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季語に纏わる話と、その季語を使用した一首を二ページでひとまとめにし、さらに春夏秋冬と新年に分別して見やすい。
それにしてもなんとも自分が普段から使用している言葉に対しても、その自然風景や背景などが隠されていることに無頓着になっている今日この頃を思い知らされるとともに、著者はその繊細な、また、なかなか見落としがちな物事も見事に捉えて、しっかりと向き合い、言葉にしていることが、この一冊だけでよくわかる。
またてんとう虫(春でなく夏)、西瓜(夏でなく、秋)など、現代との季節感の齟齬を感じざるを得ない言葉や、「日永」「薄暑」などなど普段使わないも、その響きと字面から魅了されるものもある。
日本人がいかに自然と向き合い、共に生きてきたかもこれらの季語からよくよく身に染みる。
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どうやら俳句を味わう作るには自然と仲良くならないといけないのかも。自然に溶け込む私。自然の中の私。
先日みた『ザリガニの鳴くところ』思いだした。森の奥深くまで一人ではいっていくと、そこは自分と自然しか存在しない空間であることに気づく。生き物がありのままでいる場所。それを切り取る。受け取り方もその人のありのまま。心のままに。
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タイトル通り川上弘美さんが好きな季語全96をエッセイ形式で編んだ作品。
1つの季語で2頁が割かれその季語を使用した俳句が1篇紹介されている。
毎週楽しみに観ている「プレバト」の俳句コーナー。
季語の豊富さにはいつも感嘆しているがこの作品で新たな季語を知り日本語の繊細さに惚れ惚れする。
驚いたのは夏の季語だと思っていた「西瓜」「朝顔」が秋の季語だった事。
漱石や龍之介、正岡子規、一茶などの俳句も読み応えあり。
個人的に好きな季語は、物思いに耽る妻の艶っぽさを感じる「夜長妻」
ここで一句『夜長妻 図書館本で 超多忙』才能ナシ。
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作家であり、俳人である川上さんの「季語」の紹介を含めたエッセイ。
まことさんご紹介ありがとうございました。
春夏秋冬に分けて、川上さんがお好きな季語が多彩に紹介されています。それぞれに対する想い出と共に綴られています。
驚いた事は、川上さんが元々理系の方であった事。私は虫が苦手なので、生き物についてもいきいきと語られていて羨ましい限りです。
季語の多彩さを再確認すると共に、自分が日常生活において四季を大切にしていない事に絶望感さえ持ちました。もしかして、俳句には向いていないかもしれない。
業平忌が取り上げられていましたが、私も文学忌が季語になると知った時、これを読み込めたらカッコ良いんじゃないか?と、文学忌には、できるだけ、その方の小説を読む様に心がけているのですが、皆さん大御所ですので作品も大御所的。なかなか、読みきれなかったりしております。
今年は、もう少し読めたら良いなと思っています。
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歳時記の中から川上さんが選んだ季語と、その季語についてのエッセイを編む。雑誌「すてきにハンドメイド」に連載していたもの。その季語を使った俳句も一句づつ(本人作というわけではない)載せている。
元生物の先生らしいエピソードが新鮮だった。
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その季語に関係のあるエピソードとその季語を使った一句がそれぞれ載っている本。著者が選ぶ言葉は、ありふれた知っているものから全く聞いたことのないものまで、様々。わからないものGoogle先生に聞きながら読んだ。俳句そのものも読んでいて好きなものもあったけど、川上弘美さんのエピソードの方がなんだか印象に残る、そういう本だった。