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コロナ禍で、あらためてその仕事に焦点があたるようになったエッセンシャル・ワーカー。看護・介護する仕事、教える仕事、食糧品等を供給する仕事、その商品を切らさないよう物を届ける仕事、清掃に関わる仕事…。エッセンシャル・ワークのほとんどは、他の人々の世話をするケア労働。ただ、人々が日常生活を送るために欠かせない仕事を担っているのに、賃金は総じて低く、仕事がきつく、労働条件も悪い=シット・ジョブ。
一方、ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)が増えていて、賃金も高い。ブルシット・ジョブとは、誰かを偉そうにみせたり偉そうな気分を味わわせたりするためだけに存在している仕事、雇用主のために他人を脅したり欺いたりする仕事、組織のなかに存在してはならない欠陥を取り繕うためだけに存在している仕事、組織が実際にはやっていないことをやっていると主張するために存在している仕事、他人に仕事を割り当てるためだけに存在する仕事…。エッセンシャル・ワークとブルシット・ジョブ、なぜこんなことになってしまっているのか、ブルシット・ジョブを解説しながら、その謎にせまる。
日本の典型的なブルシット・ジョブ、それは、総理の国会答弁のための答弁書を作成し、総理にメモを渡す官僚のお仕事! まさにクソどうでもいい仕事だが、それに携わっている人間は優秀とされ、賃金も高い。
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本書は問題提起の書である。
本書の主要な論点は、具体的な政策提言をおこなうことにはない。本当に自由な社会とは実際にどのようなものなのかの思考や議論に、手をつけはじめることにある。
読み始めて、ブルシット・ジョブの理解が進む都度、自分では言葉にできない思いが表現されていて、何度も膝を打ち、それだけでカタルシスとなった。
しかしながら、ブルシット・ジョブ問題を前にわたしはどうするのか。
抗うのか?上手くやろうとするのか?社会が変わるのを待つのか?
ブルシット・ジョブ問題そのものの理解は大いに進んだ。
本当に自由な社会が実現されたら、すばらしい。
誰もがブルシット・ジョブなんてやりたくない。
最適解はないけれど、自分自身が自由になるための時間と思考を大切に磨いていきたい。
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コロナ禍で、エッセンシャルワーカーがの価値が叫ばれる世の中、この著が注目されるのも頷ける。
長い著なのだが、どういう仕事がブルシットで、どうやったらブルシットを排除できるのか?最後の提言は、(と言っても著者はアナキストであるため提言をするということはしないのだが)、ベーシックインカム制度。
・人は、誰か、何かの役に立つような仕事をする。
・人はたとえ賃金が良くとも、ブルシットジョブから逃げ出したい
・人は本来働きたくない。
→ 全ての人に平等にお金を与える。暮らしは保証され、いやな仕事はなくなり、かつ役立つ仕事が残る。
ミソは、誰しもに(超金持ちにも)ベーシックインカムを与えること。基準を設けたら、そのためのブルシットジョブが発生し、制度を作る側作られる側ベーシックインカムを受ける量での差が生じるから。ここは納得。
どうだろう・・・言っていることは理解するけど。。。。壮大過ぎて、また、私がどっぷり資本主義のブルシットに囲まれた環境にいるから想像つかない。実証実験なら喜んで参加してみたい!
いくつか重箱の隅つつくようですが、指摘したい訳:
ゼネラルエレクトリクス:社名間違ってる。正しくはゼネラルエレクトリック
「上司にはオレンジと言えない」職場の階層マゾヒズムにより、上司には反対意見を述べられないということを言いたいのだろうが、「上司には白を黒と言えない」とした方がわかりやすいのではないか。これは直訳?
