紙の本
大人が読んでも楽しめる
2016/03/10 18:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もるたん♪ - この投稿者のレビュー一覧を見る
BSで石井桃子さんの特集をしていたので、手に取った。権力の横暴を感じる昨今だからこそ、表題作が響いた。14の小品のうち。特に印象的だったのは「おくさまの部屋」3.11を頭に浮かべずにはいられない「貧しい島の奇跡」作者の前書きも、自分と本との甘い子ども時代を連想させ、甘酸っぱい気分になった。わが子にも、どうか素敵な本との出会いがあってほしい。
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2年生の娘には味わい深すぎるのかまだわからない話が多い。私が愛してやまない『小さな仕立て屋さん』を読んでやったらやっと目をきらきらさせて聴いていた。1年前には途中で飽きちゃったのにね。『小さい仕立て屋さん』はどんでん返し、のまたどんでん返し、が素敵。貧しい少女が王妃さま・・・にはならない素敵さが大人になってようやくわかった。娘もきっと、ひとつひとつこの本の素敵さを見つけてくれると思う。
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「わたくしが子どものころ住んでいた家には、わたくしたちが『本の小部屋』とよんでいた部屋がありました。…」こう始まるこの前書きの挿絵は、独特で繊細な味わいのあるペン画のエドワード・アーディゾーニによるもの。壁一面の本棚から溢れた本がうず高く周囲に積みあがられた中で、一心に本に読みふける小さな女の子の姿。可憐で美しいファージョンの短編集の世界は、小さくともきらめく宝のようです。
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新しいおとぎ話という印象をもった。
繰り返しの技法など、昔話が持つ特徴をいかしつつも、型にはまりきってはいないように思う。
また、登場人物たちの感情も書かれているところが多々あり、昔話よりも個性があり生き生きとしている。
いくつもの異なった話が一冊の中に入っているので、いろんな雰囲気を楽しむことができた。
<小学校上級から中学校向き>
*****
リストに入っていたのは、文庫の方ではないのですが……!
よくよく考えるとどれも深い話ばかりでした。でも、あっさりと読んだ方が楽しめる気がします。
「小さな仕立て屋さん」が特にかわいかったです。ただ単に結婚してハッピーエンドではなくて、その過程できちんと恋をしてるなーという。おとぎ話チックな話しながらも、さみしさとかがにじみ出てて好きでした。人間っぽいのです。
でも印象的だったのは「七ばんめの王女」と「名のない花」
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この本、一つ一つの物語もキラキラしていてとっても素敵なんだけど、それよりなにより惹かれてしまうのは挿絵です。 どれ1つをとってもため息ものなんですよね~。 モノクロ(表紙は彩色されているけれど、それでも色数をぐっとおさえてある)なのに、色が浮かび上がり、静止画なのに空気や風が香り立つような感じ・・・・・とでもいいましょうか。
そしてそれにさらに輪をかけて素晴らしいのが石井桃子さんの美しい日本語です。 これにはもちろん著者であるファージョン自身の持っている品格・・・・のようなものも大いに寄与しているとは思うのですが、それを石井さんの甘すぎず、かと言って淡々とはしすぎない絶妙なバランス感覚で選び抜かれた日本語がさらに素敵なものにしてくれている・・・・・そんな素敵な短編集だと思います。
(全文はブログにて)
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おとぎ話の日常
児童文学にはあまり縁が無いが、良い児童文学は説教くささを隠した美しい物語のことだろうと勝手に思っていた。でも、その抽象的な「児童文学」が実際のものになったときどのような物語になるのか考えたことはなかった。実際どんなものであっただろう? エリナー・ファージョンの物語は、確かに王さまや王女さまがでて来て、木こりや言葉をしゃべる鳥達のいる世界を描いていて、おとぎ話の枠に入っている。しかしその物語自体は、村外れの忘れられた納屋にある秘密基地のように、楽しい場所である一方で何か見えないものが隠れているような不安感を与える。物語は密やかで無邪気なきれいさを持っているのだが、それは目をそらした隙にどこかに消えてしまいそうな気がするのだ。おとぎ話の日常、と言えばいいだろうか。不思議な世界の一日を切り取ったかのような短編なのだ。
あるいは、私のような大人にとっては、おとぎ話は昔の思い出を想起させるトリガーであり、この感覚はその思い出自体の儚さのせいなのかもしれない。懐かしい祖母のテーブルにのった紙風船や、父と馬に揺られて歩いた不思議な山道は、もはや何処とも知れない。つまり、子ども達のものは子ども達のところにあるべきであって、大人が紐解くものでは無いということだろう。
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エリナー・ファージョンのムギと王さまを途中まで読みました。mixiで面白いと紹介している日記があったので注文して買って読んでみましたが、二つ目の短編を読んでいる途中で飽きてしまいました。ストーリーがいい加減で、子ども向けとは言え、全く面白くありませんでした。日記で紹介されていたのが、7番目の王女の話だったので、これだけはあとで拾い読みしてみましたが、何を言いたいのかわからない物語で、子供にこんなしょうもない内容を読ませるから本に興味を持たなくなるのではないか、と思ってしまいました。
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本が大好きな著者の童話は、喧騒の都会とおとぎの瞬間が地続きで融け合って不思議なキラキラした読み心地です。表題作が好きです。レモン色の仔犬が可愛い!伝統的なお姫様の童話に意表をつくラスト。結構煙に巻かれたような。
