日本尊厳死協会
https://songenshi-kyokai.or.jp/living-will
・私のリビングウィル@千葉県医師会
https://www.chiba.med.or.jp/personnel/nursing/download/mylivingwill_2019.pdf
・わたしのリビングウィル@松本市医師会
http://www.matsu-med.or.jp/livingwill/
■在宅療養に必要なもの(Part4)
訪問看護(お金次第で上限なし)、訪問介護(要介護度の制限あり、それ以上は100%自己負担)、医療&介護&福祉のつを連携させるケアマネージャー。少しでも人に対して不安なことがあれば、遠慮せずに担当者変更も考えること。
■実例&具体例(Part5)
実際の看取り例をいくつかと、在宅看護で必要となる排泄介助、更に在宅療養サポートの例として、訪問入浴介護、訪問リハビリテーション、訪問理美容、訪問歯科医療、アロマトリートメントなどの紹介、
更に視点を変えて看取る側となる家族のレスパイトケア、
更に看取り後の遺体のケアとなるエンゼルケアや湯灌、エンバーミングなどの紹介
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母の看取りの備えとして読んだ。
自宅で看取るにあたって、どのくらいの費用がかかるのか、どのような人がどのように関わるのかなどが、具体的に書かれていて分かりやすかった。
一人暮らしの人でも、在宅医療を使えると知ってびっくり。
現在は8割の人が病院で亡くなるらしいが、今後、自宅で亡くなる人が増えるのかもしれない。