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観点、主張は面白い。
また、著者が、社会的提言に重点を置いた本に思われない様に、一生懸命論を展開したのもわかる。
でも僕的には、半分の厚さでいい本だと思った。
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最終的な実用的定義「ブルシット・ジョブとは、被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている。」
簡単な本ではないが、非常に有益。
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勉強になった。ちまたにブルシットジョブはあふれてそう。
ただ、翻訳の問題か筆者の問題か、めちゃくちゃ読みづらかった。
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クソどうでもいい仕事を知らず知らずのうちにしてしまっているかも?と戒めになった一冊。
とはいえ、日本企業や日本政府にはブルシットジョブを完全に無くす社会にはならないのでは?とも思いました。日本は年功序列、根回しなど悪しき習慣が外国よりも多いため。
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ブルシット・ジョブとは、被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないととりつくろわなければならないように感じていて、たいてい、とても実入りがよく、きわめて優良な労働条件のもとにある。ただ、その仕事に意味がないだけの仕事と定義している。
具体的な5つのくそどうでもいい仕事の種類
1.取り巻きの仕事:誰かの権威を見せつけるような仕事。具体例、受付、ドアアテンダント
2.脅し屋の仕事:他者との勢力争いの上に成り立つ、誰かを脅迫する要素をもつような仕事。具体例、軍隊、企業弁護士、広報の専門家など
3.尻拭いの仕事:誰かのまたは組織の欠陥を穴埋めするような仕事。
4.書類穴埋め人:本来必要のない書類を作成し、保管するような仕事。
5.タスクマスター: 本来は必要でない人を管理したり、その人達のために余分な仕事を作ったりする人。具体例:中間管理職、リーダーシップ専門家
実態は調査する事が困難だが、本書の調査では全体の3割から5割が該当するかもと言う、これまでの市場経済の原理からは衝撃的な結果となっている。
そんなバカなと思ったか、これを読んでサラリーマンで一切そんな仕事をしている人を見たことも、自分がした事も無いと言う人はいないのでは無いか?と思い空恐ろしくなった。
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ケインズの週15時間労働の予測は、おこらなかった。労働時間をもっと少なくするよりも、もっと稼ぐインセンティブのほうが強かった、というのが定説。くだらない仕事が増えた、というのが本当ではないか。無意味な仕事が、資本主義でも生み出されている。書類の作成、自己啓発セミナー、など。人類学の教授も、顧問弁護士も。
ある仕事がまるごと消えたら、世の中は回らないか。
世の中に意味のある仕事をしていない、と考えている割合は37%。
改革は失敗するほど、さらに改革のためのコンサルタントが必要になる。
ブルシットジョブとシットジョブの違い。シットジョブは、意味があるが単に報酬が低い。ブルジットジョブは、意味はないが報酬が高い。ブルーカラーとホワイトカラー。
現場はリストラで人数が少なくなっている一方で、余計なブルシットジョブが増えている。
取り巻きの仕事。
受付の仕事。立派な会社に見せるために。
広告の仕事はどうか。コールセンターで相手のためにならないモノを売る仕事。
必要のない人に売る仕事。
尻ぬぐい、書類穴埋めの仕事。
中間管理職。
職務記述書に合わせて作り出された仕事。
サービス経済という概念に問題がある。
情報労働という分野に多い。金融、不動産など。
サービス部門というより管理部門の膨張。
ストライキというwebマガジン2013年8月の寄稿
「腕の立つ料理人として雇われたはずなのに、魚のフライにの調理に膨大な時間を捧げている」P5
他者に寄与する仕事であればあるほど、対価は少なくなる。P7
ネオリベラルは本質は自由ではなく、経済プロジェクトに見せかけた政治的プロジェクトであるP13~14
政治エリートの思考習慣に答えがある。経済効率の名のもとに不合理に見えることが行われている。P15
ブルシットジョブの定義=ブルシットジョブとは、被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の携帯である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人はそうではないと取り繕わなければならないように感じている。