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(もくじ)
作者まえがき
ムギと王さま
月がほしいと王女さまが泣いた
ヤング・ケート
名のない花
金魚
レモン色の子犬
貧しい島の奇跡
モモの木をたすけた女の子
西ノ森
手まわしオルガン
巨人と小人
小さな仕立屋さん
おくさまの部屋
七ばんめの王女
さし絵 エドワード・アーディゾーニ
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挿絵も何もかもたまらんです。
特に好きなお話は「ムギと王さま」「 月がほしいと王女さまが泣いた」「 金魚」「 西ノ森」「 七ばんめの王女」…って全部ええなあ。
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岩波少年文庫2071~ムギと王様,次がほしいと王女様が泣いた,ヤング・ケート,金魚,レモン色の子犬,モモの木をたすけた女の子,小さな仕立屋さん,天国を出ていく,ティム一家,十円ぶん,《ねんねこはおどる》~ 一番わからないのが最初の「ムギと王様」,次が2番目に出てくる「月がほしいと王女様が泣いた」,最後の短編に《》が付いているのかもよくわからないし「こ」が小さい理由も分からない。表紙の絵の説明も原本である"The Little Bookroom"にしないと理解できないぞ。自選短編集でカーネギー賞と第1回クリスチャン・アンデルセン賞をとったものらしいけど,良さが理解できません。何しろ,その頃生まれた赤ん坊がおじいさんになるくらいの年月を経ていますのでね。おっと,作者まえがきを読むのを忘れていたから,理解に苦しんだのかも知れないね
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色んなタイプの話があったけど、どれも良かった。
どの話も登場人物たちのやりとりが面白い。
『ヤング・ケート』『レモン色の犬』『貧しい島の奇跡』『モモの木をたすけた女の子』『西ノ森』『小さな仕立て屋さん』が特に好き。
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短編集。子どもができたら、毎晩少しずつ読んであげたい。声に出して、耳から聞きたいおはなしばかりでした。
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ファージョン(1881-1965)はイギリスの詩人・作家です。岩波少年文庫の扉の紹介文によると、父は流行作家、母はアメリカの有名な俳優の娘でした。芸術的な雰囲気に満ちた家庭で本に埋もれて育ち、正規の教育は受けませんでした。
この短編集に収められた作品は不思議な味わいのあるものばかりです。それもこれも、義務教育を受けずに育てられ、自由な空想を羽ばたかせて書いた成果でしょうか。
かなり良かったと思います。お気に入りの作家になってしまったのですが、中でも私がお気に入りの話は「レモン色の子犬」、「月がほしいと王女さまが泣いた」、「七ばんめの王女」ですね。
「レモン色の子犬」は、面白いです。悲しさと美しさが共存したお話です。
王さまの木こりのジョンがある日、年とって亡くなります。その息子のジョーは特技といっては木を切ることしかありませんでしたが、王様の執事に父親亡き後の木こりの職を志願するところから、物語ははじまります。
木こりの仕事を一度は断られたジョーですが・・・王様の娘の王女さまと、意外なところで出逢います・・・。
身分の低い木こりと、王女様の恋の行方は如何に・・・。そんな話です。
「月がほしいと王女さまが泣いた」は楽しい作品です。ファージョンの作品は王様とか王子、王女様が登場することが多いのですが、ここでも無邪気というか、天真爛漫な王女サマが登場します。
王女サマは五歳とか六歳なのですが、お月様がほしくて、屋根の上にまで登って、泣いています。「あたしお月様がほしいの」、と。
その王女サマの一言がとんでもない騒動を巻き起こします。誤認逮捕の嵐、戦争の勃発・・・国中を、大混乱に陥れます・・・。
ファージョンは、技術的に「繰り返す」ことを好きな作家ですね。「レモン色の子犬」でも、同じパターンを何度か繰り返して、ラストでカタルシスが訪れる、という構造です。
作品的には児童書かもしれませんけれど、構造への意思があります。言い換えれば、自由に好き勝手に空想の翼を広げているように見えて、その実、裏では精緻な計算をしているということです。
最上級の、上質の物語がここにあります。
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にゃんくの本『果てしなく暗い闇と黄金にかがやく満月の物語』より
(あらすじ)
七歳になるリーベリの元に、或る日、継母のケイとその娘ミミがやって来ます。継母に虐められ、リーベリは学校にも通えず、幼い頃から働かされ、友達すらいなくなります。
リーベリの心の拠り所は、亡くなったママ・ジュリアが遺してくれた魔法の教科書だけ。リーベリは毎日魔法の勉強をし、早く大人になり自由な生活を送れる日が来ることを夢見る毎日です。
成長したリーベリの唯一の仲間はぬいぐるみやカラスだけです。
或る日、そんなリーベリは、海岸にひとり男が倒れているのを見つけますが……。
↓ここから本を試し読みできます
http://p.booklog.jp/users/nyanku
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≪県立図書館≫
大人目線で、面白かった。
皮肉があったり、なにかしらの教訓が読み取れたりするお話ばかりだった。
子供には少し難しいようで、読み聞かせていても、ぴんとこないようだった。
つきあっていくうちに、徐々に魅力に気づいていく、というお話のように思った。