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CL 2021.2.10-2021.2.14
シェトランド四重奏のラストがショックで、次のシリーズが読めてなかったことに気がついた。
これは新シリーズの3作目。相変わらず凛とした佇まいの味わい深い作品。
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アン・クリーブスの、シェトランドシリーズ第二弾、三作目。前のシリーズで最愛のフランを亡くして以降、まだ立ち直れなかったペレス警部だったけれど次第に以前の冴えとその人となりを武器にした捜査力を取り戻してゆく姿にホッとした。しかも、今回は主任警部(上司)との一歩前進した関係も。
狭い島の多くはない人間達の様々な人間模様が浮かび上がってくる。土地に根ざした人、外から影響を及ぼす人、どんなストーリーにもそれは欠かせないけれど。
また、美しいシェトランド地方の風景も四季を通して眺めることが出来るのがこのシリーズの楽しみのひとつ。
四作目もあるようなので、待ち遠しい。
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忘れがたいシェットランド四重奏の衝撃の結末が未だに尾を引いているのだが、
その後のペレス警部シリーズも3作目となる。
なるほど、マイルストーンね。
主役はシェットランドの地とも言えるこのシリーズの冬の部を、こちらも極寒の季節に読めるというのは至福。
何人もの目撃者が異常に記憶力よいのと、後出し的な都合の良すぎる部分が謎解きとしては少々気にはなったが、それよりも派手なところのない登場人物たちがとても好きなので楽しかった。
シェットランドにスペイン系のハンサムがいたらそりゃかっこよさが際立ちますわ。しかも世界一優しい!
ミステリに恋愛要素が入るのは好きでなく、まして捜査員同士というのはとてもいやなのだが、まあ今回は許容範囲。結局人によるのかなぁ。
亡くなった人のかげが色濃く、冬のシェットランドがさらに暗くなる。
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シェトランド四重奏という4部作の続きで、ペレス警部シリーズとして通すと7作目。
英国最北端のシェトランド諸島。
狭い社会で、村の人間はお互いに何でもよく知っていると思われていたが…
ペレス警部がささやかな葬儀に出席していた時、突然大きな地滑りが起こった。
目の前で、農場と墓地を巻き込む事態に。
崩れた建物の中から、女性の死体が見つかる。
誰も知らない美しい女性、しかも地滑りとは無関係に、その前に殺されていた…
シェトランド島ならではの古くからある暮らしの習慣や因縁が絡んでいる事件が多いのですが。
今回は、開発が進む最近の事情も大きく影響してきます。
ペレス警部は婚約者を喪った悲しみを抱え、残された幼い娘を育てながら暮らしていました。
出会う人の心を開かせる優しい性格だけに、その気持ちは切ない。
少しずつ立ち直り、本土の警部である(つまり上司の)女性ウィローとの仲が次第に深まっています。
さばさばしたウィローとの距離感もいいですね。
頼りなかった部下のサンディがだんだん落ち着いて、彼の人の良さも生きてくるのです。
いつもながら細やかで、その土地の独特な空気や厳しい自然、そこで暮らす人の息遣いまで伝えるような、描写力が素晴らしい。
題材や展開に新しさもあり、ペレス警部の今後が開かれる気配も感じたり。
さかのぼってみたら、2008年6月に四重奏1作目「大鴉の啼く冬」の感想を書いたのが最初でした。
あと一作で完結とは惜しまれます。
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シェトランド島シリーズの七作目。
一作目に登場した、いや重要人物だったといって良い隣人が亡くなり、
その葬儀の最中に地滑りが発生する。
土砂が直撃し破壊した家は人が住んでいないはずだったが、
女性の遺体が発見され、検死で殺人だと判明する。
女性は誰なのか、なぜ空き家にいたのか。
サンディは前作で再会した昔の同級生と付き合いはじめていて、良かった。
事件がらみで出会う若い女性にいちいち目を奪われないようになったのもあり、
粘り強い聞き込みで成果をだしたり、
重要な情報を発見したり、
どんどん捜査に役立っていて、嬉しくなってくる。
女性の身元が判明するかと意気揚々とかけたペレス警部がかけた電話で、
本人がでてしまった場面や、
ペレス警部とウィロー主任警部が一晩過ごした後のよそよそしさを、
サンディが仲違いと誤解していた場面が面白かった。
四季折々のシェトランド島の自然や天候も楽しめた
このシリーズもあと一作。
早く翻訳してほしい。
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シリーズ7作目。