サービス労働者は、仕事を嫌っていても役に立っていないとは考えていない。
金融システムのトップの仕事は、ブルシットジョブですらなくペテン師の一群である。P32
シットジョブはブルシットジョブではない。報酬は処遇がぞんざいであって、社会を益する仕事である。
細かい規則を読み上げてイライラさせるのは役所の人間より、銀行や携帯電話の販売代理店の人間が多い。P36市場改革は、官僚制を縮小させるのではなく、増強させた。責任回避のために。
底辺の従業員に対しては、リストラと効率化を迫ったあ、自分たちにはそれを適用しなかった。同時期に無意味な管理職が増殖した。P38
ブルシットジョブの種類
取り巻きの仕事P50、封建家臣のようなもの。見栄のために。
脅しやの仕事P61、コールセンター
尻ぬぐいP66、
タスクマスターP79
働くふりを強要されることは苦痛。
��惰はトラブルの種ではなく、盗みであるP125
勤務時間内は効率を上げ過ぎてはいけない。
怠惰は、他人の時間の盗みなり、という倒錯した道徳観念P133があると、仕事をしていない人を見ると怒り出す。
監視されないブルシットジョブは、悪いものではないという感想があるP143
通常は、緊急のためにいるだけであっても、いつも仕事をしているフリをしなければならない。
P198誰もが現在の経済システムでこのようなことが起こるとは思っていない。資本主義の結果を直視することを避けている。
サービス経済化とは、サービス業が多くなるのではないP199
FIRE部門(金融保険不動産)が大きくなる=情報労働。ここがブルシットジョブが増殖している。
経済の構成要素としての情報P201
金融部門全体がある種の詐欺。実状は、政府と結託したトリックP202
ハイエクなど市場崇拝者は、定義からして市場経済は何の目的もない雇用はあり得ない、という想定をしているp211 それでも、公共部門ならあり得る、あるいは民間であり得るとしたら規制のせいだ、と考える。
豊かにしたのは、複雑性p212、仕事の分割が必要、全体像は見えにくいが、必要な仕事であることは変わりない、という論旨。
グローバリゼーションによって複雑になったため管理者が必要になった、か政府の規制のために必要になった、という2種類の反論が考えられる。
再反論:大学の事務員は、学生数や教職員の増加の5倍増えている。公立学校より私立学校のほうが増え方が多い。権力掌握の問題と考えれば理解できるp216
金融資本主義の台頭する時期と重なっているp217
表面的にはFIRE部門がブルシットジョブを創出する直接的な仕組みは、その他の領域と同じ。(5類型ある)部下を名誉のしるしとみなす、ライバルに同じようにするようにと脅される、問題解決より結果に対応するほうが簡単(尻ぬぐい)、証明のためのペーパーワークのほうが重要視される(書類穴埋め人)、タスクマスターは、非人格的権威の副次効果。p218
FIRE部門は基本的に無駄なことをやってお金を作りだしている。水漏れを治すより、漏れた水を吹いたほうがお金になる。
補償のための官僚組織も同じ。補償が終わったら自分の仕事も終わってしまう。
ある種の寄生虫p221食い物にされているのは消費者か納税者。
利潤追求を目標とする事業が多額のお金を分配する仕事に従事する場合、最大の利潤を上げる方法は可能な限り非効率になること。p222FIRE部門はこれをやっている。
銀行の行内向けイントラネット版facebook、人事部がチャリティ週間にチャリティを推奨すること、など。チャリティは、宣伝の目的で行われる。p225
食物連鎖の頂点にいる人、はいかに無意味な仕事であるか、はわかっていない。p228
フレキシビリティやマインドフルネスセミナーもブルシットなもの。
巨大銀行は、君主のごとき経営陣に奉仕する封建的従者の一群で構成されている。p232
現代の経営封建制が古典的封建制と似ている点と異なっている点p232
封建制は再分配制度。経営封建制も政治的な利益を配分する手段。大き過ぎてつぶせない銀行、のように政治と経済は区分できない。p234手数料と違約金から利益が確保される。
エレファントティー工場の例
生産性の向上による利益で、ホワイトカラーが雇われた。そのうちそのホワイトカラーが、工場を閉鎖し移転した。p235
生産性は上昇したが、平均賃金は上昇していない。その分は1%の最富裕層に行った、というのが通説。実際は、無駄なホワイトカラーを作り出すために使われている。
つまり、富と地位は経済ではなく政治によって割り振られる、という封建制。
もう一つの特徴は、ヒエラルキーの形成。上位者の服従が仕事内容の中核を占める。ほとんのプレーヤーは、上司であると同時に部下(領主であり家臣)。p238
映画はかつて、ひとりの親方がリスクを負い映画製作をした。コカ・コーラがコロンビアピクチャーズを買収したとき=ネオリベラルの台頭と時を同じくして。
