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江戸川乱歩賞だが
2022/08/30 05:52
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
文章のせいか、期待したほどではありません。添乗員の望月拓海と、乗客のランディ・ベイカーとが、到達不能極基地へ向かうと、ナチスが極秘実験していた過去が……という設定は面白いのに、途中でラストが読めてしまうし。
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ナチスが南極に築いた秘密基地に眠っていた超兵器が目覚めて、南極だけでなく世界に危機が迫るというお話。かなり荒唐無稽なので、乗れるか否かで評価が変わると思う。乗れたら楽しいかな。ただ登場人物に漢が多すぎて暑苦しいのと、ヒロインとか悪役とかの脇役が表面的で、ホントに「ヒロイン」「悪役」というような記号でしかないのが難と言ったところ。
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ミステリというより、SiFi食の強いお話。
第二次大戦末期、人の意識を電子化する技術があった。
南極大陸の到達不能極基地で行われた実験とは?
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途中まですごく面白くて、今と過去とどう繋がってくるのか、さきが気になって仕方がなかった。なのに、そういう系なんだ、途端にリアリティをなくして、都市伝説のような話に転がっていった。
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2018年、突然の電波障害で南極に不時着した遊覧飛行中だったチャーター機。基地との連絡が取れなくなった南極観測隊。そして1945年、戦時下の兵士たちに下された極秘の指令。現在と過去が交互に語られ、見えてくるものは……。圧巻の舞台設定とスケールで描く江戸川乱歩賞受賞作。
この話の最大の謎は、2018年の電波障害と、1945年の戦時下の指令がどうつながるのか、というところなのですが、その謎が明かされるまでの各時代の描写がまず読ませる。
2018年では南極のリアルな描写が見もの。知識的な面はもちろんなのですが、食料や燃料を求め、今は使われていない基地へ向かう描写の迫力はかなりのもの。冒険小説としての面白さも持ち合わせている。
一方での1945年でのエピソードは18歳の少年兵を語り手に話が進む。軍事的な部分であったり、航空機の描写などもリアルに描かれているけれども、少年兵の初恋の感情であったり、戦争へのモヤモヤ、同じ部隊の仲間との関係性など、心理描写がみずみずしくそこも良かった。日本兵たちの目的地というのも、かなり荒唐無稽なのだけど、そこも描写がきちんとなされているので、話がすっと入ってくる。
そして二つの話がつながるとき、明らかになるのは全世界を巻き込む大きな危機。ここにきて話はより壮大になり、荒唐無稽さもより増していくのだけど、ここに至るまでの各エピソードや心理描写が詳細かつリアルに描かれているので、個人的にはわりとすんなり受け入れられました。
乱歩賞路線の作品というよりは「このミステリーがすごい!大賞」路線の話かもしれない。なので従来の江戸川乱歩賞を期待していると、だいぶ面食らう展開かもしれません。でも作品自体のパワーや熱量は、これまで読んできた乱歩賞作品とは全く違う方向に振り切られていて、純粋に楽しめました。
今回初収録という「間氷期」は『到達不能極』の登場人物の過去を描いたもの。短編ながらこちらもワールドワイドな舞台と設定で、他の小説家ではあまり読んだことのない路線で面白かった。
そして『到達不能極』も「間氷期」も単にスケールの大きい娯楽作というわけでなく、今の世界や社会が抱える問題に切り込んでいるあたりも印象として良かったです。
著者の斉藤詠一さんが、今後どんな路線で作品を書いていくのかはわからないけど、この路線、この完成度の作品が続いていくなら、解説にある通りミステリ史に偉大な足跡を残す作家さんになる可能性も十二分に感じます。それだけスケールの大きさを感じる作品でした。
第64回江戸川乱歩賞
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第64回(2018年)江戸川乱歩賞受賞作、著者のデビュー作です。
2018年2月メルボルンを離陸した南極上空を遊覧飛行するジェット機が南極に不時着した、乗客乗員は約50名。
通信不能状態で救援を待つが現場近くに使われていない米国のプラトー観測所が有り添乗員の望月と米国政府職員のベイカーが調査した所、死体を発見した。
同時刻に日本の南極観測隊が任務途中に不時着機と戦中の軍用機の残骸を発見する。
その63年前、極秘任務でタイ・ペナンの日本軍航空隊基地からユダヤ人博士と娘を乗せた軍用長距離飛行機が南極に向けて飛び立った。
物語は、現在の南極と63年前第二次世界大戦末期の南極での事件が交互に語られる。
ユダヤ人の父娘はドイツの南極秘密基地での生体実験の為に連れてこられたのだ。ナチスの監視下身体を冷凍保存し意識は電気回路に記憶させ将来その人間を復活させるという、謂わば''不老不死''の実験だ。
現代では南極観測隊と不時着した面々が救出を求めて他の基地へと出発するが、軍人だったベイカーに嵌められて63年前の秘密基地(到達不能基地)に向かう事となった。その中には望月の大叔父の星野が連れて来られていた。星野は63年前にユダヤ人父娘をペナンから南極に運んだ日本軍の1人だった。
ここまでで約半分を読み進んだが、ほぼ結末が見えてきた。。AIが暴走し人を攻撃する映画のストーリーと類似の様な既視感を感じた。
クライマックスは、63年前のシステムと現代人類の戦いに犠牲者と元軍人の老人との切ない愛情が与みしハッピーエンドに至る。
読み易く南極と言う幻想の様な舞台の影響もあって引き込まれて行くが、項を繰るにつれ何だか結末が見えて来る。。。あっと驚く様な仕掛けも有りません。
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スケール感の大きい作品を読みたいと思っていたところで出会い、楽しく読めた。
欲を言えばアクションシーンの描写をもう少し描き込んで欲しかった。
併録されている間氷期も本編では詳しく語られなかった部分か描かれていて良かった。
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過去と現在が交錯するダブルプロット。期待が高い分、終わりに向かう過程に、若干の疑問。楽しめるスケール感。
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冒険&SF。
南極はとにかく謎な事が多く、それだけでワクワクする。
本書は現代で南極を探索するパートと過去の戦中時代に南極にいた部隊の2つの話が交差して進んでいく。
戦時中に南極である研究が進められていたのだが、
それが本当にありそうなのだ。
現代ではもう使われていそうな気がする。
何もかもが凍ってしまう南極、とても魅力を感じるけれど行きたくはないな…。
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南極大陸を部隊にしたSF小説。
第二次世界大戦と現代の2つの時代の話が交互に進んでいく。南極大陸に秘密基地を建設し、そこで昨今のAIに相当する技術を軍事目的に開発していたという設定。詳細は記載しないが、エンタテイメントとしては問題ない範囲で、スムーズに腹落ちしながら読み進めることができる。
南極探検隊の話の中で、頻繁に「しらせ」の名前がでるため、その存在だけは知っていたが、軍に所属するいわゆる軍艦であることを初めて知った。
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読んでる途中でずっと涙が止まりませんでした。
戦争時代のときには感情移入をしながら読んでいたので、最後の日本軍の仲間たちが全員を助けるために死んでいくのは心が引き裂かれるように辛かったです。
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南極に最近行った知り合いがいる。死ぬまでに富士山登頂したいとよく言うが南極も面白そうだが本書を読むととてもじゃない感じがする。
発送はとても面白いし、SFとして読むなら楽しめる。