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筆致が非常にロジカルで相場への挑み方をロジカルに学びたい人には有用。何度も繰り返し読んでロジカルシンキングを身につけたい。以下、印象に残った内容を残す。
①1980年以降、フリードマンの掲げる新自由主義に則った政策が実行され、規制緩和と減税が進み、その結果、強者にお金が集まる構造が出来上がる。この辺りから、株式市場の上昇ペースも過去と比較して上昇してゆく。
それまでは、実体経済が『主』としたら、市場は『従』と考えられていたが、2021年現在を考えれば分かりやすいが、市場が大きくなり過ぎて、実体経済を振り回すに至っている。
悩ましいこととして、市場の悪化を放置すると、実体経済に深刻なダメージを与え、それを放置すると、その後の回復に余計なコストがかかることである。(日本の1989年のバブル崩壊を考えると分かりやすい。この時は適切な対策が取れずに株式市場の底打ちに14年かかった)
②ボラティリティが高いもの程、逃げが大事。
新興国投資やテーマ物投資(今だったら、メタバース、NFT、自動運転、フィンテックなど数えればキリがない)をやる際は肝に銘じておくこと。
相場はある程度上昇してモメンタムができると、自己実現的に上がる習性がある(下がる時はダウントレンドが継続する)
さらに、近年は低インフレが続き、業績相場でも低金利を背景とした金融相場の様相が重なって現れることが多く、大相場になりがちで、より誇大なテーマを帯がちになる。
③新興国の投資スタンスは実質GDP成長率とインフレ率を足した数字と政策金利を比較するやり方が良い。いわゆる中立金利がどのあたりにあるのかを探るというやり方で、政策金利が実質GDP成長率とインフレ率を足した数字を超えてくると中立金利を超えた数字と判断できるので、引き締めスタンスと捉えることができる。
金利を見ないと、株は絶対わからない。
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後出しジャンケン的な自慢話でも小手先のチャート術でもなく、しっかりと経済の流れを理解した上で投資しようという正攻法。いい意味でタイトルの軟派さに裏切られた。
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マクロ視点での投資を学びたい人にとって超良本。長期から超長期目線の兼業投資家はこの本に書いてあることを理解し景気後退局面を少ないダメージで乗り切ることができれば生涯のパフォーマンスが格段に上がると思う。
内容が濃く一度読んだだけでは半分程度しか消化できていない気がするので何度も読み返したい。
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投資は買うときより売るときの判断が難しい。
この本は投資の出口について書かれた貴重な本。
ボリンジャーバンドのxxで売るなどのわかりやすさはなく、この時期になったらと言うものでそれがいつなのかは結局個人がどう感じるかによるところもあるため、完全に落とし込むのは難しいですが。
なお、私がこの本を買った理由はべつにあります。
数年前から米国株投資をしていますが、コロナ時下落した株価が回復した後も円換算するとまだマイナスと言う状態がしばらく続きました。長い月日を経て円換算してもプラスになるとき、安堵して売った株がいくつかありました。
円が自国通貨でなければこの苦しみは短く、回復時にストレスからの解放を求め売ることはなかったかもしれない。なお、見えづらいですが下落ピーク時にはドル円も下落しており円換算したときの株価は外貨でみたときより更に良くなかった。つまり円で米国株を買うと言うことは、米国人よりも下落時の幅が為替差損分大きく、回復も遅く、と言うつらいものであることを差します。
なお、今はドル円が110円でもはや円からの換金をしてまで株を買うには買いづらい水準。
このモヤモヤについて明確に説明されている。と聞いてこの本を買いました。結果は大変よい回答を得られました。
また、だからこその投資手法が書かれている点も思わぬ産物でした。やはり少しアマチュア投資家には噛み砕く必要が往々にして有りますが、少なくとも円が自国通貨ではない外国の投資家の手法とは少し変えるべきであるという気づきはできると思います。