マネジメント層が出現して、そのための書類が必要になり、時間がかかるようになった。誰も責任をとらないために、たらいまわしが始まる。意見を持っているフリをする。p246
少なくとも政府が保証した利益の一部は、報酬が多く人気もあるが究極的にはブルシットであるようなオフィス仕事の創出のためい再分配された。p250
サービス部門の増大と結びつけるのは誤解。p251
経済の金融化と情報産業の発展、ブルシットジョブの増殖のあいだには内在的な関係が存在する。
今は、資本主義ではない、連と取得のシステム、経済と政治が融合している。マルクス主義者のいう運動法則は資本主義とは違ったものになっている。p252多くの点で古典的な中世封建制に類似している。
我々はブルシットジョブを作り出すことを集団的に決断したp254
働かざる者食うべからず、働らかないことを非難する投稿が多い。
価値=経済的な価値、諸価値=抽象的な価値(家族、美、真実など)p266
仕事の社会的価値と、対価として支払われる金額は反比例しているp272
ベルギーは政府が成立しないまま、541日無事に過ごした。ウーバーもCEOなどが不在のまま仕事をが続いている。p274
金融部門がストライキを行わないのは、いなくても困らないことが証明されるから。1970年のアイルランドの銀行ストライキの例。それに対してゴミ収集人のニューヨークのストライキは10日間で町が居住不可能になった。
給料と有用性との反転した関係。p275
イギリスのニューエコノミスト財団の調査、社会的投資収益率分析。6つの職業について分析p276
古代ストア派のように、徳はそれ自らが報いである、かのようだ。小中学校の先生は、実入りが良かったら、金目当てのものが先生になりたがる。そのような人には教えてもらいたくない。
リナックスの開発は面白いがゆえに無償で行われている。無償ではやりたがらないメンテナンスの仕事のために雇われる。
翻訳は能力アップを目指す人がいるから低料金または無料になる。
ただでニュース記事を書く人がいると、専門的なジャーナリストはお金をもらえなくなる。
大学の先生が研究だけで給料をもらうのは、楽しんでいるのだからおかしい、という考え方になる。
企業人の多数が、満足を感じられる仕事なら報酬は支払われるべきではないと考���ている。p284
労働価値説はマルクスの以前から唱えられていたp299
カーライフの「仕事の福音」労働自体が価値。
巨大企業の登場で、資本が富を作りだす、との議論。p303
地下鉄労働者は、ケアリング労働、をやっている。p307
すべての労働はケアリング労働p308仕事の大部分は生産的というよりケアリング。p310どんな仕事にもケアリング的要素が含まれている。ケアリングの諸関係にからめとられている。
仕事は単に整形のための手段だけではない。内面生活に意味のある寄与をする要因のひとつp313失業は、お金ではなく自己を規定し尊重する能力を失うこと。
労働者は自らの仕事を嫌悪しているがゆえに、尊厳と自尊心の感覚を得る、p314苦しみこそ経済的市民権の証し。p315
自動化が進むほど、実質的な仕事の価値はケアリング的要素になる。これは数量化しえない要素。これを数量化しようとしたから、ブルシット部門が膨張したp337
自動化は、別の作業(ケアリング部門)の効率を下げる。自動化によって、ケアリング部門に時間がさけるようになる。ケアリング作業を自動化させようとすると膨大な人間の作業を必要とする。p338
シラバスの作や試験問題作成のための経営管理型大学と非経営管理型大学の差。p339
現在の労働の配分は、経済的ではなく、政治的なもの。
諸価値を価値の論理に包摂する企てのため。p342
仕事と報酬を切り離し、このジレンマを解消するにはベーシックインカムがあり得る。提言はしないp345
反ブルシットジョブの運動は存在しないp347
組織化が困難。
週15時間労働になっても、不必要な仕事が廃止されない。むしろ有用性の評価のための官僚組織ができてブルシット生成装置になってしまう。雇用保障プログラムも同じ。p347
BIが実現すれば、可能かも。ミーンズテスト資力調査がなければ。書類の穴埋めと尻ぬぐいの仕事はなくなる。ミーンズテストを残すと、官僚制が必要になり肥大化するもとになる。p357
レムの宇宙探検家泰平ヨンの物語。p334
BIが実現すれば、一般市民を監視する役割が冨実用になる。労働と報酬を引き離せば、働いているかどうかを監視する組織は必要なくなる。他者に有用ないし便益をもたらす喜びが感じられる仕事につくだろう。p360
働かなくなることはない。無駄だと感じている仕事はしなくなる。いまより労働の配分が効率化するはず。p364
ブルシットジョブは造語。ウソ、でたらめなどの語感、ナンセンス、のみではない。p408
小論とほぼ同じp411
役に立つと実感できる仕事は、報酬が低くてもブルシットではない。
市場原理主義との矛盾。p413
雇用目的仕事とプルシットジョブ。
