紙の本
優しさいっぱいです(^^)
2018/07/10 20:55
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
空き家を再生、写真の良さを改めて知る優しさいっぱいなファンタジックな素晴らしい作品でした。汀は小学校5年にしては、大人びてしっかりすぎだろ!と、年齢設定にツッコみたくなりつつも、なんだかんだで物語に引きこまれ、あっという間の読了でした。空き家課という仕事があるならば、この街で、そして空き家課に転職して働きたくなりますね。建物、景色、街、人そして写真、すべてに優しさと温かさに包まれた物語に読み終わったあとは、笑顔になりました。
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はじめちょっと取っつきにくかった。個人的に子供が振り回す話が苦手なのかもしれない。
写真というものについて考えさせられる作品だと思う。写真は残るのに、そこに写る時間も場所もモノも今はない。死んだ猫の写真みて思う。
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海上都市「海市」に構えられた「空き家課」は、古い空き家を保存・管理し、新しい住人にあっせんしている。職員の明は、ひょんなことから彼の上司の娘・三上汀が、場所に刻まれた思い出を蘇らせる、不思議な力を持つと知る。そのころ、薔薇屋敷の調査へ、湾岸地区再開発を狙う大企業の妨害が。汀は明を強引に説得し、その理由を探ろうとするのだが……。切ないノスタルジックファンタジー。
もう一つのあとがき
http://kodanshabunko.com/afterword/afterword_01/20160401.html
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【あらすじ】
ベニスのように美しい水上都市、海市。その一角にある風変わりな組織“海市協会空き家課”。だれも住まなくなった建物に再び命を吹き込むのがこの部署の仕事だ。そこに勤務する間宮明はちょっと気弱な25歳。仕事で扱う古い建物から古いアルバムをくすね、蒐集する悪癖がある。ある日、明の仕事に課長の娘・三上汀がついてくることに。そこで、汀の能力が目覚め……。次々に現れる空き家の謎を解く事は出来るのか!?
【感想】
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写真を撮った場所で、写真に触れると、撮る少し前の情景が蘇る。そんな力を持った小学生が、不思議とともに疑問を解決する糸口を見つける話。主人公はそんな小学生汀ちゃんに振り回されながら一緒に走っていくので、当人は大変でしょうが、終始微笑ましかったです。
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日本のベニスと呼ばれる水上都市で、課の最年少職員で勤めて二年の明が上司の娘で五年生の汀に引き回されながら空き家を回る。バラ屋敷に宝探し、ミッション系女子校の転落事故、汀の亡き母の秘密と祖母との交流。同じ場所で写真に触れるとその時の様子が現れる汀の超能力が、浸透してからは程好いスパイスとして楽しめた。
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「ロイヤルサンセットローズ」
毎日見える景色は。
思い入れも何も無いのであればいいが、少しでも思い出が残っていれば簡単には手放せないだろう。
何気ない日常だったからこそ、記憶の隅に押しやられてしまっていたのかもしれないな。
「まやかし師」
謎解きを共にする。
あれだけの謎を簡単に解いてしまうなんてと思うが、子供の方が柔軟な考え方が出来るのかもな。
最後の問題の答えは分からないままだが、これからの楽しみは増えたのかもしれないな。
「オルガン奏者」
最期に見た景色は。
何もかも失ってしまった状況で、懐かしい音が聞こえてきたら有り得ない事でも信じたいだろうな。
勝手に入り込む者たちが悪いのだが、悪質な道具を取り付けるのは流石にやり過ぎだろ。
「百五〇年祭」
見つけてしまった。
母親を亡くしたというだけでもダメージは大きいだろうに、それ以上となると自衛したくなるだろ。
タイミングをと思っても、いつが最適なのか誰も分からないから後回しになるのかもな。