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タイトルとは裏腹に、投資について煽ることではなく、ロジックに基づいた手法を提示。内容に一貫性があり、実践したいと思った。
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コアとサテライトで回していくのは以前から理解があったが、サテライト部分をヒットアンドアウェー方式でうまく売り抜けつつ、次の機会を待つ戦略は一考の価値がある。
後段、長期の見通しが掲載書かれているが著者のマクロ・ミクロ的観点も勉強になる。良書。
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景気や為替についてのサイクル、そのサイクルの中での投資戦略について書いてあります。
勉強になりました。
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本当にそう。筆者の言う通り。上手に逃げれたら資産は積み上がるんだろうけど、逃げ損ねることが多い。自分の欲との戦いに負ける。
書いてあることを実践したら収益が上がるわけではないが、なるほどと頷ける内容。濃ゆい。
ドル円は景気が下降すると少し遅れて下降(円高)になり、景気が上昇すると少し遅れて上昇(円安)に動く。
もし30年前に投資をスタートしていたらこんな成果が…!ではない「現在の視点で過去を解釈しない」ことが大切。
上がり百日、下げ三日。いざ逃げようと殺到すると出口の隘路化を強める。これに巻き込まれた投資家は相場回復の確率を高く評価して損切りを見送り過大に膨らんだ損失を抱え込む偏向が確認されている。
人間の脳が複利など累乗計算を苦手とするから、ネズミ講のような詐欺や、コロナ感染者の急増に慌てる現象が起きる。
投資家の行動はコスト水準を挟んで利食いを早める人、損切りが遅れるか見送る人、ルールとして即座に損切りする人の3種。
逃げて勝つための行動を取るべきなのに動けない最大の理由は自分自身の脳内にある。投資を律するロジックの理解を強化することと、心理的歪みに打ち勝つ胆力を鍛えることが逃げて勝つ基本。
相場暴落に際してどう対応するか、常に一歩先の行動ルールを自覚することが必要。
逃げて勝つ目的からは米国株式に投資対象を絞って機動性を確保。
金(ETF)現物購入しなくともETFで投資できる。金は究極の安全資産。一定割合の保有が妥当。
相場について特定の予想水準にこだわると「目標値までもう少し」などと思ううちに、相場の変調に対する感覚が鈍り、行動の迅速性も損なわれがち。自分の投資収益の目標にこだわることなく、相場への追い風が続くかに意識を集中しなければならない。追い風に乗ることだけ考え、相場の予想や目標の水準にかかわりなく、風が巻く兆しを見たら退避する。逆風には表に出ない。それだけで勝利できる。
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円高円安と景気の循環論。コロナ後ウクライナ前なのでウクライナがいい検証になってる。経済には詳しくないので、さてどんなものか誰かに聞いてみよう。
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2020/11初版。私の新たな気づきは少なかったが良書だと思う。市場参加者の属性別の株式市場の見方の傾向/癖がおもしろかった。
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昨今の「長期・積立・分散」で積立NISAで株式インデックスファンドを積み立てていれば安心という価値観に警鐘を鳴らす良書。
20年後の収穫時期に暴風雨(大暴落)が来ても慌てないように投資のセンスを磨き続けるのはやはり大切だと思いました。
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金融投資に精通する著者が先人の経験から学ぶ手堅く売り逃げする投資の極意について書いた一冊。
10年の期間で資産を分散させ有利な時期で乗り換えるコア・サテライト投資について7つの鉄則とともに書かれており勉強になりました。
また新興国投資や分散投資や積立投資、AIによる投資など流行となっていることについても著者の見解が書かれており勉強になりました。
