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片山さんと山崎さんの会話がリアルで聞こえてくる。声を出して笑ってしまった。
このお二人ならではのオフレコ談義、自分自身の平成音楽史も振り返ってみることとなる。
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2019年6月10日図書館から借り出し。
夕方借りてきて、夕食後読み始めて日付が変わる前に読み終わった。
平成という時代にかこつけて、その時々に起きた出来事を音楽と世相をリンクしながら片山杜秀氏と山崎浩太郎氏が田中美登里という方の司会で話を進めた放送内容を書籍化したもの。
片山杜秀氏は「未完のファシズム」でいたく感心した政治思想史の学者が本業でもあるので、辛辣な言葉であちこちで毒を吐いているので、笑えるところも多々ある。
自分も生きてきた時代であるのに、こうやって音楽の話を絡めながら話を進められると、そういえばそんなこともあったと、改めて頭の中を整理・再確認できることも多い。
読後に、巻末の年表もありがたい。
小さな活字で、あとから追録された対談も面白いし、所々で挿入されている色んな表も参考になる。
個人的には共感するところが多くて、途中ニヤニヤしながら一気に読み通すことができた。
なかなかの好著で、のちのち資料的価値も高くなるかもしれない。
音楽好きにはお薦めです。
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小澤評に大笑い。
オペラなんか得意そうじゃないのに国立歌劇場の音楽監督に平気でなっちゃう、とか、言ってはいけないことを平気で言っちゃってます。
つか、あれって、ニューイヤーの商業的成功はさておき、誰も幸せにならない大失敗プロジェクトじゃなかったんですかねぇ。
五族協和の体現者、ってのも、虚構でしかなくて結局は何の実りもない、って皮肉ですわな。
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昭和が終わり平成が始まる1989年を象徴する音楽として取り上げられたのが、
カルロス・クライバー:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団:ニューイヤー・コンサート。
このCDは発売されてすぐに買いました。
このあとカラヤン(1989.7)とバーンスタイン(1990.10)が相次いで亡くなっています。
天安門事件が6月、ベルリンの壁崩壊が11月、
ビロード革命でチェコが民主化され、1990年「プラハの春」音楽祭でクーベリックが凱旋帰国しスメタナの《わが祖国》を力強く演奏します。
平成の始めは、クラシック界も世界情勢も変化し始めた時代だったのですね。
クーベリック、ショルティ、クライバー、アバド、アーノンクール、その他巨匠たちが次々と亡くなってしまいました。
そして、現在のクラシック界を盛り上げている指揮者とオーケストラとして、
ドゥダメル:シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ、
クルレンツィス:ムジカエテルナ、
ロト:レ・シエクル、
などを挙げていました。(確かに私も最近よく聴くようになった指揮者とオケです)
いろいろと好き勝手に語り合って、平成の30年はどうだったかのまとめが、
「マーラーに始まり、佐村河内を経て、またマーラーに戻って来る」だった。(これが平成音楽史の結論か!?)
佐村河内守(新垣隆)の交響曲第1番《HIROSHIMA》は、当時いろんな著名人が素晴らしいと推していたのだが、いいと思わなかった。
本書で、マーラー的な曲と言っているので、聴き直してみたら確かにマーラーの雰囲気がある。だから好きになれなかったのだな。
マーラーは山田一雄が世界最高。ブルックナーは朝比奈。という感性の人達の思いつくままの雑談で面白く読めました。