ペレス警部の心理、行動とシェトランドの風土も絡んだ捜査の進行など、文章も読みやすく読んでいて楽しい。
サンディも少し成長してきた。
次作が最終作とのこと、新たな恋の行方も含め、最後はある程度のハッピーエンドを期待。
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シリーズものの途中巻と知りつつ
手を出してみました。
土砂崩れで埋まった家から
他殺体が見つかったという謎が
魅力的だったので。
要救護者を探して動き回ったので
殺人現場としては物証も出なさそうってとこが
リアルに感じました。
そりゃ、実際そんなことあったらそうよね。
手堅いミステリで
犯人も「おお〜」と思ったけど
島内という狭い世間の人間関係が
いろいろ面倒くさそうだった(−_−;)
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ジミー・ペレスの新作「炎の爪痕」を読もうとしたら、1個前の作品を読んでなかった。前回ウィローが出てきた時、あんまり好きになれないなと思ったが、今回ジミーとの仲が進展して、彼女の印象も変わって、素直に良かったなあと思えた。
事件は、地滑りで流された家で殺された女性が見つかるところから始まる。近くに住む、どこか張り詰めた様子のジェーン一家、一向に良くならないシェトランド島の荒天。2件の殺人で更に全体の雰囲気が重苦しくなっていく。サンディの存在だけが軽くて明るい。最後あたりで犯人はこの人かなと分かったが、ウィローまでも?とヒヤヒヤしたが助かって良かった。
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ペレス警部シリーズ。ペレスの自宅の近くで地滑りが発生。壊れた空き家から女性の絞殺死体を発見する。今回も、シェトランド島の自然と濃密な人間関係を背景に、辛抱強く事件を追ってゆく。今作も、アン・クリーヴス独特のゆったりとした時の流れとペレス警部の落ち着いた佇まいに、安心して読破できる一冊である。
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あれっ、
確かわたしはミステリーを読んでいたはず…
なんだけど、もはやこのシリーズ、
ジャンルはミステリーと言うよりは人間ドラマ。
ザ・シェトランドの人々。
おなじみの登場人物や、何かありそげな住民たちの
頭の中を覗き、その関係性をあれこれと想像するのが日常となり、犯人が誰なのかは二の次になってきた。
今回はシリーズ一作目に登場し、犯人扱いされた老人
マグナスが再登場。
愛すべきキャラクターだった彼がなんだか懐かしく、しんみりとした気持ちになった。
と、ここからは心の声です- - -
あ〜、それにしてもペレスの恋心がもうやばい!
元々が真面目なだけに、どうなってしまうのか?
お願いだからもうその辺でやめて…と願ってる。
サンディの恋は応援できるのになぁ。
いよいよ次はシリーズ最終巻!
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比較的懇意にしていた知人の葬儀の最中、轟音と共に大規模な地すべりが発生。
土砂は丘の斜面を駆け抜け、幹線道路を挟んだ農家を直撃。
亡き恋人フランの墓石も流されてしまうような惨事の中、落ち着きを取り戻したジミー・ペレスは被害の状況を確認しに農家へと向かう。
そこで発見された赤いドレスに着飾った美しい女性の死体。
その農家は空き家だったはずなのに、この女性は一体誰なのか。
さらに検死で判明した事実。
女性は地すべりにより命を落としたのではなく、その前の時点で殺されていたという。。。
女性の身元を辿るうちに、またしても「ここはシェトランド」の狭く濃密なコミュニティの人間関係が複雑に交錯していく物語。
『水の葬送』では腑抜け気味だったペレスもスタートからだいぶ調子いいなぁと思っていたのだが、「今回で島に来るのは3回目」というウィローの発言で気付いた。
あれー、1作飛ばしている。
1作飛ばしているはずなのに思ったほど進展していないペレスとウィローの関係。
様子を探り合いながらじりじりと縮まっていく二人の距離にやきもきしながらも、公私を分け、サンディを入れた3人のチームで和気あいあいといった風情で事件解決に向かっていく構図が印象的。
冒頭の知人マグナス・テイトはシリーズ1作目『大鴉の鳴く冬』のキーパーソン。
お馴染みのシェトランドの地図だったり、ここへ来て1作目を絡めてくる演出だったり、すっかりこの土地を知る者の気分にさせられる。
作品世界に対する没入感、物語をリードするジミー・ペレスとその仲間達の心理の善良さ。
やっぱりアン・クリーヴスは心地よい。
ペレスとウィローの行く末を先取りしてしまった(つまり1作前では何も起こらないのだろう)のはしくじりだったが、一旦The Four Element Quartetの2作目『空の幻像』に戻ります。