完全雇用を達成するために、左派は消費者にお金を渡す。右派は雇用者にお金を渡す(サプライサイド)富裕層はどう投資すればいいか、わかっているはず。しかし、需要がなければ生産しても意味がないから、取り巻きを雇うことになる=ホワイトカラー=ブルシットジョブの創出。メカニズムは雇用目的仕事と同じp415
ブルシットエコノミーとケア労働
パンデミックのときはエッセンシャルな領域の労働者は絶賛されたが、賃金は上がら���い。なぜならストライキ出来ないから。
経済が余剰の獲得、と同義になっている。=壮大なるブルシット機械を作動させることになる=ブルシットエコノミー。p420
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ブルシットジョブという定義は新鮮であり論考に値することはよくわかるが,それぞれの論点についての議論がとても長くて,かつ修辞がたくさんある文章なので論理を追うのが大変である.翻訳はおかしくはないのだが,もう少しすっきりとした明快な日本語にしないと読み通すのがつらい と感じた.(原文にあたったわけではないの
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これを読んだ(と思われる)日本のサラリーマンのみなさんはどう思ったんだろうか。それはそれとして、今の政治機構でBI導入するより人類滅亡させる方が楽そう
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ブルシット・ジョブ。
従事する人自身さえ、完全に社会に対し無意味だと思え、そのことを取り繕わねばならないと思う仕事。
これは暫定的定義であり、かつ経済学が切り落としてきた主観的要素をはらんだものだ。
けれど、こういう視座を作ることで見えてくることがある。
この数十年、生産性は上がっており上がっており企業の利益も上がっているのに、どうして労働者の賃金が上がらないのか。
それは、政治と経済が癒着した経営封建制による。
上層部の権力を保全するために、管理職が増殖する。
ここへの人件費に吸い取られてしまう。
逆に、ブルシットでない仕事、ケアリング労働は、なくなると社会が崩壊するため、低賃金に留められる。
私自身、ケアリング労働者で、中間管理職だ。
無意味だと思える仕事がとみに増えてきた。
無意味だと思うからこそ思うからこそやりがいがない。
自分の周りで起きていることも、この枠組みで理解できることが多いように思われ、ぞっとする。
大部な本で、読み通せるか不安だったが、読めてしまった。
著者、グレーバーについては全く知らず、今回調べたら、昨年亡くなってしまったそうだ。
経済学者だと思っていたら、人類学者だったとは。
グレーバーは普遍的ベーシックインカムの導入を提唱する。
それでうまくいくのか、自分にはまだ判断できないが。
資本主義の限界をどう超えるのか、議論はこれからのところで亡くなってしまったのだなあ。
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ブルシット・ジョブの定義は,「被雇用者本人でさえ,その存在意義を正当化しがたいほど,完璧に無意味で,不必要で,有害でもある有償の雇用形態」であり,「その雇用条件の一環として,本人は,そうではないと取り繕わなければならないように感じている」(27-28ページ)雇用のこと。
誰にとって無意味で不必要かなど厳密に定義しにくく,統計で把握しにくく,現行でそうした統計がないので,ブルシット・ジョブが多いのかや増加してきているのかどうかはわからないのでは,と個人的に思った。
ただ,確かに自分の仕事で,無意味だったり,不必要だったりするタスクはあるなと思いながら読んだ。
ブルシット・ジョブの考察から,労働の意味を考察する部分は,今後,参考にしていきたいと思った。まだ消化できてないけど。個人的には,3章の労働者の時間のことや,5章の経営封建制,6章のライフサイクル奉公あたりが興味深かった。
賃労働から解放されるときは来るのかどうか。。。
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「クソどうでもいい仕事」を痛快にぶった切る!本かと思いきや真面目に多面的にPullshit Jobを分析している。
大書で有益ではあろうが、著者には申し訳ないが本書を読むことがわたしにとってややPullshit Jobであった。
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この問題の存在については認めざるを得ないし、Covidでますますこのことが意識される時代だとは思う。
著者が述べるように問題提起であってソリューションはない。せいぜいベーシックインカム。
自分のことを考えても生活の安全性が強くなればもっと楽しいチャレンジができるだろうなと想像する。
説明がやや冗長に感じられたのは残念。