投資の時間軸や景気サイクルをうまく活かして投資することや日本株やドル円相場との関係性や景気の立ち位置によって投資するETFをうまく選別する方法なども学ぶことができました。
また為替や各国の金融政策などから新興国や米国の株式などの買い時や売るタイミングをはかる方法も知ることができました。
また投資における心理学・行動学を客観的に捉えることや金融機関別の専門家予想の違いやテクニカル分析の考え方など投資に精通する著者だからこそ知り得る内容も多く載っていました。
また、コロナ禍から今後経済がどのように進んでいくかや執筆当時の2020年からのやく10年にわたる未来予測も参考になりました。
追い風の流れに乗ることやタイミングを見極めて売ること、常にリスクを念頭に置いて投資をすることの大切さを本書で学ぶことができました。
そして、本書で解説されていた逃げて勝つセンサーを身につけるためにさまざまな情報から自分で考えることが大切だとも感じた一冊でした。
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グローバルマクロの視点から初心者でもわかりやすく市場原理を説明している。サイクルを理解しているだけでも下手に惑わされることが断然少なくなる。
やはりチャンスで稼ぎ、しっかりと逃げ、また来るチャンスまで我慢強く待つことが大切である。
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日本人は円を自国通貨とする宿命。
円安で株高、円高で株安。動きが増幅される。
時間差で現れる内外の株式、新興国、資源、長短金利などにサイクル投資すること。
新興国は、リスクオンのときとオフの差が激しい。避けるのではなく絶好の買い場と逃げ場ととらえるべき。
コア投資は、長期分散低コストのETF。アメリカETFを中心に。
サテライト投資は、株式、新興国通貨、金、REITなど。
株式に先行するのは金利と住宅指標。
円はあまのじゃく。日本が債権国だから。リスクオフだと円への還流で円高になる。
外国人が日本株式を買うと、円高になるはずだがならない。為替をヘッジするから中立的になる。
ドル安なら新興国株式や商品が上がる。=リスクオン。ドルがだぶつくから新興国にも資金が流れる。
海外投資はアメリカを中心に考える。円相場はあまのじゃくだから日本の視線ではなくドルの視線で考える。
新興国は、振れ幅が大きいので、ドルのサイクルに乗って考える。持続的なドル安と世界需要が増えると新興国の景気が良くなる。
証券会社の予測は、円安株高に向かいやすい。
米国ETFと日本ETF、新興国・資源相場連動ETF、金DTFに投資する。
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株を買うのは簡単だが、売るのは難しい。まぁ成長している限りは売らなければ良いのだが・・・。
この本が出たのが2020年、それから3年が経ち各国中央銀行の金融緩和はとてつもない量になった。大分前からこの危険性を訴えていた人も多いが、米国を筆頭として世界の株は上がり続けて10年になる。流石にこれがずっと続くと考えるのは無理があると思う。が、この上昇相場がいつまで続くのかは誰にもわからない。
で、売るタイミングを少しでも遅れないようにするにはどうするか。
超長期投資も決して安全ではなく、自身が設定する投資期間の終盤10年以内になったら、逃げ時期を見落とすことの深刻な損害リスクに備える必要がある。
米国で金利上昇を嫌って株価がぐらつくのを淡々と見極め、潔くリスク投資から手を引くのが鉄則。
バーゲンハンティングこそ割安株投資。(今では無い?)
近年悩ましい問題は、低インフレ・低金利環境の長期化。景気拡大サイクルが長引き、最初の金融相場と次の業績相場が重なって大相場となり、金融引き締めで急落したかと思うと、再び金融緩和で相場が持ち直す。これでここ数年の上昇を取れなかった人も多いだろう。この本にも割りきりとキメで、一部確定売りを段階的に進めることとある。
今後円の為替需給の構造変化から、景況・市況悪化時の円高リスクは劇的ではなくなる可能性を指摘されてある。海外投資により取り組みやすくなる。
著者の展望として2023年~25年位にFRBの超金融緩和終了で急落するシナリオ。しかし現実はすでに米国の利下げが始まりそう。数年先を読むのも難しい。そして深刻な金融危機でないと判断すれば売却したものはそのままドルで保持。次の投資機械を待つ。
地道な戦略だが、まぁそれしか無いということか。